情報発信プロデューサーのるうたん

情報発信プロデューサーのるうたんです。20数年多くのジャンルで文章を書き、多くの文章も…

情報発信プロデューサーのるうたん

情報発信プロデューサーのるうたんです。20数年多くのジャンルで文章を書き、多くの文章も読んできました。そのなかで培ってきたライティングスキルやノウハウを生かし、SNSなどをテーマに情報発信コンサルティングを行っています。また、最近は自己投資について研究中。

記事一覧

書評 メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記 三枝玄太郎

著者はSNSで情報発信をしていて、よく見ているので、本屋で同書を発見し、拝読した。学生時代は、心情左翼に近かったというが、新聞社への就職活動の結果、世間的には右…

書評 成長の臨界 河野龍太郎

著者はエコノミストとして、経済雑誌で人気エコノミスト・アナリストで首位を獲得し、市場で評価される存在。同書を読んでみて、この評価も納得できる。同書のコンセプトは…

書評 95 早見和真

95年に起きた地下鉄サリン事件をモチーフにしたドラマが始まるというので、見始めたのだが、ストーリーが気になり、原作を読むことにした。地下鉄サリン事件に遭遇した高…

映画評 男はつらいよ お帰り寅さん

父親が寅さんが大好きで、テレビで映画が放映されると、必ずオンタイムで見るか、録画していた。いま見ると、当時も少しは感じていたが、「ダメな人」なのだが、ついついそ…

書評 21世紀の財政政策 オリヴィエ・ブランシャール

前週に日銀は金融政策を転換し、ゼロ金利の解除に踏み切った。今後、経済の行方がどのようになるかは気になるところだが、長期停滞の流れは変わらないというのが個人的な印…

書評 反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝 https://amzn.to/3TvEYes 「国家形成にまつわる根本的な疑問は、ホモ・サピエンス…

書評 それでも作家になりたい人のためのブックガイド 渡部直己 すが秀実

もう30年前に出た本だが、当時小生はいまは亡き専門学校に在籍し、著者たちの授業を受講する機会に恵まれた。著者は気鋭の文芸批評家として、文壇が恐れるコンビとして、…

書評 推される力 推された人間の幸福度 てんちむ 秋カヲリ

同書は23年秋に無期限の活動休止を表明したてんちむについて、ライターの秋が、てんちむ本人や周辺にインタビューした形でまとめられている。小生がてんちむのことを知った…

書評 日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるか 門間一夫&私事2024年のあいさつ

2024年を迎えたが、元旦から能登半島の地震が発生し、翌日には羽田空港の事故が起きた。亡くなられた方々には心からお悔やみを、被害に遭われた方々には心よりお見舞いをそ…

私事 2023年最後のポスト

クリスマスイヴ、皆さんいかがお過ごしでしょうか?こちらはこの投稿を、Mー1の敗者復活を付けながら、書いています。今年は方式を変えて、3つのブロックに分けて、会場…

書評 国債膨張の戦後史 米澤潤一

最近、「ザイム真理教」とかいう本を自称エコノミストが出しているが、いわゆる「財務省陰謀論」的な視点が、やはりマスコミの一部にはウケるのだろうし、それが一般にもウ…

書評 経済論戦は甦る 竹森俊平 

勤務先の書庫整理に伴い、読んでみた1冊。初版が出版された2002年は、小泉政権下で銀行の不良債権処理や構造改革の是非、デフレからの脱却が課題になっていた時代だっ…

書評 なぜかお金が増える人の習慣38 田口智隆

先日、BSフジの「クイズ!脳ベルSHOW」を見ていたら、同書の内容から問題が出題されていて、読んだことがなかったので、アマゾン経由で購入して、1日で読み終えてしまった…

書評 人は見た目が9割 竹内一郎

初版は2005年。手にした本は81刷で、帯には「シリーズ累計123万部」とあった。以前からタイトルが気になっていた本で、中身を見るまでいま問題の「ルッキズム」でもテー…

書評 ポストM&A成功戦略 松江英夫

同書の初版は2008年だが、今でもM&Aの実践書としては有効な内容である。M&Aというと、経営統合すること自体が、ゴールに思われがちだが、むしろ統合してからのほうが重要で…

書評 日本列島改造論 田中角栄

田中角栄といえば、戦後の政治家で最もインパクトを残した政治家だが、そのすごさは、彼が亡くなって以降もその影響が続いている点だ。今年に入って復刻された「日本列島改…

