マガジンのカバー画像

ジェンダーに関わる話題 in Sweden

12
運営しているクリエイター

記事一覧

境界を越え、共感するいたみ        画家 Firelei Báez(フィレレイ バエズ)の描く記憶

境界を越え、共感するいたみ        画家 Firelei Báez(フィレレイ バエズ)の描く記憶

ドミニカ共和国出身アーティスト Firelei Báez (フィレレイ バエズ)さんの展覧会を観にルイジアナ美術館へ行ってきました。

Fireleiさんの絵はとてもポップな色使いと躍動するモチーフにより、鑑賞者にジョイフルな気持ちを与えてくれます。

地図や建築図面、本のページといったアーカイブ資料の上に描かれる世界にわくわくドキドキ。

けれど、タイトルをじっくり読んで、使われている資料や細部

もっとみる
スウェーデンがジェンダー平等先進国だって?実際はどうかな?

スウェーデンがジェンダー平等先進国だって?実際はどうかな?

そろそろクリスマスですね。
今回は、クリスマスをめぐるジェンダー不平等を取り上げます。
スウェーデン女性たちの本音もご紹介。

Kvinnor sköter julsyöket i hemmet - fortfarande
仕事、家事育児そしてクリスマスの準備… 12月もお母さんは大変だ!
“労働組合 TCO の委託をうけた Novus の調査によると、11 歳未満の子供を持つ母親の 80% が、

もっとみる
スウェーデン住宅市場におけるジェンダー不平等

スウェーデン住宅市場におけるジェンダー不平等

今回は2023年ジェンダー平等フォーラムからマルメ大学 Martin Grander教授による講演会Hur får vi en jämställd bostadsmarknad? をご紹介。

本題に入る前に…前提① そもそも男女で収入差がある

女性は男性の給料の80% (=年金も男性より低い)

2019年のデータによると収入差を1年で換算すると約87万円の差になる。

前提② 女性のほうが育

もっとみる
少年たちよ!沈黙に屈するな!

少年たちよ!沈黙に屈するな!

今週は親しい関係における暴力Våld i nära relationer DVの啓発キャンペーンが全国で行われています。

親しい関係における暴力を減らすには、女性を守るだけでは足りなくて、きちんと男性が変わらないといけない。
そしてそれは早ければ早いほどいい。
今回は、ジェンダー平等庁が企画した男性を対象にしたキャンペーンを紹介します。少年や青年向けのガイドになります。

前提として
まずスウェ

もっとみる
DV 暴力 を早期に発見するスウェーデンの取り組み

DV 暴力 を早期に発見するスウェーデンの取り組み


親しい関係における暴力を撲滅するための国家戦略スウェーデンでは、男性に比べて暴行犯罪にさらされる女性は約2倍にのぼる。

暴行被害の通報 36 019 件数(2022年)のうち
女性の被害者: 23 267 (64,6 %)
男性の被害者: 12 752 (35,4 %)

この分野におけるジェンダー不平等に国全体で取り組むことが長らく求められてきた。

これを受けて、2017-2026年の

もっとみる
岐路にたつ人権国家スウェーデン         在留資格のない移民・難民を通報する社会へ?

岐路にたつ人権国家スウェーデン 在留資格のない移民・難民を通報する社会へ?


Informatiosnplikt 情報義務 / Angiverilagen 情報提供法
現在政権とスウェーデン民主党は、在留資格のない移民・難民を通報する法案 Informationsplikt 情報義務 成立に向けて本格的に動き出しています。

Informationsplikt 情報義務 法案は、Angiverilagen アンギーヴェリーラーゲン 情報提供法 と一般に呼ばれており、ここで

もっとみる
スウェーデンのもう一つの現実 移民とジェンダーから見る社会

スウェーデンのもう一つの現実 移民とジェンダーから見る社会

デンマークで図書館司書として児童図書店で働き、またデンマークや北欧社会について活発に発信なさっている さわひろ あやさん のポッドキャスト ジェンダー・ステレオタイプの話をしように出させていただきました。

あやさんがリクルートの依頼を受けて書かれた記事【デンマーク・スウェーデン】男女格差の解消が進む北欧の取り組みとは ~ジェンダー平等先進国に学ぶ~で、取材協力をしたのがご縁になりました。

今回

もっとみる
多様性と共に楽しく生きる

多様性と共に楽しく生きる

2023/7/31月曜- 8/6日曜は

ストックホルム・プライド・ウィーク🌈

りゅうちぇるさんの訃報に接して、ストックホルム・ #プライド が伝えるメッセージをシェアしたいと思いました。

プライド・パレードは、商業主義、欧米中心主義、プライド・パレードと方向性が違う他の形の性的マイノリティーの運動を排除してしまう、など批判点は多くあります。

でも、今回のストックホルム・プライド・パレード

もっとみる
DV家庭内暴力への取り組み スウェーデンの例

DV家庭内暴力への取り組み スウェーデンの例


スウェーデンでは多くの人が先週と今週から本格的に夏休みに入っています。夏休み中は市民団体の活動も縮小気味に。私がボランティアしてる団体も夏休みは活動なし…。
ですが、
夏休みだからこそやらなきゃ!と活発な団体もあります。
その一つがUNZON
ユニゾンのインスタ記事が良かったのでシェアします。

暴力との闘いは夏も続きます以下ユニゾンの記事を翻訳しました。

できること:

隣人から騒音や叫び声

もっとみる
スウェーデンにおける性的マイノリティの子どもたち

スウェーデンにおける性的マイノリティの子どもたち

こどもの日から1週間は児童福祉週間。
ということで、スウェーデンの性的マイノリティの子どもたちについて調べてみました。
性的マイノリティのこどもたちは当たり前に教室で勉強し、友達とあそんだり、きちんと権利は保障されています。
しかし、
若者の生活状況や市民社会の状況に関して調査し知識の普及に努めているスウェーデン青年・市民社会庁(Myndigheten för ungdoms- och civil

もっとみる
生理用品の価格引き下げ運動 変化の兆し 日本とスウェーデン

生理用品の価格引き下げ運動 変化の兆し 日本とスウェーデン

最近、日本でも生理の経済的な負担が話題になっていますね。
コロナで生理用品を買えずに外出できなくて、収入が更に減ってしまったり、ストレスにさらされている女性が増えています。(NHK.2021)
世界の女性たちも同じ問題にさらされていて、スコットランドやニュージーランドは生理用品を無料化、日本でも税率を下げるよう要望する運動が活発になっていています。
「生理用品を軽減税率対象にしてください!」

もっとみる
スウェーデンにおけるセクハラ 現状と対策

スウェーデンにおけるセクハラ 現状と対策

先週、職場におけるセクシズム 

Så drabbar sexism hela arbetsplatsen

という、職場におけるセクハラをテーマにしたランチレクチャーをみました。

セクハラ被害や性被害にあった被害者をケアする団体Storasysterによると、
スウェーデンではMetoo運動以降、職場におけるセクハラそのものは減っていないとのこと。びっくり。
Metoo運動以降、セクハラ被害を

もっとみる