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DV家庭内暴力への取り組み スウェーデンの例



スウェーデンでは多くの人が先週と今週から本格的に夏休みに入っています。夏休み中は市民団体の活動も縮小気味に。私がボランティアしてる団体も夏休みは活動なし…。
ですが、
夏休みだからこそやらなきゃ!と活発な団体もあります。
その一つがUNZON
ユニゾンのインスタ記事が良かったのでシェアします。

暴力との闘いは夏も続きます

以下ユニゾンの記事を翻訳しました。

できること

隣人から騒音や叫び声が聞こえたら、警察に電話(112)する。

隣人の子どもが心配なら、市町村のソーシャル・サービス(社会福祉課)に連絡する。

友人や同僚や知り合いに心配な人がいる場合は、その人に電話したり、テキストメッセージを送ったりする。
または、ホットラインに気軽に連絡してサポートを受ける。

www.unizonjourer.se

Kvinnofridslinjen 020-50 50 50
電話は24時間対応。

もしあなたが男性で、
あなたの友人がパートナーに対して支配的で不公平な振る舞いをしていると感じたら、声を上げ、彼がしていることに気づいていることを示しましょう!

男性の行動は私たち全員に影響します。

私たち皆が行動する責任があります。

ユニゾンはすべての人が暴力から解放され、平等な夏を過ごせるよう、活動し続けます。

ユニゾンはどんな組織??


さてユニゾンとはどんな組織なのでしょうか。
ユニゾンは、暴力のない平等な社会を目指す130以上のNGO NPO女性シェルター、女子シェルター、青少年シェルターが集まる全国組織です。

男性の女性に対する暴力は孤立した問題ではなく、社会全体に関わるものである。ユニゾンは、暴力にさらされているすべての女性と子ども、そして弱い立場にある若者が、その生活状況や背景にかかわらず、質の高い支援と保護を受けられるよう活動している。

女性と子どもをエンパワーメントする
ユニゾンのアドボカシー活動はすべて、男性の暴力に対する女性や子どもの体験に基づく。ユニゾンはシェルターの共通の声となることで、政治、当局、その他の関係者に影響を与え、現状を変える責任を果たすよう働きかけている。
ユニゾンはまた、メンバーに研修を提供し、シェルターの活動の質を保証し、発展させるための支援も行っている。

シェルターは、暴力、ジェンダー、権力がどのように結びついているかという知識に基づいて、支援、保護、予防を行い、影響を与える。

活動の主な内容は、暴力の被害者である女性とその子どもたちを支援・保護すること、子どもたちや若者たちと予防的・支援的に活動すること、意見を作り知識を広めることである。

暴力はすべての人に同じように影響するわけではないし、すべての人に状況を変える同じ機会があるわけでもない。
母親と一緒にシェルターに来る子どもたちは、それぞれの経験とニーズに基づいた支援と援助を受ける権利があるのである。

UNIZON

Våld i nära relationer 親しい間がらにおける暴力

毎週金曜に Våld i nära relationer 親しい間がらにおける暴力 に反対するスタンド・アップ・デモ(プラカードを持って静かに人通りの多いところで立つデモです)が、コロナ下からずっと行われています。
タイミングが合って参加したことがあり、路行く人から好意的なコメントをもらう一方で、DV は女性もしてる とコメントしに来た女性もいました。

その点をちゃんと踏まえた上で、
「Våld i nära relationer 親しい間がらにおける暴力」と呼び、それへの意識改革を求め、対策をしようとしているわけです。
男性被害者の存在にも気配りしたいい言い方だなと思います。
Socialstyrelsen 国家保健福祉委員会がどのように取り組んでいるのかを述べていたのでご紹介。

Våld i nära relationer
Våld i nära relationer är ett stort samhällsproblem. Både kvinnor och män utsätts men kvinnor drabbas oftare av upprepat och mer allvarligt våld. Förövaren är i majoriteten av fallen en man.
親しい間がらでの暴力
家庭内暴力は大きな社会問題である。
女性も男性も被害者になるが、女性の方が繰り返し、より深刻な暴力の被害者になることが多い。ほとんどの場合、加害者は男性である。

Nationell strategi för att förebygga och bekämpa mäns våld mot kvinnor
Regeringen har beslutat om en nationell strategi för att förebygga och bekämpa mäns våld mot kvinnor.
Den pågår mellan åren 2017–2026.
男性による女性への暴力を防止・撲滅するための国家戦略
政府は、男性の女性に対する暴力を防止し、撲滅するための国家戦略を採択した。
この戦略は2017年から2026年まで実施される。
国家保健福祉委員会は、戦略の実施を可能にするためにいくつかの任務を負っている。
Den nationella strategin för att förebygga och bekämpa mäns våld mot kvinnor är en del av regeringens jämställdhetspolitik och hör ihop med jämställdhetsmålet att mäns våld mot kvinnor ska upphöra. I strategin finns ett fokus på att stärka skyddet för våldsutsatta, men också på mäns delaktighet och ansvar för att stoppa våldet.
男性の女性に対する暴力を防止し闘うための国家戦略は、政府のジェンダー平等政策の一部であり、男性の女性に対する暴力をなくすというジェンダー平等の目標と結びついている。この戦略は、暴力被害者の保護を強化することに重点を置いているが、暴力を止めるための男性の参加と責任にも焦点を当てている。

Socialstyrelsen

DVによる死亡事件のデータ


スウェーデン国家犯罪防止評議会Bråによると、
被害者と加害者が交際していた、あるいは交際していた女性に対する致死的暴力の件数は、2021年には15件となり、この年の女性に対する致死的暴力件数のほぼ3分の2(63%)を占めました。

Brå

Bråはまた、親密な関係にある女性に対する暴力の約80%が警察に報告されていないと推定しています。

参考

Brå

Socialstyrelsen
https://www.socialstyrelsen.se/kunskapsstod-och-regler/omraden/vald-och-brott/vald-i-nara-relationer/

UNIZON
https://www.unizonjourer.se/om-unizon/


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