書評 メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記 三枝玄太郎

書評 メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記 三枝玄太郎

著者はSNSで情報発信をしていて、よく見ているので、本屋で同書を発見し、拝読した。学生時代は、心情左翼に近かったというが、新聞社への就職活動の結果、世間的には右翼と目される産経に入ったという。取材を行うなかで、他社の記者や取材先から、「右翼の産経」が云々といわれる場面が多々あったエピソードが出てくる。タイトルは「メディアはなぜ左傾化するのか」だが、朝日や毎日、共同通信といった記者の話や、いわゆる市

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書評 成長の臨界 河野龍太郎

書評 成長の臨界 河野龍太郎

著者はエコノミストとして、経済雑誌で人気エコノミスト・アナリストで首位を獲得し、市場で評価される存在。同書を読んでみて、この評価も納得できる。同書のコンセプトは、民間のシしを迎えたことを機に、現在問題になっているさまざまな事象について、考察を示す。とにかく、経済だけにとどまらず、政治、心理学、社会学、歴史といった広い視点に立ちながら、さまざまな学者の知見も引用しながら、考察を示している点が、同書の

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書評 95 早見和真

書評 95 早見和真

95年に起きた地下鉄サリン事件をモチーフにしたドラマが始まるというので、見始めたのだが、ストーリーが気になり、原作を読むことにした。地下鉄サリン事件に遭遇した高校生秋久(通称Qちゃん)が、これまでの縁のなかった同級生からグループに招き入れられ、そこからそれまで経験したことのない、日常が始まるという内容。他校生の対立から、渋谷を仕切る黒幕的な存在との対決まで、物語は引き込まていく内容。小説は2015

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映画評 男はつらいよ お帰り寅さん

映画評 男はつらいよ お帰り寅さん

父親が寅さんが大好きで、テレビで映画が放映されると、必ずオンタイムで見るか、録画していた。いま見ると、当時も少しは感じていたが、「ダメな人」なのだが、ついついそのダメさに笑ってしまうのが、寅さんの魅力なのだと感じる。

寅さんは、95年の作品が最後で、その翌年に演じていた渥美清が亡くなっているので、寅さんの終わりは描かれていない。ちなみに映画製作の前にテレビの連続ドラマで放映されたときに、寅さんは

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書評 21世紀の財政政策 オリヴィエ・ブランシャール

書評 21世紀の財政政策 オリヴィエ・ブランシャール

前週に日銀は金融政策を転換し、ゼロ金利の解除に踏み切った。今後、経済の行方がどのようになるかは気になるところだが、長期停滞の流れは変わらないというのが個人的な印象である。同書は23年の経済書の書評で総じて高い評価を得ているが、それは低金利・高債務下で正しい経済戦略をとるには、どのようにしていけば良いかを明示している点が大きい。政策担当者に向けに書かれていることもあり、数式が頻出するがこれは致し方な

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書評 反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝

書評 反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝

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「国家形成にまつわる根本的な疑問は、ホモ・サピエンス・サピエンスがいったいどういう経緯でこんな暮らし方―作物化・家畜化された植物と動物、および人間による前例のない集住―をするようになったのかということだ。」で序章で始まる同書。

メソポタミア文明の初期国家の形成

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書評 それでも作家になりたい人のためのブックガイド 渡部直己 すが秀実

書評 それでも作家になりたい人のためのブックガイド 渡部直己 すが秀実

もう30年前に出た本だが、当時小生はいまは亡き専門学校に在籍し、著者たちの授業を受講する機会に恵まれた。著者は気鋭の文芸批評家として、文壇が恐れるコンビとして、こうしたメディアでさまざまな批評を行っていた。あまり本を読んでこなかった小生にとっては、いろいろと刺激になることが多かった。渡部氏に関しては、かなり課題となる文章を書いたうえで、ゼミに合格した。学ぶ部分も多かったが、割と生徒によって、贔屓が

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書評 推される力 推された人間の幸福度 てんちむ 秋カヲリ

書評 推される力 推された人間の幸福度 てんちむ 秋カヲリ

同書は23年秋に無期限の活動休止を表明したてんちむについて、ライターの秋が、てんちむ本人や周辺にインタビューした形でまとめられている。小生がてんちむのことを知ったのは、テレビの有吉反省会を通してである。子役として活動し、出版した本が売れたことで、あまりに暇すぎることを反省しに来たという体だった。その時、なかなか面白い人がいるなあ、というのが率直な感想だった。その後、映画などに出てきたが、この本を読

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書評 日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるか 門間一夫&私事2024年のあいさつ

