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雑記

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2020年8月の記事一覧

露骨になった自分の"浅さ"

自分は浅い人間だな...と心底憂いた。

先日、長年弁護士をされており現在は大学教授として研究活動に勤しむ方と会食する機会をいただいた。話題は哲学や教育が主だった。

ただ、「どんな哲学に興味があるか?」と問われ、一応好きな哲学書であるプラトンの『饗宴』を挙げたが、色々突っ込まれる中で閉口してしまった。

広く浅く読んでいるがゆえに、極薄な鎧どころか布を纏っているに過ぎないと痛感。

ここで思った

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陳列は詩!

陳列は詩!

先日倉敷の民芸館でいただいたパンフレットの一節が強く印象に残っている。

「品物は一つ一つが単語である。単語は連なって散文となり、選ばれ整えられて詩となる。陳列は品物による詩である。陳列は一つの美の創造である。倉敷民芸館の陳列は単なる地域別、時代別、用途別の陳列ではなく、選ばれた美しい品物が唱和し、建物のこだまする詩歌である。」

読み終えた後、思わず膝を打った。陳列にこんな思いが込められているな

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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観た感想

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観た感想

京都アニメーション制作のアニメ、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』全13話を視聴した。

簡単に物語を紹介すると、主人公のヴァイオレットは元軍人の女性で感情を持たず、ギルベルトという少佐(上官)の道具として忠実に慕っていた。そんな中、とある戦いでギルベルトは瀕死になり、ヴァイオレットに「愛してる」という言葉を残し、自分だけを戦火に残し彼女を生き長らえさせた。その後ヴァイオレットは「愛してる」の意

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韓国人アーティストを無闇に排斥しようとすることについて

日韓関係から韓国人アーティストを排斥しようとする人はいつの時代にも一定数存在する。先日BTSがFNS歌謡祭に出演することを焦点に、「不適切なTシャツを着ていた人は出演するな」など批判の嵐だった。

かく言う私は長らくkpopが好きで、BTSのライブにも行ったことがある。だからと言ってkpopを贔屓目に見ることは断じてないが、ここで疑問に思うのは批判の対象がアーティスト自身ではなく、その属性であるこ

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NiziUの曲に驚いたこと

最近話題のNiziUの曲を聴いてみた。

すごくキャッチーな曲で一度聴いたら頭から離れないkpop特有の曲調だ。それもそう、TWICEやGOT7、2PMなどが所属するJYPエンターテイメントがプロデュースしている。

ここで注目したいのは、NiziUの曲はkpopの曲調でありつつも、メンバーが全員日本人で構成されているところだ。逆に言えば、韓国人が日本語で歌うように日本人が歌っているということ。不

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憩いの場、古書店

憩いの場、古書店

本が好きになってから古書店に行くことが日課になった。今回はその良い点をいくつか挙げていこうと思う。

相場のバグ街によって多少ながら相場が違う。最近はネットでも簡単に相場を知れる中でも、微細ながらも相場の違いは存在する。または、ネットでも普段行く古書店でも高くて買えない本も、「嘘でしょ!?」と疑う程度に安くなっているケースは少なくない。

そんな時は興奮で舞い上がり、塩付け前提で割安の株を買うよう

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滝は自然のクーラー

滝は自然のクーラー

蒸し暑い中、駿府城公園内にある紅葉山庭園に行ってきた。

小さな庭園なのだが、その中に木々に囲まれたところに小さな滝もどき(?)がある。

そこで一つ思ったのがタイトルの通り、滝は自然のクーラーだと。

この空間に踏み入れると、猛暑が真かと疑うほど涼しい。人工的な冷房で冷え切ったコンビニで感じる涼しさとは違い、自然が生み出す涼しさは筆舌に尽くし難いほど気持ちがいいものだ。

