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(23) そのときどきの気持ちを。

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(23) そのときどきの気持ちを。

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    わたしの「○月○日のできごと」を集めました。 小さな日々のできごとたちです◡̈

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    わたしの書いた短編小説を集めてみました。

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紙の本がすき

わたしは、紙の本が好きだ。 活字がびっしりと書かれたページを指でめくる。 日本書であれば、栞を挟んで左側は未だ未開拓のページ、右側はすでに開拓したページを見て、ど…

shiori
5か月前
87

夏の記憶

先日買った雑誌「BRUTUS」の言葉特集。 そこに掲載されていたある一つの短歌が、私の夏の記憶に関するものを体現してくれた。 32歳になった小島なおさんが作った短歌。 17…

shiori
11日前
19

6月13日のできごと

先日、新幹線に乗って地元に帰ってきた。 適応障害と診断され約1ヶ月ほど。 原因の環境から解放されると、気持ちも落ち着き薬がなくとも生活できるようになってきた。 以…

shiori
12日前
12

最近のわたしのできごと

起床は、7時過ぎ。 泊まりに来ていた彼が起きる時間に起きる。 まだ体を起こしたくなくベッドでゴロゴロしている私を、支度をしながらニコニコと、まるで子どもを見るかの…

shiori
1か月前
15

恋人と離れた場所で観た映画たち

遠隔映画祭 そう名付けて2人で楽しんだ思い出。 すぐに会える場所にいない2人が、同じ趣味を楽しもうと2人で考えたこと。 それが、遠隔映画祭なるものでした。 2人で遠…

shiori
4か月前
35

“ ひねもすのたりのたり“

同日買った2冊。小説とエッセイ。
内容は全く違うのに、この言葉が両方に出てきた。
この本たちを同じ日に買ったのは、偶然なのか必然なのか。

わからないけど、なんだか嬉しい気持ち。

shiori
5か月前
6

怖くてたまらない今

年末年始、帰省をした。 地元で地震にあった。津波警報も出て避難をした。 避難した母校に集まってくる人たち、みんなでテレビを見た。 避難している間、何度も余震が来た…

shiori
6か月前
10

優しさに触れること

心が弱っている時。 悔しい思いをした時。 1人で何かを抱えている時。 そんな時、誰かの、優しくて味方でいてくれる一言に、自然と涙が出てきて止まらなくなることがある。…

shiori
6か月前
17

ご自愛ください。

曇りの日も、嫌なところばかりじゃない。 白い朝を届けてくれるから好き。 そう思えた午前7時。 豆乳で割ったコーヒーを片手に、部屋に差し込む柔らかな靄のかかった光を…

shiori
8か月前
11

この頃の、16:30に部屋にさす明るさがとてもすき。

曇りの日の明るさだと尚良し。

shiori
9か月前
4

いつかのための今日の気持ち

胸がいっぱいいっぱいになってしまう時がある。 泣きたいのに、泣けない時がある。 悩みが特別あるわけでもない。 食べたいものを食べて、着たいものを着る。 欲しいもの…

shiori
9か月前
9

9月18日のできごと

母の手で握られたほんの一口の俵のおにぎり。 小さい頃、少食で食の進みが悪かったわたしは、母の俵おにぎりをよく食べていた。 お皿に乗せて、椅子に座ってはなかなか食…

shiori
9か月前
5

だいじなこと

学生の頃、よく聴いていたこの曲。 だけど、ピンときていなかったこのフレーズ。 恋人の過去を知りたがるくせに、聞いたらいじけてしまう。 当時のわたしは、【過去は過去…

shiori
10か月前
18

自堕落な生活は時々幸せをうむ。

基本的にインドアなわたし。 インドアだけど、早起きをして1日3食は心がけているつもりです。 だけど時々、自堕落に過ごしてみたくなる時がやってくる。 AM7:00に目が覚…

shiori
10か月前
8

坂を下るとそこは海

引越しをして、約2ヶ月。 仕事も始まって、生活用品もだんだんと揃っていって、不自由なく暮らせるようになってきました。 緑もあるし、川もある。駅から少し遠いのも、前…

shiori
11か月前
6

何もないこの町が好きだった。

「とにかくこの町が嫌だった。」 映画や小説でよくみる一節。生まれ育った街に嫌気がさして、その場所を離れていく人がよく使うセリフだ、とわたしは思っている。 わたし…

shiori
1年前
14
紙の本がすき

紙の本がすき

わたしは、紙の本が好きだ。
活字がびっしりと書かれたページを指でめくる。
日本書であれば、栞を挟んで左側は未だ未開拓のページ、右側はすでに開拓したページを見て、どのくらい読んだのかを知ることができる。
未開拓が少なくなると、寂しくなることも多々。

