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自分の人生を楽しくするための工夫

スコットランドはエディンバラに来ている。
見渡す限り築100年以上の建物が並ぶ古い街並みに、物静かで知的だけれども人懐っこいスコティッシュたち。
昼間の雰囲気とは打って変わって、はじけるほどに明るくナイトライフを楽しむギャップもまたこの街の魅力だと思う。

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そしてもうひとつ、この時期に来たからこそ気づいたスコットランドの魅力がある。

それはみんなが日常着にクリスマスを取り入れていることだ。

たとえば私たちがお世話になった先生は、最終日にこんなかわいいメガネをつけてクラスに登場した。

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ちなみによくみるとトップスもクリスマス仕様だ。

それ以外にもサンタ帽やトナカイの耳をつけたり、サンタが描かれた真っ赤なセーターを着ていたり、雪だるまが描かれたネクタイをしていたり、街ゆく人たちが思い思いにクリスマスモチーフのアイテムを身につけていた。
特に夜になるとサンタ帽やトナカイの耳をつけている人が街中に増え、さながらディズニーランドにいるような気分になってくる。

日本のハロウィンと違うのは、朝の通勤時間からみんな真顔でこれらのアイテムを着こなしていること。

仮装ほどのイベント性や非日常感を醸し出すことなく、クリスマス2週間ほど前から少しずつクリスマスアイテムを身に付けはじめる。
そして何事もなかったかのように澄ました顔をして日常を過ごす。

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この風習をみて、私はふと日本の着物を思い出していた。

着物は今やそれ自体が非日常のものではあるけれど、本来は季節にあわせてさりげなくモチーフを入れることを楽しむ衣服でもある。

ことさらに主張するわけではなく、ただ自分が楽しむために身に纏うもの。

そこには、スタイルのファッショナブル性とはまた違う楽しみの幅がある。

スコットランドのクリスマスジャンパーももしかしたら感覚としては着物と同じなんじゃないか、と思ったのだ。

そんな風にとても控えめにクリスマスを楽しむ彼らだけれども、アイテムについて話しかけるととても嬉しそうに話してくれる。

先生やショップのスタッフさんと
『そのクリスマスジャンパー素敵だね!』
『いいでしょ!お気に入りなんだよ!』
という会話を何往復かしてみて、洋服を身に纏うことはコミュニケーションの一環なのだなと改めて思った。

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そしておしゃれかどうか以上に、その時期のイベントを全力で楽しもうとすること、自分の選択に自信を持って着こなすことは、人生を楽しく生きるコツなんじゃないか、と思った。

スコティッシュにとってクリスマスジャンパーは映えのために選ぶものではなく、ただ自分の気分をあげるためのもの。

そういう『あえて全世界に発信するほどではないけれど、自分がちょっと楽しくなるもの』が、人生には意外と必要なんじゃないかと私は思う。

インスタが普及したことで、ネット上にあげる写真のハードルはどんどん上がっている。
しかし本来その季節やイベントを楽しむのは投稿した先に待っているフォロワーではなく自分自身のはずだ。

おしゃれかどうかではなく、映えるかどうかでもなく、ただ自分の気分が上がるかどうか。

そんな素朴な幸福を、私も大切にしようと改めて思った日々だった。

と、いうことで

\こうなった/

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初日はネタ的に眺めるだけだったのだけど、あまりにみんな着ているので目が慣れてしまってだんだん『え、ちょっと待ってかわいいよね…?』『えっていうかもはやうちらも着たくない…!?』と盛り上がり、ついに購入してしまった私たち!

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浮かれまくっているのでついでに耳と帽子も購入し、気分は完全にディズニーランド。

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心の底から楽しそうにクリスマスを楽しむ人たちの力は、国や人種を超えて人の購買行動すら変えてしまう。

『楽しい』という気持ちが人の行動を変えてゆく世界は、とてもハッピーで、美しい。

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