たまにはこんな涼み方も

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モヤモヤすることも大事

先日、コーヒーハウスという名前のカフェに行ってきた。コーヒーハウスとは17世紀頃、主にイギリスで議論する社交場として栄えた喫茶店だ。

そこでは面白いことに「哲学カフェ」と称して定期的に読書会を開いているらしい。

興味を持って店主に話を聞いてみると、元々コーヒーと読書が好きでそれを組み合わせて経営を始めたそう。その中で店主が話していたのはモヤモヤすることの尊さ。

「読書すること=答えを求めるこ

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人工的な風情

人工的な風情

岡山県の後楽園に行ってきた。
8月中は夜も開園しており、ライトアップされた後楽園を楽しめる。

私もそれを楽しみに夜の後楽園を訪れた。ただ、それに違和感を感じざるを得ず、全体的に残念な印象を受けた。

何が残念だったかと言うと、人工的過ぎるが故に風情を全く感じられなかったことだ。やっぱりありのままの庭園を見たかった。(昼に行くのが吉って話だが…笑)

集客のために、話題作りのために″良さげな雰囲気

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色んな見方があって面白い(※閲覧注意)

昨日、姫路城の見学を終え入り口近くの門に着くと真っ黒な虫がいた。最初、「なんでこんな所に黒焦げたセミが?」と思って近づくと、お婆さんが話しかけてきて蛾だと言う。

私は「気持ち悪!」が率直な感想だったが、お婆さんは「すごく綺麗じゃない?」と聞いてきた。私は間髪入れずに「えー、どこが綺麗なんですか?笑」と返したところ、足の模様や頭の模様が綺麗だと言う。

今こうして書いていてもその綺麗さは分かりかね

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ヒトと自然に境界はない

ヒトと自然に境界はない

前回の記事に引き続き、倉敷の大橋家住居で思ったことについて書いていこうと思う。

自然と共存した空間住居内を見学していると、やけに戸が開いていることに気が付いた。最初はクーラーがないから仕方なく開けているのかと思った。

しかし、猛暑の中クーラーがなくても驚くほど涼しい自然の風が舞い込んでくる。管理人さんの話によると、竪穴式住居のように下層部が吹き抜けになっている上、壁の内部が竹(だった記憶...

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一輪の花に込められた想い

一輪の花に込められた想い

偶然見つけた温もり溢れる空間倉敷の大橋家旧邸という場所を見学した時のお話。

大橋家旧邸は、江戸時代に財を成した大地主の邸宅で、重要文化財に指定されている。

私はその存在すらつゆ知らず、倉敷を散策していた。その途上で案内板を見つけ、吸い込まれるように入った。

一歩足を踏み入れると、外界からは画された静寂さに包まれ、おしとやかな雰囲気が広がっていた。
まるで風情漂う倉敷の街に、一人上品に佇む艶か

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生の情報を頼りに観光する

生の情報を頼りに観光する

昨日は岡山県の倉敷を一日観光していた。

まずは初っ端に行く予定の民族資料館を除いてノープランで宿を出た。いざ民族資料館に着くと管理人さんが出迎えて下さった。偶然にも観光客が全くいなかったので、懇切丁寧に館内の解説をしていただいた。

見学を終えてその場を後にしようとすると、管理人さんが倉敷でおすすめの料理を教えてくれた。その名は「返し寿司」というもので、江戸時代に質素倹約を強いられていた状況下で

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自由研究の大切さ

自由研究の大切さ

子どもの天敵小・中学生が一年を通して一番の強敵と感じるのは自由研究ではないだろうか?笑 何でも好きに研究してもいいはずなのだが、アイデアが全く思いつかず、結局夏休み最終日に完成させるのがオチ。

私も大変苦労した記憶がある。ただ、今思い返すと自由研究は重要な能力を育む宿題だったんだなと思う。

なぜ自由研究が大事?自由研究の「問いを立てる→仮説→検証→文章にまとめる」というプロセスが大事なのではな

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