マガジンのカバー画像

✏️何度も読み返したい「スキ」であふれているマガジン✏️

134
心に残ったことば・しゃしん。 何度も何度も読み返したい。
運営しているクリエイター

#コラム

「自分が普通の女子高校生だったら、って思うことはないですか?」との質問に対するセーラーウラヌスの解答の秀逸さ

「自分が普通の女子高校生だったら、って思うことはないですか?」との質問に対するセーラーウラヌスの解答の秀逸さ

先日「なぜ『セーラームーン』は、世界中の少女たちの胸を熱く燃やし続けるのか。大人になった今わかったこと」という記事を書いた。その際、原作を改めて読み直し、旧アニメを見返すことにした。あまりに膨大なので、ところどころながら視聴やら倍速で見ていたのだが、途中でかなりヒヤッとするセリフがあった。

美奈子(セーラーヴィーナス)が、はるか(セーラーウラヌス)に向かってこんなことを言うのだ。

思わず耳を疑

もっとみる
#38 自信を失っていた時期、私をすくいあげてくれたのは【伊佐知美の頭の中】

#38 自信を失っていた時期、私をすくいあげてくれたのは【伊佐知美の頭の中】

今日の朝、目が覚めたらまだ5時半で、窓の向こうはまだ真っ暗。夜の世界で。

それでも、久しぶりに聞く、けれど聞き慣れた虫やカエルの鳴き声、バナナの葉が風に揺れてこすれる音、遠くから風に乗って運ばれる春と夏の間の波の音が、丘の上のこの2階の部屋まで届いていて。

沖縄の読谷村に戻ってこられて、眠って、目を覚まして、海が見える部屋にいる。その事実がどうしようもなく嬉しくって、本州よりも30分ほど遅い6

もっとみる
#028 「満ちたひとり」になれて初めて、「ふたり」が始まると知った夜のこと【伊佐知美の頭の中】

#028 「満ちたひとり」になれて初めて、「ふたり」が始まると知った夜のこと【伊佐知美の頭の中】

まずは昔の話になるけれど、30歳になった翌月に、離婚を決めたことがある。そして、離婚が成立したまた翌月には、世界一周の続きの旅へ。

季節は、これから日本が寒くなってゆく秋の暮れ。冬には出会いたくなかったから、旅先は季節が逆の南半球を選ぶことにした。

この世界を、改めてひとりで生き直すことにした新生活の始まりの日々。

その最初の数ヶ月間を、一緒に旅したひとがいた。

#026 旅先では "ひとり" になりたい。海の向こうの対話の約束【伊佐知美の頭の中】

#026 旅先では "ひとり" になりたい。海の向こうの対話の約束【伊佐知美の頭の中】

「誰かの生きる音は、私の寂しさを紛らわせてくれる」と気づいたのは、ずっと後になってからだったと思う。あの頃は全然気づいていなかった。

朝7:50に会社のオフィスに着いて、夜21:00まで働いて、終電まで飲みに出掛けて、それを月曜日から金曜日まで。

土曜日は午前中から誰かとブランチに出掛けて、日が高いうちは遊び歩き、夜になったら誰かの家か素敵なお店で、ビールをまた傾ける。日曜日は朝から彼が遊びに

もっとみる
私たちはいつも何かを「待っている」「探している」。

私たちはいつも何かを「待っている」「探している」。

目的地が持てるから、都会を歩くのはやっぱり好きだな、と東京の街を見て思う。

新潟を歩いていても、私は目的地が見つけられない。

きれいな夕陽、美味しいお水、昔から知っている友だち。

「あまりにも元気すぎる投稿だから」と、「笑っているから」と。
「大丈夫?」「君はそんなに強くない、だってあの時泣いてた」と。

大切なものはここにあるけど、きっとずっとはここに居られない。分かっているから、愛し

もっとみる
スペイン、久しぶりのヨーロッパの旅へ【🇯🇵Tokyo→🇪🇸Madrid】

スペイン、久しぶりのヨーロッパの旅へ【🇯🇵Tokyo→🇪🇸Madrid】

窓の外の空に、羽田空港とその向こうの東京が、少しずつ沈んでゆく。今日は少し雲が多いみたい。薄く張り巡らされた雲が段々と視界を遮って、暗闇に浮かぶスカイツリーだけがやけに目立った。

こういう風に、国際線の飛行機に乗って、東京と東京での暮らしにしばしのバイバイを言うのは、久しぶり。今日のお昼まで、まだスペインに行くだなんて実感が得られなかったけれど、さすがに空港に向かう段になって、実感は湧いてきた。