本屋さんに行って帰ってくる時のあの重さも好きだ。たくさん手に取りながら抱えて他に欲しい本を探すあの時間も好き。

とにかくわたしは、紙の本が好きだ。

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夏の記憶

夏の記憶

先日買った雑誌「BRUTUS」の言葉特集。
そこに掲載されていたある一つの短歌が、私の夏の記憶に関するものを体現してくれた。

32歳になった小島なおさんが作った短歌。
17歳の夏を思い出すという短歌なのだろう。

偶然にも最近、よく高校生の頃を思い出していた。
夏には、あの頃を思い出させる魔法とやらの力があるのかもしれない。

私の十七個目の夏が光るのは、あの頃聴いていた曲を聴いた時だ。

高校

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6月13日のできごと

6月13日のできごと

先日、新幹線に乗って地元に帰ってきた。

適応障害と診断され約1ヶ月ほど。
原因の環境から解放されると、気持ちも落ち着き薬がなくとも生活できるようになってきた。

以前働いていた職場に戻れることが決まり、突発的に帰ろうと思いだいすきな地元へ。

長いトンネルを抜けると、それまで雲ひとつなかった空がうっすら雲で陰っていて、緑の田んぼが広がって。そんな姿さえ懐かしくて安心できる。
ほっと一息つける場所

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最近のわたしのできごと

最近のわたしのできごと

起床は、7時過ぎ。
泊まりに来ていた彼が起きる時間に起きる。
まだ体を起こしたくなくベッドでゴロゴロしている私を、支度をしながらニコニコと、まるで子どもを見るかのような目で見ている彼。
いつもの私たちだ。

いつもの私たちの中で、最近 いつも ではなくなったことがある。

仕事に行く彼を玄関で見送った後、私は未だパジャマ姿のままだ。
ゆっくりと時間に追われることなく、朝ごはんのグラノーラヨーグルト

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恋人と離れた場所で観た映画たち

恋人と離れた場所で観た映画たち

遠隔映画祭

そう名付けて2人で楽しんだ思い出。

すぐに会える場所にいない2人が、同じ趣味を楽しもうと2人で考えたこと。
それが、遠隔映画祭なるものでした。

2人で遠隔で観た映画は、2人の境遇に似ているものだったり、どちらかが観たい映画でした。

・君への誓い
・イルマーレ
・糸
・恋空
・引っ越し大名
・余命10年
・フォルトゥナの瞳
・明け方の若者たち
・家に帰ると妻が必ず死んだふりをして

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“ ひねもすのたりのたり“

同日買った2冊。小説とエッセイ。
内容は全く違うのに、この言葉が両方に出てきた。
この本たちを同じ日に買ったのは、偶然なのか必然なのか。

わからないけど、なんだか嬉しい気持ち。

怖くてたまらない今

怖くてたまらない今

年末年始、帰省をした。
地元で地震にあった。津波警報も出て避難をした。
避難した母校に集まってくる人たち、みんなでテレビを見た。
避難している間、何度も余震が来た。

私の地域には津波は来なかった。
けれど、小さい頃から通っていた道に地震の跡がたくさん残っていた。
車は水没しているし、友達の家は肉眼でもわかるほど傾いている。
至る所から土が飛び出し、規制線が張られ、通行止めにもなっていた。

家の

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優しさに触れること

優しさに触れること

心が弱っている時。
悔しい思いをした時。
1人で何かを抱えている時。
そんな時、誰かの、優しくて味方でいてくれる一言に、自然と涙が出てきて止まらなくなることがある。