書評 日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるか 門間一夫&私事2024年のあいさつ

2024年を迎えたが、元旦から能登半島の地震が発生し、翌日には羽田空港の事故が起きた。亡くなられた方々には心からお悔やみを、被害に遭われた方々には心よりお見舞いをそれぞれ申し上げます。

新年を迎えて、海外では引き続きウクライナ、中東では紛争が続き、きょうは台湾の総統選の投票があり、中国をめぐる動向も目が離せない。そのようななかで、東京市場は今週バブル後最高値を更新する3万5000円台を付けた。た

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私事 2023年最後のポスト

私事 2023年最後のポスト

クリスマスイヴ、皆さんいかがお過ごしでしょうか?こちらはこの投稿を、Mー1の敗者復活を付けながら、書いています。今年は方式を変えて、3つのブロックに分けて、会場と審査員の点数で、勝ち残った者でさらに競わせて、1組を選ふという形式にしました。これまで見ていると、今回初めて聴いたコンビが割と健闘しています。なかなか、見応えがあった個人的には、良かった感じがします。Mー1も方式を変えたり、そのなかで新し

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書評 国債膨張の戦後史 米澤潤一

書評 国債膨張の戦後史 米澤潤一

最近、「ザイム真理教」とかいう本を自称エコノミストが出しているが、いわゆる「財務省陰謀論」的な視点が、やはりマスコミの一部にはウケるのだろうし、それが一般にもウケるのだろう。しかし、そう事は単純ではないし、実務の部分を知れば、いかに空虚な考えかがわかる。

著者は財務省の前身の大蔵省で、昭和38年から30年余り、国債業務に長年携わってきた。東京五輪前後の高度成長経済の時代から、ニクソンショック、円

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書評 経済論戦は甦る 竹森俊平 

書評 経済論戦は甦る 竹森俊平 

勤務先の書庫整理に伴い、読んでみた1冊。初版が出版された2002年は、小泉政権下で銀行の不良債権処理や構造改革の是非、デフレからの脱却が課題になっていた時代だった。同書は経済学者、フィッシャーとシュムペーター(オリックスの山下投手の名前の由来)の論争を引き合いにしつつ、「シュムペーター的清算主義による『構造改革』を進めれば、日本経済は沈没する!」として、フィッシャーのリフレ政策に沿う形での論陣を張

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書評 なぜかお金が増える人の習慣38 田口智隆

書評 なぜかお金が増える人の習慣38 田口智隆

先日、BSフジの「クイズ!脳ベルSHOW」を見ていたら、同書の内容から問題が出題されていて、読んだことがなかったので、アマゾン経由で購入して、1日で読み終えてしまった。書かれている内容は、同類の本で語られてきたことも多いが、著者の負の体験がベースになっていることと、やるべきことを「38」のポイントにまとめているところに、読む価値がある。帯にもあるように、「悪いクセを断ち切る」ところから、お金を増や

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書評 人は見た目が9割 竹内一郎

書評 人は見た目が9割 竹内一郎

初版は2005年。手にした本は81刷で、帯には「シリーズ累計123万部」とあった。以前からタイトルが気になっていた本で、中身を見るまでいま問題の「ルッキズム」でもテーマにしているのかな、と思い込んでいたのだが、内容は全く違った(著者には失礼な話になるが)。

劇作や漫画原作を手掛けている著者が、創作の過程で感じた点などを、エッセイにまとめた1冊。冒頭で、最近活字の本より漫画のほうが圧倒的に売れてい

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書評 ポストM&A成功戦略 松江英夫

書評 ポストM&A成功戦略 松江英夫

同書の初版は2008年だが、今でもM&Aの実践書としては有効な内容である。M&Aというと、経営統合すること自体が、ゴールに思われがちだが、むしろ統合してからのほうが重要である。タイトルが「ポストM&A」となっていることも、そうした視点からによる。M&Aの「成立」は、ゴールではなく、「成立」をビジネスの「成功」に導くための方法論を、同書ではJ.フロントリテイリング、JFEホールディングス、協和キリン

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書評 日本列島改造論 田中角栄

書評 日本列島改造論 田中角栄

田中角栄といえば、戦後の政治家で最もインパクトを残した政治家だが、そのすごさは、彼が亡くなって以降もその影響が続いている点だ。今年に入って復刻された「日本列島改造論」。彼が総理大臣に就任する前に出された本だが、そのなかで大きな柱になっていたのが新幹線による交通網の整備だった。出版された後の1982年大宮発着ながら、6月に東北、11月に彼のおひざ元長岡にもつながる上越の各新幹線が暫定開業した。93年

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