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日記

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日記・忘備録 等
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#日記

個人的な問いと普遍的な問い

個人的な問いと普遍的な問い

今法話で何を話すか日々考えている。
生徒たちが持っているであろう宗教へ対する違和感を手掛かりに考えようかなと思っている。

おそらく生徒たちは、全校生徒に一気に一つの宗教が教えられることへの嫌悪感を持っていると思う。それは個性尊重、多様性の時代と言いながら、どうしてそれぞれの「オーダーメイド」の救済ではなく、十把一絡に一つの教えを押し付けるのかという違和感だ。私のお世話になっている学校は大きな寺院

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『この夏の星を見る』をトリガーとして思い起こされること

『この夏の星を見る』をトリガーとして思い起こされること

『この夏の星を見る』という辻村深月さんの小説を読み出した。これがとても面白い。

コロナの三年間の学校生活のことを描いた小説なのだが、読み始めると、コロナが始まった2020年の学校の様子をまざまざと思い出し、あの時は感じられなかった生徒たちの葛藤や悲しみを改めて思い出されるし、それが決して小さなことではないということを忘れてはいけないのだと思い起こされた。
あの時、色々な事があった。思い出されるの

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命を尊ぶ基本感覚の喪失

命を尊ぶ基本感覚の喪失

あくまで仮説だが、自分を筆頭に、この国に住む多くの人が今、命を尊ぶ基本感覚を喪失しているのではないかと思う。今回の選挙の低投票率を見てもそう思わざるを得ない。命を尊ばない自民党や維新の会のような政党をそのままにしてはいけないし、先人が必死に守ってきた選挙権を大人の多くが行使しないというのはどういうことなのだろうか。すでに自分が生きているという感覚、命を尊ぶ感覚を失っているのではないか。何かこれはこ

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向き合うということ

向き合うということ

SNS見るのをやめようと思っているのだけれど、たまに金言に出会い、教えられることがある。それでやめられずにいる。
先日も、哲学者の千葉雅也さんが、「動画を流し観している人は、動画を本当に観たくて観ているのではない、本当に大切なことに向き合わないために動画を浴びている。」(もうそのツイートは見つからなくて、正確ではない)というようなことを言われていて、本当にハッとした。

自分のことを言われているよ

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人の噂話をしないでいいほどには教養を

人の噂話をしないでいいほどには教養を

昨日、富山駅から地元の駅に帰る電車に乗ると、ある富山市の高校のバスケ部の男子四人組がボックス席に座っていた。

この感じ本当に懐かしい。自分もバスケ部だったから、こうやってボックス席を占領してくだらないことを話していたよなぁと思う。それがあまりにも見慣れた光景すぎて、自分たちの世界しか知らなかった高校時代を思い出し、何とも言えないザラっとした気持ちになる。センチメンタルな気持になど全くならない。私

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読書日記『人間関係を半分降りる』(鶴見済著)を読んだ。2022年11月23日

読書日記『人間関係を半分降りる』(鶴見済著)を読んだ。2022年11月23日

鶴見済さんの『人間関係を半分降りる』という本を読んだ。とてもお勧めだ。その中で、特に心に残った一節を抜き出し、感想を残しておきたい。

人目を気にしすぎると「どう思われているか」に圧倒されてしまう。これはよく分かる話である。そして鶴見は続けてこういう、どこからが気にしすぎかと言えば、主客が逆転したときだという。他人が頭の中の中心になって、それが自分を動かしたらもう主客が逆転していると…。
そして、

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「モヤモヤする引用の仕方とは?」 2022/09/02日記

「モヤモヤする引用の仕方とは?」 2022/09/02日記

【愚痴のようなメモ・忘備録です】
(不快要素あり)

