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あなたの知らないスイス(詩を朗読しながらのスキーは禁止)

今回は、スイス連邦ってこんな国だよというのを書いていく。おどろきの話、おもしろい話をたくさん入れていきたい。


シュヴィーツ州はスイス建国の州の1つ。スイスという国名の由来。Schwyz(シュヴィーツ)古代ドイツ語「酪農場」のなまったもの。とことん乳製品の国という感じ。


世界の国旗のほとんどが長方形だが、バチカン市国とスイスの国旗は正方形。背景が赤い理由などデザインの起源については、専門家でも意見が異なる。


スイスは小さい。日本で言うと九州と同じくらい。人口密度はこのくらい(下図)。


主にヨーロッパからの移民ではあるが、2023年で約3割が外国人居住者。全ての国の中で最も高い比率。内、永住権をもつ人は半分。

薄青:外国出身男性 薄赤:外国出身女性


物価は高い。チューリッヒは世界で3番目に高い。スタバのグランデ・ラテの値段(一種の経済指標)がブラジルの4倍。しかし、平均給与も高い。


貧困状態の人が少なめ。一方、1週間の海外旅行をする経済的ゆとりがある人:他ヨーロッパ約3割・スイス約1割だそう。つまり、貧富の差がそんなに激しくない。


コロナ以前の失業率は4.5%で、同時期の日本は2.7%だったが、これは日本にとって25年ぶりの低水準だった。2022年には日本より失業者が少なくなっている。ちなみに、コロナが落ち着いた後のアメリカの失業率は3.5%。


(上記いくつかから、移民を多く入れても安定している国と言える。繰り返すが、主にヨーロッパからの移住。職業訓練が充実しているとは聞く)


「世界で最も住みやすい都市」の内2つがある。チューリッヒとジュネーブ。こういったメタすぎるランキングは、リアリティに欠ける面があるとは思うが……


平均寿命は日本に次いで2番目に長い。キレイな空気や質の高い医療により。


かつてはヨーロッパで最も肥満の少ない国だったが、昨今は大して変わらなくなってしまった。数値をつり上げたのは男性陣。女性はいまだにスリム。女性の平均BMIは中国に近い。


スイスの言語:ドイツ語65%・フランス語20%・イタリア語5%・他。スイス人どおしでも言葉が通じないことがある。私の体験談だが。あの辺りからは言葉が通じないからと言われ、困らないのかと尋ねると、関わらないから問題ないと答えられる。笑


本当に乳製品をたくさんとるのか。本当に乳製品をたくさんとる。もちろん人によるが。朝:パンやヨーグルト 昼:チーズフォンデュ 夜:チーズフォンデュ。そんな日が普通にある。昼食の量が一番多いかもしれない。特にチーズフォンデュを食べるのは、ドイツ語エリア。


チーズフォンデュには、白ワインがたっぷりと入れられる。具体的にどのくらいか。アルコールがほとんど飲めない体質の私が、チーズフォンデュだけで酔うくらい。専用鍋は Caquelon カクロンという名前。


各地域に独自のチーズがある。約450種類ある。以下、チーズ関連の写真。

チーズの迷路状態
チーズを作るおじさんはかわいい。
腰が痛くなりそう。重労働だろう。
チーズ売り場(通常運転)


秋に牛のパレードがある。大規模なチーズ・マーケットのおまけ。


ティチーノ州(イタリアとの国境)にある、イタリア語で「洞窟」と呼ばれるレストラン・スタイルが有名。スイスの人気国内旅行先。森の中にあり涼しく、夏のディナーに最適。

厨房にも風がよく通っていそう。

まだ冷蔵庫がなかった時代。ティチーノ州では、肉やチーズやワインを岩の洞窟に保存していた。小作農が、洞窟の前にテーブルやベンチを設置。冷蔵庫が開発されてからは放置されていたが、飲食場所として再利用された。現代の「洞窟」レストランのコンセプト的な起源。

これはたぶんリアル洞窟前のテーブルでの食事。


ミルクチョコレートも大人気。景観列車が有名だが、チョコレート・トレインというのもある。モントルー発→ブドウ畑や山里を通過→グリュイエールで途中下車→チーズ工場や古城を見学→ブロ着→カイエ社のチョコレート工場を見学。カイエはスイス最古のチョコレート・ブランド。