もっとみる
いつのまにか、大切に「なってしまう」

いつのまにか、大切に「なってしまう」

週3ペースで着ていたお気に入りのワンピースがダメになってしまった。しかも、ハイターとワイドハイターを見間違うという絵に描いたような凡ミスによって。お気に入りといっても大枚はたいて買ったわけでもなく、もう5年ちかく着ているのでもとはとったはずだ。にもかかわらず、漂白剤によってタトゥーのような模様が入ってしまったワンピースを目の当たりにして、あまりのショックに洗面台でしばらく打ちひしがれてしまった。

もっとみる
息をするために飛行機に乗る

息をするために飛行機に乗る

旅の本は、よく空港の描写からはじまる。舞台が海外であればなおさらだ。飛び立つその日の朝から旅ははじまっていて、空港での時間もまた「旅」の一部なのである。

私は序盤に空港の描写があると、それだけでまず胸がいっぱいになってしまう。不安と期待が入り混じる国際空港特有の雰囲気を思い出すと、自分が旅したときの記憶が鮮明に蘇ってくる。著者が旅した国やそこで出会ったできごとは自分の経験したことがない未知の世界

もっとみる
夜の国際線ターミナルは、世界にただ一人みたいだった【Tokyo→Sydney】

夜の国際線ターミナルは、世界にただ一人みたいだった【Tokyo→Sydney】

22:20羽田空港発、シドニー行き。普段の旅ならLCCを選びがちだけれど、今回は贅沢にも仕事の渡航のため、ANAで飛ぶ。私は知ってる。ANAのフライトは、チェックインカウンターも、搭乗口も、すべてが入り口の近くにある。

「余裕を持って少し早めに」と空港に到着しても、カウンターや搭乗口を探してキョロキョロとする前に、ANAの世界への入り口は目の前に現れる。

今日、羽田空港の出国手続きを終えた先の

もっとみる
美しく滅びゆく「私のすべて」

美しく滅びゆく「私のすべて」

家の中を片付けていると、存在すらも忘れていた懐かしいものに出会うことがある。それまで記憶の片隅にもなかったはずなのに、たったひとつのモノがきっかけで当時の匂いや温度がそのまま蘇る。きっとモノは思い出を閉じ込めておくための外付けハードディスクで、私たちはモノを通じて自分の歩んできた道を記録しているのだろう。

普段の生活では特に役に立たないけれど、生きるために必要なもの。私が私であるために、必要なも

もっとみる
日本の南の島・沖縄で暮らし始めた日々を写真で残すこと

日本の南の島・沖縄で暮らし始めた日々を写真で残すこと

写真を撮るのが楽しい、と感じるようになったのは、いつからだったかもう覚えていない。

世界の美しさや、日常の尊さを残すのなら、イラストでも、動画でも、洋服を作るのでも、料理に投影するのでも、ほかに方法がいくらでもあったのに。

写真、という形がすき。ファインダーを覗く前に、心が動いた瞬間を、いまや目に染み付いた「画角」で切り取る。そしてファインダーを覗いて、もう一度「世界を再発見」するのだ。

もっとみる
言語と思考の蜜月な関係

言語と思考の蜜月な関係

フォルケホイスコーレの理念のひとつにラテン語ではなくデンマーク語で「生きた言葉で学ぶ」というものがある。

デンマーク人のほとんどは英語が喋れるし、学校にはデンマーク語を喋れない外国人が1割程度います。それでも、頑なに…本当に頑なに…!!朝の会や先生から全生徒へのアナウンスはデンマーク語で行われるのがフォルケホイスコーレ。

フォルケ在籍外国人が1度は思うであろう「英語喋れるなら、全部英語にしてく

もっとみる
自分の人生を楽しくするための工夫

自分の人生を楽しくするための工夫

スコットランドはエディンバラに来ている。
見渡す限り築100年以上の建物が並ぶ古い街並みに、物静かで知的だけれども人懐っこいスコティッシュたち。
昼間の雰囲気とは打って変わって、はじけるほどに明るくナイトライフを楽しむギャップもまたこの街の魅力だと思う。

そしてもうひとつ、この時期に来たからこそ気づいたスコットランドの魅力がある。

それはみんなが日常着にクリスマスを取り入れていることだ。

もっとみる
「何を選ぶか」の陰にはいつも、「何を選ばないか」の意思がひそんでる

「何を選ぶか」の陰にはいつも、「何を選ばないか」の意思がひそんでる

「周りの友だちが結婚したとか、両親から結婚や出産に対して重圧があるとか、会社の人たちの目線が気になるとか。なんかそういうの、疲れちゃったんです。もういいやって」

婚活をやめた、と報告してくれた友だちの話を聞いて、そうだよね、と思った。うん、いいと思う。

「自分のため」じゃない行動は、ときに未来の自分をじわりじわりと、苦しめていく。

なんというか。何が正解とかはこの世の中になくて、何か正解に見

もっとみる