自分は仏教の言葉から感じたことをマンガにしてきたのであるが、
今でも、その漫画を引用してくれて、記事を書いたりやツイートをしてくれる人がいる。

そのこと自体はありがたいことだし、自分もそれをどこか「ねらって」書いていたところがあると思う。

しかし、なんだかモヤモヤすることがある。それは引用することに対するモヤモヤではなくて、次のようなことが

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「出会う」ということと「出遇う」ということ。

「出会う」ということと「出遇う」ということ。

親鸞の著作において「であう」という言葉は頻出する。その「であう」ことについて考えてみたい。
マッチングアプリでは「本当の出会いにならない」というつぶやきを見た(逆巻しとねさんのツイート)。なぜマッチングアプリでの出会いが本質的な出会いにならないかというと、そこに、「ワンチャン」や「恋愛」ということや、「結婚」という目的を最初から見ているからだという。なるほどと思った。「出会いとは何か」、「本質的な

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うまく行かなくても、思った通りにならなくても機嫌よくやろう

うまく行かなくても、思った通りにならなくても機嫌よくやろう

大学に入ったんすけど、周りがすごすぎて、全くついていけないのがつらい。若いと思っていたけど、やはり年齢も周囲より1周り以上、年上だから記憶力も悪くなっているし、何より頑固になってしまって、新しいことを吸収しにくくなっている気がする。
いつもの私だったら、ここで拗ねてしまっていたのだけど、せめてそれだけはやめておこう。せっかく好きな勉強をするチャンスができたのだから、馬鹿でも機嫌よくやろう。機嫌よく

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『歎異抄』第四条に学ぶ

『歎異抄』第四条に学ぶ

『歎異鈔』という書物がある。親鸞の言葉を、弟子の唯円が思い出して書き留めた、聞き書きのような書物である。全部で18条からなる短い書物で、読みやすい。また浄土真宗の思想の要素がちりばめられているため、入門書としても有名である。真宗関連の書物でもっとも有名なものと言って良いかもしれない。
その第4条を今日読んでいた。以下に4条本文を示す。

「慈悲」とは現代の言葉で言えば愛であろう。聖道の慈悲というの

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対話とは同質性の確認ではない

対話とは同質性の確認ではない

#日記 #忘備録

6年ぶりに、仏教の大学での学びを勉強を再開した。
4月からほぼ友人ができず、孤独に過ごしていたのだが、
昨日初めて、ゼミの先輩が飲みに誘って下さり、お話をした。

それは楽しかったのだが、久しぶりに仏教の大学に戻ってくると
その場にのみある空気とか、独特な文化を思い出す。やっぱり良いなと思うものもあれば、これは嫌だなと感じていたものも思い出す。

良いなと思うことで言えば、みん

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『ルポルタージュ ー追悼記事ー』を読んだ

『ルポルタージュ ー追悼記事ー』を読んだ

(日記)
売野機子先生の『ルポルタージュ』という漫画が本当に素晴らしい。
この漫画は何か特別な力を感じる。読んでいて人類への祈りのようなものを感じるのである。

近未来の世界。テロが日常的に起る世界で、亡くなった人の半生をルポルタージュとして書いていく女性記者の話である。読んでいて、泣けて泣けて仕方ない。
人類への慈しみを感じるんのである。沢山の人類ではなくて、一人一人の人生。

一人一人の人生に

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あらゆる命が大切と言った。

あらゆる命が大切と言った。

「あらゆる命が大事」だといいながら、なぜ踏みにじられている命があることに怒りの声をあげないのか。戦争をやめろ・命を奪うなと声をあげないのか。生命を傷つけるような原子力発電に反対の声をあげないのか。こうしたことが、私も含む僧侶や仏教者に問われていると思う。

最近、「お坊さんはSNSで発信した方がいい、メディアへの露出を増やした方がいい」と言う僧侶の主張を見たのだけれど、本当か?と思った。お坊さんが

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コミュ障は本当なのか?

コミュ障は本当なのか?

昔から、飲み会等大人数が集まる場が非常に苦手である。

その理由は、飲み会で話すことが無くて、ずーっと聞き役になってしまって、一言も話ができずみじめな気持ちになってしまうからだ。

皆が楽しそうに話しているのを自分は笑って聞いているだけ、その事が何だかつらかった。

あれ?俺もしかして…バカなんじゃないのか。一言もみんなに提供すべきことがない。1人で居るときは気にならないんだけど、誰かといると、話

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