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SDGs史#6 国連の環境担当と基金の創設、市民との連携の芽

 「人間環境宣言」は、それ自体の意義は、これまで記事にしてきました。今回は、宣言を実現する基盤となった展開を書きます。
 *「せっかくなので、ストックホルムの思い出」も記事にしますね。

 3つの会議後の展開を整理します。①国連内に環境担当が出来たこと、次に、②環境問題に投資するための基金を創設したこと、最後は、③「環境の日」の制定です。最後のは、「アース・デー」と絡めて、解説します。

 この3つの重要な点を比ゆ的に書いてみます。

 例えば、会議して立派な経営理念を掲げたとしても、それを実施する部署と予算がなければ、実現不可能ですよね。さらには、顧客、取引先、投資家、従業員の意見に耳を傾けなければ、独りよがりになりかねません。

 だから、組織の理念の実現には部署と予算、そしてコミュニケーションが必須だと思うんです。

 それを踏まえて、国連の話に戻ります。まず、 UNEP(United Nations Environmental Problem、国際連合環境計画)、通称「ユネップ」が1973年に設立されます。最近、方式が変わりましたが、日本は設立から継続的にUNEP管理理事国でした。

 そして、事務局の運営と主な事業費を賄うための環境基金が設立されます。環境に関連する基金は、どんどん膨らむ傾向があり、時に批判を受けたりしました。限られた公的資金優先順位を決めなくてはいけず、その公平性と透明性が試されていきます。これは、UNEPは、説明責任果たすことで鍛えていきました。

 最近は、企業の取組も変わり、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資で民間資金が投入されることが増えましたが、当時は公的資金が多大に必要でした。その経験は、確実にESG投資の枠組みづくりに寄与しています。その視点は、結構大事なところです。

 国連は巨大な行政組織です。その中で、環境問題を扱うプロフェッショナルを雇用し、対策を講じる予算を得たことは、画期的でした。もちろん、官僚的な弊害を指摘されることもありますが、第一歩ですよね。そこから、かなりの労力をかけて、UNEPはパリ協定やSDGs策定に尽力していったわけです。

 もう一点、UNEPは、国連で始めて途上国に本部を置いた機関でした。ケニア共和国のナイロビにあります。これは、これまでの記事を読めば、納得がいくと思います。先進国の生活環境の改善だけでなく、途上国の開発も忘れるな!!、生き物のことを忘れるな!!という強いメッセージだと思います。

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Photo by Joecalih on Unsplash

 最後にコミュニケーションの部分を書きます。ご存じでしょうか?6月5日は、「環境の日」なんです。これは、ストックホルム人間環境会議の際に日本が提案し、採択されました。元上司が「私が提案した」と言ってました。(裏は取れないので、言っていました、でとどめます。)

 ですが、その理由が興味深かったです。

 4月22日「アース・デー」はご存じの方、多いのではないでしょうか。渋谷で集まったりしますよね。その開始年もこの時期なんです。1970年です。

 アメリカの上院委員・ゲイロード・ネルソンが学生に討論する機会を提供し、地球のことを考える日を提唱し、実現しました。そして、スタンフォード大学の学生だったデニス・ヘイズが開催、取りまとめに尽力して、大学を辞めてまで普及に努め、今に至ります。

 ちなみに、音楽フェスの元祖「ウッドストック」は、1969年に開催してます。スティーブ・ジョブズは、1972年にハイスクールを卒業しています。この頃は、「カウンターカルチャー」全盛期で、血気盛んな若者が多かったのです。

 そして、その時、「WHOLE EARTH CATALOGUE」が若者たちのバイブルだったわけです。以前、少し記事にしました。

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©PIXTA

 そして、元上司いわく、「「アース・デー」での若者の声が、国連の定める「環境の日」で受け止められるように、と考えた」そうです。(少しうろ覚えです。今度お会いしたら、確認しましょう。)もしそうであるなら、そうやって対話の機会をつくる機運は、すごく重要で、今に活きていると思います。

 どうでしょうか?50年も前のストックホルム人間環境会議の成果がSDGsにつながっていった。
 少しずつ、物語り、ストーリーになってきたと感じてくださると嬉しいです。

 次回は、環境問題とオイルショックへの対応を記事にします!!!

 長文お読みくださり、ありがとうございました!!!

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サステイナビリティ私観 (5)


「世界を変えるお金の使い方(Think the Earth Project編)」に基づいて100円単位~数万円単位でできること、50項目を実行し、その報告を記事にします。 「毎日使う100円玉にも世界を変える底力があります(P11)」 応援、ありがとうございます!!!!