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書評 日本列島改造論 田中角栄

田中角栄といえば、戦後の政治家で最もインパクトを残した政治家だが、そのすごさは、彼が亡くなって以降もその影響が続いている点だ。今年に入って復刻された「日本列島改造論」。彼が総理大臣に就任する前に出された本だが、そのなかで大きな柱になっていたのが新幹線による交通網の整備だった。出版された後の1982年大宮発着ながら、6月に東北、11月に彼のおひざ元長岡にもつながる上越の各新幹線が暫定開業した。93年に角栄は亡くなるが、バブル崩壊に関係なく、五輪に合わせ97年に北陸新幹線が長野まで、02年には東北新幹線が八戸まで開業。16年には北海道新幹線が新函館北斗まで開業し、30年度には札幌まで延伸予定。北陸新幹線も24年春には敦賀まで開業の運び。方や九州では、2011年に博多から鹿児島中央まで九州新幹線が全通。22年には長崎から武雄温泉までの間に西九州新幹線が開業している。日本の状況の変化に関わらず、ここまで鉄道が整備されたのはある意味驚き。良くも悪くも、彼が作り上げたと言われる地元への利益誘導を第一に掲げる政治の集票システムが、現在に至るまで影響したのは間違いないの
かもしれない。

追伸 少し思い立ち、微力ながら関心が深まればと、政治をテーマにしたブログを立ち上げました。緩く更新するつもりですが、よろしければご覧ください。

#書評 #政治 #田中角栄