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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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2023年1月の記事一覧

駅伝応援の文脈と誤解

駅伝応援の文脈と誤解

 文脈を読むことと誤解が生じることは表裏一体なんじゃないかと思ったんです。

 何でもかんでもいちいち事細かに説明していたんでは話すのが大変になりますし、聞いてる方も「分かったから、もういいから」となってしまいます。だから人類はどこかの段階で、全部いちいち説明しなくてもそれなりの情報が得られれば理解できるようになる力、すなわち文脈を読む能力を得たんだと思います。

 しかし、話を聞いてる人が話者の

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横浜で工作船と高級浣腸

横浜で工作船と高級浣腸

 昨年末に横浜へ行ったんです。横浜と言えば赤レンガ倉庫か、というひねりに欠けた発想のもと、私は赤レンガ倉庫を訪れたんです。

 いわゆる複合施設というものなのだと思います。様々なお店が連なっているかと思えば、ホールや展示スペースもある。平日の午後だというのに大勢の人で賑わっていた上、暖房が結構効いていましたので、厚着にはなかなかなホットスポットでございました。とりあえずそばにある赤レンガパークのベ

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鼻毛損壊は罪か

鼻毛損壊は罪か

 年齢を重ねると必然的に知識とか知恵がついてきます。それは時に、様々なルールや決まりを知ることにもなります。

 友人と喫茶店で休んでいたんです。すると、友人は私に尋ねました。

「もしお葬式の時、ご遺体から鼻毛が出ていたらカットすべきだろうか」

 「いろいろと何言ってんの」と私は普段のノリでツッコんでしまいましたが、確かにちゃんと考えると結構な難問だと気づいたんです。

 常識的に考えれば、な

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2度目のゾンビ

2度目のゾンビ

 「2度目の死」という考え方があるようです。1度目の死は生物学的な死であり、2度目の死は亡くなった方が人々から忘れ去られた時である、みたいな意味合いで語られます。往々にして前段階で「人は2度死ぬ」なんて言葉が添えられている。軽くネットで調べたところ、永六輔さんの言葉とされていますが、明確な出典にあたったわけではないので、正確な情報かどうかは分かりません。

 死という生き物として避けられない身近な

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ユニバーサル白鯨

ユニバーサル白鯨

 中学校でホームステイの募集があると、当時中学生だった私は母に「絶対に応募しろ」と命じられました。「こんな安く海外に行ける機会なんてまずないから」というのが理由でした。普通は国際経験がどうとか、英語学習がこうとか、もっと教育方面の理由を嘘でも言うのが親のはずなんですが、母はそういう人間ではありませんでした。

 ただホームステイするだけでなくて、その前に軽く観光ができるのも母の目には魅力に映ったよ

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幸運は偏り、そして気づかない

幸運は偏り、そして気づかない

 もともと肌のトラブルが多い体質でした。汗疹は幼少期から悩まされてきましたし、心身に強いストレスを受けると分かりやすく肌に出ます。湿疹で肌が痒くなり、寝てる間に血が出るまで掻いてしまう場合もあります。今は医師の治療を経て、自分なりの予防も確立できているため、肌の状態はかなりマシになっています。

 しかし、大学生の頃は大変でした。男性の身体には街中で見せると間違いなく警察に捕まる部分がありますけれ

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トマソンの誕生を見た

トマソンの誕生を見た

 いつからか「トマソン」という考え方があると知りました。

 ウィキペディアにもいろいろ書かれていますが、要は何らかの理由で全く利用価値がなくなり、ただ存在するだけの建築物を指す言葉のようです。

 上の画像の階段は、もともとはどこかに繋がっていて、ちゃんと階段としての役割を果たしていたに違いありません。しかし、工事や災害など、いくつかの偶然が重なった結果、どういうわけかどことも繋がっていない階段

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走るのをやめる日

走るのをやめる日

 週に数日ペースでジョギングをしているんです。のんびり1時間くらいかけてその辺をダラダラ走っています。割と長くやっている趣味でございまして、もう10年以上は続けています。そこまで続くと「自分はいつジョギングをやめるのだろう」と気になる時があります。

 なんかやる気がなくなって走らなくなるバターンももちろん考えられますが、もうひとつ明確に考えられるパターンは体力の限界でしょう。何しろ年を重ねるとだ

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悪夢に対しても大人の態度へ

悪夢に対しても大人の態度へ

 人は寝れば夢を見ますし、見る夢はなかなか決められない。どうしても悪夢を見る時があります。何しろ夢ですから、もういろんな悪夢を見ます。目の前にジャンボジェットが落ちて大惨事とか、人間をなぎ倒しまくる甲殻類エイリアンに後頭部を掴まれるとか、ひたすら追いかけてくるカミツキガメから逃げてたら転んで首をかまれるとか、印象深い悪夢はいくつもあります。

 しかし、個人的にこういう悪夢はそこまで怖くないんです

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失礼、パンダ

失礼、パンダ

 友人からクイズを出されました。「もし女性が着替えている部屋にウッカリ入ってしまった場合、なんと言って部屋を出たら気が利いているか」。

 わざわざクイズとして出すくらいですから、どうせひっかけがあるんだろうなと思いつつ、「『失礼しました』と言って出る」という何のひねりもない超ストレート解答を投げると案の定、友人は首を振りました。「気の利いたことを言わないと」という、何とも言えないダメ出しもセット

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結果的に死亡説

 何かのきっかけで地元を出て戻らない人もいれば、ずっと地元で暮らし続ける人もいるわけです。私の知人、ここでは清水さんとしておきますが、清水さんは後者でした。生まれてから現在に至るまでの数十年間、ずっと地元で暮らしてきた。

 当然と言うべきか、清水さんは普通に生活しているだけで同級生の近況が結構入ってくるようです。特に清水さんの地元はいわゆる首都圏にあるため、上京という概念がありません。生活圏に東

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入学試験でボーっとする

入学試験でボーっとする

 昔からボーっとする人間でした。理由は分かりません。勝手にそうなるんです。おもちゃで遊んでいても、食事をしていても、手を止めてぼんやりしている子供でした。両親が「またボーっとしてる」と指摘されると、ようやくハッとして手を動かし始める。それでボーっとする癖が直ったかというと生まれつきの性質はそんなに甘くありませんで、ボーっとしながらおもちゃで遊んだり食事をしたりする技術だけが磨かれていったんです。実

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訳が分からない川

訳が分からない川

 私の通っていた中学校のそばには細い川がありました。その川が印象深かったんです。もう訳が分からなさすぎて。

 中学生だった私は毎日のようにその川のそばを通って登校していたわけなんですが、日によって川の色が全然違うんです。抹茶のような色の時もあれば、ピンクの時もありますし、水色の絵具をぶちまけたような感じの時もありました。七色の川と言うにはあまりにもカラフルで、もう誰かが毎日違う入浴剤を川にぶちこ

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著書で癖をさらしていくスタイル

 学校で先生が読めと勧めるから本って大層なものだと思い込んでいましたが、実際にいろいろ読んでみると「なんでわざわざこんなことを書いてんの」という内容のものが結構あるんです。もちろん、ここもまたその一群に入っています。

 さすがにそんなことを書いた本は学校の図書館ではあまり見られないでしょうが、書店でちょっと探せばまあ出てくるんです。家族の誰かが買ってきて本棚に突っ込み、それを別の人が手に取るとい

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