今まで何度もそんなことがあった。
「こんな時に優しくされたら泣いちゃうよ」と
泣きながら笑って言ったこともある。

弱い時には、誰かの優しさを倍以上受け止めてしまう。

けれど、昨日優しさを違う形で感じた。
心が弱っているわけではな

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ご自愛ください。

ご自愛ください。

曇りの日も、嫌なところばかりじゃない。
白い朝を届けてくれるから好き。

そう思えた午前7時。
豆乳で割ったコーヒーを片手に、部屋に差し込む柔らかな靄のかかった光を見ながら思う。

変な夢を見て、変な気持ちのまま起きてしまったけれど、白い朝に出会えたのだから、それはそれでいいのだろう。

週に一度の買い物に出かける。
空気の少し抜けた自転車を漕ぎながら受ける風は、やけに寒い。

秋もやっとこさ始ま

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この頃の、16:30に部屋にさす明るさがとてもすき。

曇りの日の明るさだと尚良し。

いつかのための今日の気持ち

いつかのための今日の気持ち

胸がいっぱいいっぱいになってしまう時がある。
泣きたいのに、泣けない時がある。

悩みが特別あるわけでもない。

食べたいものを食べて、着たいものを着る。
欲しいものがあって、読みたい本を読む。
好きな時間にお風呂に入って、好きな時間に眠りにつく。

その眠りにつくまでの時間。
時々、お風呂に入っている時になる時もある。

お風呂に入っている時は、シャワーを頭から浴びて浄化をする。
雨の日に浄化作

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9月18日のできごと

9月18日のできごと

母の手で握られたほんの一口の俵のおにぎり。
小さい頃、少食で食の進みが悪かったわたしは、母の俵おにぎりをよく食べていた。

お皿に乗せて、椅子に座ってはなかなか食べ進みが悪いからと、行儀は悪いけどテーブルの端っこに並べられたおにぎりを遊びながら食べていたそう。食べにきては、遊び。また食べにきては遊びに行く。

そんな思い出深い俵おにぎり、そして豚汁を朝ご飯に始まった9月18日のできごとです。

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だいじなこと

だいじなこと

学生の頃、よく聴いていたこの曲。
だけど、ピンときていなかったこのフレーズ。

恋人の過去を知りたがるくせに、聞いたらいじけてしまう。
当時のわたしは、【過去は過去でしょ】なんて思っていた。

それなのに、今のわたしは完全にこのフレーズ通りのことを思っている。

最近、彼と過去の恋愛について話す機会があった。
お互いに辛い思いをした過去の恋愛だったから、思い出させたくないからと今まで深くまで話して

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自堕落な生活は時々幸せをうむ。

自堕落な生活は時々幸せをうむ。

基本的にインドアなわたし。
インドアだけど、早起きをして1日3食は心がけているつもりです。

だけど時々、自堕落に過ごしてみたくなる時がやってくる。

AM7:00に目が覚めても二度寝をしてAM10:00に起きる。

二度寝ができる幸せ。

朝ごはん兼お昼ご飯として、インスタントラーメンを食べる。

身体に悪いものを食べるという背徳感を感じながら食べるご飯!
悪いことをしてやった!と心はしたり顔。

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坂を下るとそこは海

坂を下るとそこは海

引越しをして、約2ヶ月。
仕事も始まって、生活用品もだんだんと揃っていって、不自由なく暮らせるようになってきました。
緑もあるし、川もある。駅から少し遠いのも、前の場所とおんなじ。

だけど、夏なのに何かを感じる忘れている気がして。
自転車を漕ぎながら風を感じていた時、ふっとそれが何かわかりました。

それは、【潮の香り】

産まれてからずーっといたあの町は、海がとっても近く。
自転車で15分。

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何もないこの町が好きだった。

何もないこの町が好きだった。

「とにかくこの町が嫌だった。」

映画や小説でよくみる一節。生まれ育った街に嫌気がさして、その場所を離れていく人がよく使うセリフだ、とわたしは思っている。

わたしも、明日生まれ育ったこの場所を離れる。
生まれてから23年間、大切な家族と、大好きな友人がいるこの場所から、1人で離れる事にした。

けれど、決して
「とにかくこの町が嫌だった。」訳ではなく、むしろ
「とてもこの町が好きだった。」と言え

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