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#子育て

月曜日のピノッキオ

月曜日のピノッキオ

月曜日の朝。
小学四年生の彼は、これほどまでにないほど動きが遅かった。

ソファの上で微動だにせず、昨晩終わらせられなかったやりかけの宿題にも手をつけない。
ベッドから起きてきたものの、ずっとソファの上で眠りこけていた。

なんのために起こしたのやら、と思いながら何度も何度も何度も起こす。
寝息を立てながら「起きとる。うるさい」と反応をするだけの小学四年生。

若干、反抗期の兆候が出てきている。

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自由研究は、親への宿題。

自由研究は、親への宿題。

小学生のうちは、自由研究に手がかかる。
一人でやるような子どもであればいい。

残念ながら、我が子をそのような子どもに育てることができなかった。
仕方ない。
育てられなかったんだし、宿題、手伝ってやるしかない。

ただのぐち

え?ここを飛ばさずに読んでいただけるんですか?
ありがとうございます。

見出しのとおり無料の愚痴となっております。
どうぞ、どうぞ。
聞いてやってください。

ええ、わが

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7月下旬、母の憂鬱。

7月下旬、母の憂鬱。

今週の土曜日から、夏休みだ。

よかったね、息子たち。
よろしく、ばあば。
がんばれ、私。

味チャレンジャーと、味保守派。

私には二人の息子がいる。
高校一年生の長男と、小学四年生の次男。

似ている部分もあるが、似ていない部分もある。
当たり前すぎる。
兄弟ってそんなもん。

二人とも、カツオくんみたいに育ちますようにと育てた。
元気で、ずる賢く、生きる力はたくましく、ユニークに育ってほしい

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テキトーな母によるオリジナルソング

テキトーな母によるオリジナルソング

みぎー
のおっぱい、ひだ
りのおっぱい、ふたつあ
わせておっぱいぱい。この母オ
リジナルソングを歌って聞かせると
息子たちはいつもげらげら笑っていた
もうこの歌が必要ないくらい大きくなった
けど、今歌ってもげらげら笑ってくれるかな

この歌は、私のオリジナルソングだ。
上の詩の上から4行目、9文字目まで。

こんな品のない歌を作る母を許して欲しい。
そして、インターネット上で、品のなさを露呈する母

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狼少年と救急車とドップラー効果

狼少年と救急車とドップラー効果

「お前の息子は預かった。返してほしくば一兆円よこせ」

夕方の4時頃、仕事中に小学4年生の息子の携帯から着信が入る。
何事かと出てみると、脅迫電話だった。

声の主は、預かられた息子本人だ。

「忙しいけん、切るね」
私は、仕事中に電話に出たことを後悔し、すぐさま電話を切った。

「どうかしたんですか?息子さん」
気にかけてくれる同僚に、私は答える。

「いや、脅迫電話かけてきただけ」

脅迫電話

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父の日当日

父の日当日

父の日当日の今日、夫は大好きな釣りに出かけた。
家族がまだ爆睡中の丑三つ時には起きて、いそいそと準備をし出かけていったようだ。

最近は毎週のように釣りに行き、クーラーボックスにいっぱいの魚を抱えて帰ってくる。
おかげでここ数ヶ月、私は魚を買っていない。

・・・言い過ぎた。ごめんなさい。
買っていた、魚。ええ、買っていますとも。
同じ魚ばかりでは飽きるので、よく考えたら買っていた。
鮭を食べたい

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父の日前夜

父の日前夜

「お父さん、ムカつく」

パリパリに乾いた洗濯物を高校生の長男の部屋に届けにいくと、これまた乾いた声で息子は言い放った。
乾燥に耐えながら、
「でしょうね」と私は言う。

彼の父かつ私の夫は、沸点が低くすぐにキレる。
さらには言葉足らずで、自分が正しいと思っている。
そして、キレるのは自分に正当な理由があるからで、至極真っ当な行為だと思ってる(気がする)。

誰からみても、その沸点の低さは我が夫の

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給食エプロンに、アイロンはかけない。

給食エプロンに、アイロンはかけない。

私は数年前に固い決意をした。
給食エプロンにはアイロンをかけない、と。

一応、長男が小学校に入学して以降、7〜8年間は給食エプロンにアイロンをかけたと思う。
でもさ、ほんとめんどくさいのよ。
ただでさえアイロンがけ嫌いなのに。
かけるのはいいけど、用意と片付けがめんどくさい。
そしてでかいのよ。給食エプロン。
中学生のエプロンとか、それこそシーツみたいにでかいわけ。

自分のシャツでさえ、アイロ

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音楽と一緒に歩こう。

音楽と一緒に歩こう。

13時からの1時間が私の昼休み。
昼休みになると、まずスープジャーをそそくさと取り出す。
中身は野菜と肉入りのスープにオートミールと雑穀をぶち込んだドロッとした食べ物だ。
スープともお粥とも言いがたい、中途半端な食べ物である。

形容し難い食べ物ではあるが、味は別に悪くない。
私は16時間ぶりに胃に食べ物を入れ、一息つく。
歯を磨き、SNSをチェックすると、ウォーキングの準備をする。

ウォーキン

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心配性の母のポケットには、たくさんの小石が詰まっている。

心配性の母のポケットには、たくさんの小石が詰まっている。

もう大きい息子たちに、この小石を返してやらねばと思う、今日この頃。

我が家には二人の息子がいる。
令和5年度時点で、高校1年生と小学4年生。
ゲームが大好きで、勉強が苦手、できるだけ楽をして過ごしたいようにみえる。
本人はそんなことないって言うかもだけど。

私はどちらかといえば、心配性で完璧主義のきらいがある。
そして、息子たちがとてもかわいい。
図体がデカくなっても、かわいい。
なので、かわ

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私は三度、旅に出る。

私は三度、旅に出る。

みたびたび、それは子どもと一緒に旅をするようになってから始まった。

一度目。
私は心で旅をする。
子どもたちが喜ぶかな?大人も楽しいかな?
行った人に聞いてみよう。
どんな場所だろう。
旅行記を読んでみたり、観光地のホームページを見てみたり、ガイドブックを読んでみたり。
君は好きかな?私は好きかな?
心が躍る場所を探して、私は旅をする。

二度目。
私はインターネット上で旅をする。
地図を見て、

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風呂に穴があき、しらじらと夜があける。

風呂に穴があき、しらじらと夜があける。

まだ折り返し地点にも到達していない42歳の今日この頃。
折り返し地点にも到達していないなんて、一体何歳まで生きるつもりかと聞かれれば、多分100歳でしょうねと答えるでしょう。
神様、健康寿命も100歳でお願い。
まだまだやりたいこと、いっぱいあります。

そんな私ですが、これまでの人生で寝れなかった記憶がない。
しかし、今年に入って、一度だけ寝れなかった夜があった。
そんな夜のお話。

それは、寒

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