有名なリンツもスイスのチョコレート会社。
創業者はルドルフ・リンツ氏。


200を超える山がある。ヨーロッパの他のどの国よりも多くの高山がある。

マッターホルン山
ヨーロッパで最も有名な山の1つ。


世界一長い階段がある。ニーゼンバーン・ケーブルカー鉄道の脇に。11674段。

普段から登れるわけではない。これはイベントの日。


スイス最大級の私鉄であるレーティッシュ鉄道と箱根登山鉄道には、100年以上の絆がある。箱根登山鉄道の前身企業の技師が、登山鉄道の視察のために、スイスを訪れた。姉妹提携を結ぶことに。

日本の車両ではない。レーティッシュ鉄道の車両。
とてもなかよしだ。


世界一高い重力のダムはスイス・アルプスにある。高さ285メートル、総重量1500万トン。最大4000億リットルの水をためれる。

グランド・ディクサーンス・ダム


ゴッタルド・ベース・トンネルは世界最長のトンネル。アルプス山脈を貫く57キロメートル。英仏を結ぶ海峡トンネルよりも長い。つい最近、ブレーキの故障から貨物列車が脱線してしまった。


スイスは核戦争に備えている。全国民を収容できる数の核シェルターが存在するという。食料も備蓄している。


LSDはスイスの化学者によって作られた。アルバート・ホフマン氏は、片頭痛治療を研究していた時、誤ってLSD化合物を吸収してしまった。そこから発見された。


アインシュタインは E=MC2 をスイスで開発した。兵役を避けるためにベルンで暮らし、相対性理論を発展させた。

ベルンにある「アインシュタインの家」


子供の利益を損なう命名は禁止。スイスの音楽家が娘を「レキシコン」(辞書や語彙という意味)と呼んでおり、それを当局が禁じたことがきっかけ。定義的には、子供の幸福を損なったり、第三者を不快にさせる名前がアウト。


「日曜日の掟」がある。できるだけ静かに過ごすこと。草刈り機・大工仕事・粗大ゴミ出し・洗車など、作業音量が大きい行為は、よしとされない。日曜に働くことも全体的に避けられている。コンビニは日曜も営業する。日曜に洗濯物を干さないだとか、夜遅くはシャワーを浴びない(曜日でなく騒音理由)だとか、そこまで厳格にしている人は、現代では少ないと思われる。22時以降は男性も座って小便をすべし、など。もう、そこまで言う人は少ないかと。


サイズに応じて、または一律に、犬を飼うことには税金がかかる。飼育ルールが定められている。運動ができるように、人間と毎日接触できるようになど。モルモット・金魚・セキセイインコなどは、狭いケージで飼ってはならず、必ず2匹以上で飼うこと。


アッペンツェルでは、上半身裸でハイキングをしてはならない。男性を前提とした話。良識ある慣習に反するとされ、罰金の対象。わからなくはない。詩を朗読しながらスキーをしてはならない。一体、誰がそんなことをするというのか。まさか、スマホを見ながら自転車に乗ってはいけないような感覚だろうか。わからなすぎて、哲学的な話に聞こえてきた。笑


銃の保有率は高いが、犯罪率はとても低い。スイスには義務兵役がある。兵役後、全員がライフルやピストルを持ち帰ることになっているため。


「スイス・ツアリズム」がまじめに出している紹介文と画像で、笑ってほしい。おもしろい。

「海抜1300メートルのティトリス山麓にあるゲルシュナルプ。アルペンチーズ乳製品で心を解放してください。癒しとリラックスをもたらすホエー バスをお楽しみください」

どんな状況?(笑) チューリッヒから1時間だそう。


観光客には牛と乳製品ばかりが推されているが、乗馬も盛ん。

この子の名前は Clooney 51
今は肩の負傷で引退。
彼はスーパー・ホースだったため業界は大騒ぎに。

クルーニー51の動画は泣ける。引退セレモニーを見て、国のスーパー・スターなのがわかる。すさまじい人気だ。


“魅惑” のスイス。いかがだったでしょうか。

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