情報発信プロデューサーのるうたん

情報発信プロデューサーのるうたんです。20数年多くのジャンルで文章を書き、多くの文章も…

情報発信プロデューサーのるうたん

情報発信プロデューサーのるうたんです。20数年多くのジャンルで文章を書き、多くの文章も読んできました。このnoteでは、自分が読んだ本、鑑賞した映画などの感想を中心に情報を発信しています。少しでも多くの人たちにその良さをシェアできれば幸いです。

最近の記事

書評 スマホだけ×顔出しなし 隠れYouTuberで毎月3万円を稼ぐ 木村博史

副業が認められる時代のなかで、その1つとして注目されているのが、ユーチューブによる動画配信。同書では、副業として、月3万円の収益を稼ぐとのコンセプトのもと、その方法を伝授している。副業とはいえ、本業との兼ね合いなどによるリスクもあるので、「顔出し」をしないことや、お金をあまりかけずにできるように、スマートフォンだけで行う方法をまとめているのが、同書の特徴である。 著者は広告動画制作などを手掛けており、そのなかで培ってきた独自の理論と実践で、登録者と再生時間を増やす、テクニッ

    • 書評 平均4.2カ月で1万フォロワーを実現する プロ目線のインスタ運用法 石川侑輝

      最近、SNSの活用策について、調べるなかで手にした1冊。インスタグラムといえば、「映え」に代表される「個人」のメディアとして、受け止めて利用していたのだが、同書ではビジネスシーンでの活用に焦点を当てて、運用についてのノウハウをまとめている。ノウハウは、著者の300を超えるアカウントの運用、400万以上のフォロワー分析から、得た分析に基づいて得たデータから作られている。そして、PECTサイクルに基づき、4つの施策を行うことで、フォロワーの増加につながるとしている。PECTとは、

      • 書評 邪悪に堕ちたGAFA ラナ・フォルーハー

        グーグル(Google)、アップル(Apple)、Facebook(フェイスブック)、アマゾン(Amazon)の頭文字を取って、米国の大手IT企業を「GAFA」と呼び、4社が世間に与える影響について、語られるようになってから久しい。4社が事実上、市場を独占し、利便性が大幅に向上した一方、弊害が語られることも多くなった。2000年代の初めのころは、「ウェブが世界を変える」といった言説が梅田望夫氏あたりが、まき散らしていたが、前澤友作氏の広告をめぐるFacebook改めメタの対応

        • 書評 我々はどこから来て、今どこにいるのか?  エマニュエル・トッド

          ホモ・サピエンスの誕生から米国における2016年の選挙におけるトランプ大統領誕生まで、人類史の全貌がわかるというのが、同書のキャッチコピーだが、その視点の1つが「家族」というキーワードだ。著者はフランスの人類学者で、過去にソ連崩壊や英国のEU離脱についても、予言したことで知られており、数々の著作を世に放っている。 上巻では、新しいと思われてきた「核家族」が最も原始的で、この原始的な核家族こそが、近代国家との親和性を持つことを明らかにし、「アングロサンがなぜ世界の覇権を握った

        書評 スマホだけ×顔出しなし 隠れYouTuberで毎月3万円を稼ぐ 木村博史

          書評 わかりたいあなたのための現代思想・入門 (別冊宝島 44)

          もう、30年以上も前になるが、小生が今は亡き編集系の専門学校に通っていた際、とにかく講師や同級生が、現代思想やサブカルチャー、歴史とやたら詳しい人が多く、すごく焦っていた。そのときに、役立ったのがガイドブック的な本で、特に参考になり読んでいたのが、別冊宝島のシリーズ本だった。正直、これらの領域を知って何になるんだ?ということが前提にあって、興味を惹かれることはなかったのだが、とはいえ、これを知らないのはマズいという気持ちのほか、周囲に遅れてはならないという気持ちが強く、まずは

          書評 わかりたいあなたのための現代思想・入門 (別冊宝島 44)

          書評 会社で働きながら6カ月で起業する――1万人を教えてわかった成功の黄金ルール 新井一

          著者の本は、以前にも読んだことがあり、会社に勤務しながら起業するスタイルを紹介し、自らフォーラムも主宰している。すでにフォーラムを通じて、1万人に起業のノウハウなどを伝えてきたという。2019年初版の同書では、教えた人たちの成功・失敗例を織り交ぜながら、起業のゴールを6カ月に区切りながら、それまでに必要な事項をまとめているのが特徴。 ネタの探し方や、プロモーションの方法、税金の扱い方など、起業に際してバラバラになりがちな事項を1冊にまとめているのが大きな特徴。何かしなくては

          書評 会社で働きながら6カ月で起業する――1万人を教えてわかった成功の黄金ルール 新井一

          書評 ヒトは〈家畜化〉して進化した ブライアン・ヘア 、ヴァネッサ・ウッズ

          タイトルだけを見ると、一瞬驚いてしまうが、訳者の藤原多伽夫によると、著者たちは、人間が野生動物を選抜して交配し、飼いならしていく過程を「家畜化」と呼ぶという。家畜化された動物にさまざまな変化が生じるなかで、その変化が自然淘汰を通じて起きた場合には、「自己家畜化」と呼ぶ。著物たちの考えでは、他者に対して友好的な振る舞う友好性が、自己家畜化で進化した、としている。 ヒトには「集団内の見知らぬ人」という社会的なカテゴリーがあり、一度も会ったことがない人でも、自分の仲間かどうかを見

