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書評 ポストM&A成功戦略 松江英夫
同書の初版は2008年だが、今でもM&Aの実践書としては有効な内容である。M&Aというと、経営統合すること自体が、ゴールに思われがちだが、むしろ統合してからのほうが重要である。タイトルが「ポストＭ＆Ａ」となっていることも、そうした視点からによる。Ｍ＆Ａの「成立」は、ゴールではなく、「成立」をビジネスの「成功」に導くための方法論を、同書ではＪ.フロントリテイリング、ＪＦＥホールディングス、協和キリン、小田急電鉄、三菱ケミカルグループといった数々の事例を紹介しつつ、示している。出された当時とは違い、国際情勢は混とんとしているはするものの、国内では少子高齢化による人口減少によるマーケット縮小や事業承継などで、Ｍ＆Ａのニーズはまだ高い。これからの市場を生き抜くうえでも、読んで損はない１冊である。