- 運営しているクリエイター
#映画
きのうより白いしあしたより白い
現代川柳と400字雑文 その55
きのう観た映画で、ゾンビ役の俳優が全眼白眼のカラーコンタクトレンズをつけていた。上映後のトークによるとかなり視界が奪われるらしい。本来なら視力を矯正し向上させるためのコンタクトをつけることで逆に視界が奪われるのだから恐ろしい。そして見た目はゾンビだからいよいよ恐ろしい。さらにその俳優が学生時代にボクシングをやっていたことを加味すれば、事態はいよいよ恐ろしい。
東出を観る2『ビブリア古書堂の事件手帖』
1.鴨居
だめだ〜、東出昌大おもしれ〜、もう東出昌大を通じてしか映画のことを考えられね〜、という深刻な状態に陥ったのは、昨年末『寝ても覚めても』を観てからのこと。それから東出の出演作をすこしずつ追うようになり、本作『ビブリア古書堂の事件手帖』もそのひとつだった。東出は過去パートの登場人物ながら主役以上の存在感で作品の中心にどっしり構えていた。「主役」とか「脇役」のような言い方で表される新たなポ
映画『ハウス・オブ・グッチ』のこと
サー・リドリー・スコットにわたしが抱く印象は「おしゃべり大好きおじさん」だ。もちろん「映像の魔術師」であり、だからこそ、いろんな物語をいろんな語り口で見せてくれる楽しい紙芝居屋さん的な印象がある。
今回も「語り」にノリノリで嬉しくなった。べつに小気味のいい音楽で物語をばんばん進めていくわけではなく(それはスコセッシ)、たとえば夜の怪しいパーティーシーンの直後にぽん、と昼の街中のシーンが入り、