          書評 ヒトは〈家畜化〉して進化した ブライアン・ヘア 、ヴァネッサ・ウッズ

          書評 0円起業 有薗隼人

          同書は2019年初版なので、当時とやや状況は変化しているが、今後の稼ぎ方や働き方といった考え方などはいまでも有効的である。著者はもともとネット広告会社の営業を経て、現在はウェブマーケティング会社を起業し、事業を展開している。著者が強調するのは、本のタイトルの導入にもなっているが、「働きながら小さく始めて大きく稼ぐ」ことである。すでに終身雇用が崩れて、副業解禁の流れとなっているが、なかなか世の中的にはまだまだ「会社」本位の考え方が強いのが実情。著者もこうした点を踏まえ、無理に辞

          書評 24年上期も終わるなかで

          早いもので2024年も6月に入った。個人的には2月に50歳になり、最近はあまり使っていないアカウントの整理をしたり、情報ダイエットを進めている。これからは体力や年齢も気にしつつ、さらにやること・やらないことの選別を進めていこうかなと感じている。とはいえ、やりたいもののなかなか進まないのが読書。noteもちょっと滞り気味になっている。やや厚みのある内容であったりするので、時間も要してしまう。ただ、こうしてnoteに記そうというゴールを設定しているので、読書に対するモチベーション

          書評 24年上期も終わるなかで

          書評 メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記 三枝玄太郎

          著者はSNSで情報発信をしていて、よく見ているので、本屋で同書を発見し、拝読した。学生時代は、心情左翼に近かったというが、新聞社への就職活動の結果、世間的には右翼と目される産経に入ったという。取材を行うなかで、他社の記者や取材先から、「右翼の産経」が云々といわれる場面が多々あったエピソードが出てくる。タイトルは「メディアはなぜ左傾化するのか」だが、朝日や毎日、共同通信といった記者の話や、いわゆる市民団体の話とかが出てくるが、「なぜ左傾化するのか」は、正直最後までわからなかった

          書評 メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記 三枝玄太郎

          書評 成長の臨界 河野龍太郎

          著者はエコノミストとして、経済雑誌で人気エコノミスト・アナリストで首位を獲得し、市場で評価される存在。同書を読んでみて、この評価も納得できる。同書のコンセプトは、現在問題になっているさまざまな事象について、考察を示す。とにかく、経済だけにとどまらず、政治、心理学、社会学、歴史といった広い視点に立ちながら、さまざまな学者の知見も引用しながら、考察を示している点が、同書の一番の魅力である。著者は定期的に勉強会を開催しており、そのなかで培われたネットワークも、同書の見方に反映されて

          書評 成長の臨界 河野龍太郎

          書評 95 早見和真

          95年に起きた地下鉄サリン事件をモチーフにしたドラマが始まるというので、見始めたのだが、ストーリーが気になり、原作を読むことにした。地下鉄サリン事件に遭遇した高校生秋久(通称Qちゃん)が、これまでの縁のなかった同級生からグループに招き入れられ、そこからそれまで経験したことのない、日常が始まるという内容。他校生の対立から、渋谷を仕切る黒幕的な存在との対決まで、物語は引き込まていく内容。小説は2015年時点の渋谷のカフェからスタートする。主人公の秋久が、高校生時代の秋久とその同級

          映画評 男はつらいよ お帰り寅さん

          父親が寅さんが大好きで、テレビで映画が放映されると、必ずオンタイムで見るか、録画していた。いま見ると、当時も少しは感じていたが、「ダメな人」なのだが、ついついそのダメさに笑ってしまうのが、寅さんの魅力なのだと感じる。 寅さんは、95年の作品が最後で、その翌年に演じていた渥美清が亡くなっているので、寅さんの終わりは描かれていない。ちなみに映画製作の前にテレビの連続ドラマで放映されたときに、寅さんはハブでかまれて死んだ話になっている。 「お帰り寅さん」は、吉岡秀隆演じるおいの

          映画評 男はつらいよ お帰り寅さん

          書評 21世紀の財政政策 オリヴィエ・ブランシャール

          前週に日銀は金融政策を転換し、ゼロ金利の解除に踏み切った。今後、経済の行方がどのようになるかは気になるところだが、長期停滞の流れは変わらないというのが個人的な印象である。同書は23年の経済書の書評で総じて高い評価を得ているが、それは低金利・高債務下で正しい経済戦略をとるには、どのようにしていけば良いかを明示している点が大きい。政策担当者に向けに書かれていることもあり、数式が頻出するがこれは致し方ない。章ごとに結論がまとめられていたり、最後の章には要約があるので、難解というわけ

          書評 21世紀の財政政策 オリヴィエ・ブランシャール

          書評 反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝

          反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝 https://amzn.to/3TvEYes 「国家形成にまつわる根本的な疑問は、ホモ・サピエンス・サピエンスがいったいどういう経緯でこんな暮らし方―作物化・家畜化された植物と動物、および人間による前例のない集住―をするようになったのかということだ。」で序章で始まる同書。 メソポタミア文明の初期国家の形成において農業が果たした役割、そのなかで城壁や文字が出現した点などを記し、人口の管

          書評 反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー ジェームズ・C・スコット、 立木 勝

          書評 それでも作家になりたい人のためのブックガイド 渡部直己 すが秀実

          もう30年前に出た本だが、当時小生はいまは亡き専門学校に在籍し、著者たちの授業を受講する機会に恵まれた。著者は気鋭の文芸批評家として、文壇が恐れるコンビとして、こうしたメディアでさまざまな批評を行っていた。あまり本を読んでこなかった小生にとっては、いろいろと刺激になることが多かった。渡部氏に関しては、かなり課題となる文章を書いたうえで、ゼミに合格した。学ぶ部分も多かったが、割と生徒によって、贔屓があった印象を受けた。そんななか、年月が経ち、渡部氏はこんなことに。以前、こちらで

          書評 それでも作家になりたい人のためのブックガイド 渡部直己 すが秀実