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雑記

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2021年9月の記事一覧

静止による笑い

Web会議で誰かの通信が悪くなった時、その人の画面が制止すると面白くて笑ってしまう。

これは本来の人間の自然本性とかけ離れているからだと思われる。ベルクソンは『笑い』の中で、繰り返しの芸が笑いをもたらすと論じている。例えば、昔、ひたすら乳首にドリルされることに対して「ドリルすな」と繰り返し言う芸のお笑い芸人がいた。この面白さは徹底的な繰り返しによる。

この繰り返しがなぜ面白いのかというと、絶え

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歩みのズレ

散歩していると少し先にお父さんと子ども2人が仲良く手を繋いで歩いていた。僕の歩みの方が早く、追い抜かしそうになったのだが、何故か追い抜かせない。3人の姿を少しでも長くこの目に留めておきたいという思いもあったが、そうではない、追い抜かすことが何か一線を超えるような感覚を同時に覚えた。3人が作り出す空間から抜け出してしまうという感覚、あるいはその空間に再び自分が入ることができるのだろうかという疑念。

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購入本ドトン

新宿区でPayPay25%還元キャンペーンをやっていたので、紀伊國屋本店で爆買い。

ざっくり35000円くらい…😅

和歌にハマったので西行と古今和歌集、美学に少し関心が出てきたので小田部先生の『美学』、望月先生訳の『戦争と平和』が完結したのでまとめ買い、などなど。

まぁ、いつ読めることやらという感じではある。笑

散歩コースに潜む悲哀

いつもの散歩コースに、窓に障子がなく外から丸見えのお家がある。そのお家のある一室では、いつもオッチャン一人が酒を飲んだり、テレビを観たり、新聞を読んだりしている。長年住んでいるからか、外から見られることに気を向けていないようだ。

ある日、いつものように部屋の様子を軽く覗いて見ると、奥さんと思しき遺影が置かれているのを見つけた。

それと同時に、あの部屋はオッチャンが気を紛らわせる部屋なのではなく

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罪を犯すこと

同級生が逮捕されたらしい。昔仲良くしていたが、改めてその人の生い立ちや現状を周りの人に聞くと色んな負の要因が重なっただけに過ぎなかった。

たしかに法に触れてしまうのは許されないことだけれども、だからと言って恵まれた環境で悠々自適に暮らしている人間が軽々と断罪していい問題でもない。

連日報道される痛ましい事件に「なんでこんなことをするのか。けしからん!」と言うのは簡単だが、ただただ自分がそういっ

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百人一首44番

逢ふことの たえてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし

百人一首44番の歌である。逢わなければ自分と相手を恨むことはないだろうに、逢ってしまうという人間の弱さ、矛盾を突いている。

ただこういう状況の最中にあっては、そんな人間の弱さすら愛おしく思えてしまう。

こんな面倒を強いる神こそ恨めしい。

俗世におります

ひさびさに会う友人と話すと大体、「俗世から離れた?」聞かれる…💧 そりゃ、和歌、聖書、クラシック、哲学、文学、映画といった、あまり一般的ではない道楽に耽っていれば、そう見られてもおかしくない。

ところで、歌人西行は23歳で出家したらしい。奇しくと今の僕と同年齢で出家を志したらしく、彼の覚悟たるやという感じである。

まだ俗世は離れていない、いや離れられてはいないが、西行に敬服してしまう自分もど

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あの頃の彼

周りの人間が次々と煌々たる光に溶け込んでいく中、彼は自分を飲み込んでゆく暗黒と契りを交わし、ただただ身を委ねた。むしろ、委ねることに愉悦すら感じていた。

そんな時期に出会った人たちは、当時の彼自身を映す鏡であると同時に、光は遍く平等に降り注いでいるという逆説を確信させてくれる。

楽しみな一冊

ついに購入!
ブラームスとクララ・シューマンの約40年間にわたる往復書簡集、『友情の書簡』

装丁も美しいし、内容も楽しみ。

いま新宿区でpaypay25%還元をやっていたので、定価5000円を3700円ほどで購入することができた。

ふぅ、楽しみ。

SNSは無駄?

YouTubeやTwitterなどのSNSに接しているのは時間の無駄という考え方はあるが、それは使い方が良くないのだと思う。むしろ有効に活用できれば、それらはわれわれの卓越した教師となり得る。

YouTubeは今や何かについて知りたいと思えば、専門家やその分野に造詣の深い人々が解説してくれている。しかも無料で。日本語でなければ、英語で調べてみると大抵は網羅されている。

またTwitterも同様

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真実を語ってくれる夢

ワクチン接種2回目を終えた。副作用も特になく、健全な状態なまま眠りにつくと、久々に悪夢が。

思い返せば、僕は風邪を引くときによく悪夢を見る。つまり、健全だと頭で思っていても、どうやら無意識的に体は苦しんでいたみたいだ。

嘘だらけの意識の世界で、夢だけは自分についての真実を正直に語ってくれる。

エリーザベトを追いかけて

昨日、動画フォルダを眺めていたらウィーンの街並みを撮った動画があったので、ついでにするすると当時の記憶を呼び戻してみた。

すると、真っ先に思い浮かんだのが皇帝フランツ・ヨーゼフ2世の妃エリーザベトである。彼女は王宮での縛りのある生活に辟易とし、放浪の旅をするも、旅路で刺殺される。当時、運命の恐ろしさとは縁遠かった僕にとって衝撃的な史実であった。

それから、エリーザベトに縁のある地を点々とし、彼

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複雑な感情

焚かれている火は、酸素が十分通るなどの条件さえ揃っていれば、薪を足してやる限り消えることはない。薪は質さえ整っていればいい。形は何でもいい。さらに言えば、一本あれば忽ち煙が上がる。

しかし、ずっと燃やすためには薪の補充が欠かせない。しかも補充し続けるための資材は有限だ。

この有限の事実を知っておきながら、無限を求め続けてしまう。たとえこの火を消したくとも。

音楽の魔力

某音楽フェスでマスクをせず叫んでいる人がいたことで、主催者に支援金が下りなくなったという趣旨のニュースを見た。その映像を見てみると、たしかにライブ会場はコロナ禍であることを感じさせない無法地帯と化し、マスクをしない人々によって会場は熱気と興奮に包まれていた

人を狂気に駆り立てる音楽の魔力というものをまじまじと見せつけられたし、音楽を愛する僕自身を振り返る契機にもなった。

ここ数日、ブラームスの

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