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じょんたろー@文学フリマ東京40
2024年8月22日 12:58
息を吹きそこに願いが込められる。空中に漂う水玉模様。虹色に輝き希望にあふれた世界だ。それが天高くのぼり壊れる。「あ・・」悲しい顔をする子供たちにおじいさんが言う。「大丈夫だよ。壊れることで君たちの吹き込んだ世界が現実に溶け込んでいくだけさ。君の願いも、もちろんそこのお嬢ちゃんのもね。その空気が大人になって苦しい時に君を救う。」 子供たちはぽかんとしている。「あっはは
2024年8月20日 00:20
努力したいけど頑張れない。そんなことを言ってもみんな甘えだと言って許してくれない。そこで僕は思いついたのさ、「頑張れない病」があればだれも文句は言えないと。だって病気だもん仕方ないよね。だから自分でウイルスをつくることにした。それが人体に害がないように構成するのはとても苦労した。そして5年たってようやく完成した。こうして僕は頑張らなくてもいい免罪符を手に入れたわけだ。
2024年8月12日 07:02
眠っているほうが幸せ。それだけが幸せだから眠り続ける。私の眠りを覚ますものは何もない。白馬の王子様でもない。だって彼氏いねえし。なんでもその王子様の召使が白雪姫の入った棺桶を落としてしまった時の衝撃で毒りんごが喉から出てきたのが原作らしいけど。なんともロマンティックのかけらもない滑稽な話だ。そこにあるのはただ永遠の逃避のみ。そんなあなたにあこがれていた。私は生きるこ
2024年5月22日 23:16
夏にしか現れない君。「恋愛映画かアクション映画、どっちがいいかな」「カレーかシチューで悩んでいるんだけどどっちがいいかな」何を聞いても君は首を横に振る。「私のせいで君の夢への情熱を冷ましちゃうから」そう言って冬になるころには僕の前から消えてしまった君。なんだよ夏には私と君のコンビは最強だね、だなんて言ってくれていたのに。冬になって外の気温にも負けないほど僕は情熱を燃
2024年5月19日 02:24
最近どうにも子供の姿が増えたように感じる。それもあの路地裏に喫茶店ができたころからだ。怪しい、、。---チリンチリン---店には店主らしき人物は見当たらない。カウンターには子供が一人いるだけだ。「なあ坊や。この店の息子かい?ここの店主を呼んできてほしいんだけど。」「俺がその店主だ。なんか用か?」子供のわりにかわいく見えない子だ。「まあなんだ。とりあえずコーヒーでも飲んど
2024年3月8日 18:13
突然目の前にドリンクのメニューが並ぶ。マスターが差し出してくれらしい。・キール・スクリュードライバー・テキーラサンライズ・サイドカー・ピニャコラーダ私はしばらく悩み、他の客の様子をうかがった。店にはメリーウィドウを飲む女性一人が端の席に、もう一人フードをかぶった人が私と女性の間に。するとマスターが「あちらの女性からです。」とブルームーンを受け取った。考えあぐねていたので気
2023年5月15日 09:55
水面のかがやく海が見えるけれど浸かれない池すらない水たまりがあるかも怪しい溺れたいずっと乾いている底の見えない海が見えるけれど確かめたくない穴すら掘らない掘る手があるかも怪しい溺れたいずっと乾いている
2023年5月12日 11:29
ある幼稚園のお遊戯の時間「みなさん、この画用紙に好きなものを書いてください!」先生は一人一人に画用紙を配る。「僕は地球を飛び出して宇宙を旅するんだ」そうたかし君は言ってクレヨンを持って描き出す。「あらあら、たかし君。画用紙の中からはみ出さないでね。」はみ出した分を先生は慣れた手つきでパパッと消していく。言った側からたかしの描くロケットは勢いよく画用紙をはみ出す。気づいた先生が
2023年5月11日 13:08
二つで一ついくら候補があろうとこいつのセットはあいつしかいない二つで初めて成り立つの一つだけじゃだめ一つを二つにいくら候補があろうとこいつのセットはあいつしかいない二つで初めて成り立つの一つだけじゃだめ一つは一ついくら候補があろうとこいつのセットはこいつでしかない一つは一つで成り立つの一つだけでいいの
2023年5月11日 13:06
燃えるようにあついから溶けていく手に収まらず落ちていく全て地面に落ちていく手に残らないくせにベタつく忘れさせまいと執拗にまとわりつくここにはいないくせに残るのは空っぽの器だけ捨てるのは惜しいから味わってしまう
2023年5月11日 13:03
地面が飛びついてきた夕暮れ太陽が溶け出したどくどくどく潮が一気に満ちていく堤防を破りそこら中にあふれる花畑が取り囲み心地よい風が懐かしいにおいを運ぶしだいに潮は引き3つの虹がかかる