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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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記事一覧

「すみません」の黒船

「すみません」の黒船

 ジャッキー・ロビンソンという野球選手がアメリカにいたんです。

 その昔、有色人種の参加を禁じていたメジャーリーグにおいて、アフリカ系アメリカ人として様々なタイトルや賞を獲得、有色人種のメジャーリーグ参加の道を開いた偉大な選手です。

 その輝かしい実績により、現在ロビンソンの背番号はメジャーリーグ全球団で永久欠番となっています。野球選手の背番号は基本的に使い回しですけれども、それを本人しか使用

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入国審査で一発やられたんです

入国審査で一発やられたんです

 1回だけ海外に行ったことがあるんです。中学生の頃、アメリカの姉妹都市にホームステイしたい人を自治体が募集していたんです。それを知った母が「安く海外に行けるから応募しろ」と私に迫ってきまして、何となく応募したらちゃんと当選してしまい、行く羽目になったんです。

 「羽目になった」と書いてる時点でやる気のなさがうかがえるかと存じますけれども、まさにそうで、語学のスキルを磨く気もなければ、海外の見識を

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コバエの油断

コバエの油断

 暖かくなってくると、虫が湧いてきます。室内でよく見る虫の筆頭はコバエでしょう。どんなに気を付けていても、気づいたら入ってくる。気が向いた時にバシッとやっているんですが、やっぱり何匹かは室内に常駐している状況です。

 さて、私が風呂にお湯を溜めておりますと、浴槽の壁に黒い点が確認できます。お風呂の掃除はしたはずですので、これはホコリではなく、コバエだと認識いたしました。

 もちろん、コバエがい

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日本中をまたにかけてゆかり

日本中をまたにかけてゆかり

 私の通っていた小学校に、とある芸能人も通っていたようなんです。調べてみたら、これが結構な有名人でビックリしました。公式プロフィールにも確かに書いてある。あんな片田舎の、何の特徴もない小学校から有名人が出ているなんて。

 しかし、よくよく見たら、途中で東京に転校してるんです。入学はしたけど卒業はしていない。何なら、出身地は東京都になっています。当然でしょう。人生の半分以上を東京で過ごしているんで

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作曲に関する気まずい思い出

作曲に関する気まずい思い出

 先日、Youtubeでこんな動画を見たんです。

 作曲初心者が作りがちな曲を披露し、その曲のどこが問題かを指摘しつつ直していく動画でございます。

 この動画で最初に披露された、初心者がやりがちな曲を聞いていたら、私、心の奥がキュッと縮み上がりました。と申しますのも、ちょうどそんな感じの曲を聞かされ、感想を聞かれたことがあるんです。しかも3回、それぞれ別の人からです。

 最初に曲を披露してき

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席を譲らない者への報いだと思い込む

席を譲らない者への報いだと思い込む

 友人から聞いた話です。

 友人は路線バスに乗って帰路についていました。時刻は夕方、徐々に弱くなる日差しは赤く、西の空は既に夜が忍び寄っています。

 疲れていたこともあり、友人はウトウトしてしまったそうです。いかんいかん、乗り過ごしてしまう。そう思って目を覚ました友人は、周囲を見て固まったそうです。前も横も後ろも、席という席に袈裟を着たお坊さんが座っていたんです。車内はそこはかとなく線香の香り

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直さないこともある門

直さないこともある門

 人が生まれた瞬間から年を取るように、物だって出来上がった瞬間から古くなっていくんです。どんな大きなものだろうが同様で、家だって完成した瞬間から古くなってゆく。

 私が以前に住んでいた賃貸物件は結構な築年数でございまして、いろんなところにガタが来ていました。もちろん、ボロボロのままにしていては借り手がいなくなってしまいますし、場合によっては住民の生命にかかわる事故に繋がりかねない。ですから、建物

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幽霊はにおうな

幽霊はにおうな

 最近、幽霊のにおいがあるとの主張を耳にしたんです。

 「見える」とか「聞こえる」とか、「触られた気がする」とかだったら怪談で昔から聞いてきましたけれども、においなんです。死者を連想させる線香のにおいは、ごく稀に怪談で耳にした記憶はありますけれども、においメインの怪談は記憶にありません。どうしてでしょうか。

 「幽霊から遠い」というのが原因かもしれません。実際に幽霊が見えれば「あ、幽霊だ」とな

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モスキートハウスに夢中

モスキートハウスに夢中

 耳の状態によって聞こえたり聞こえなかったりする「モスキート音」が世間に知られて久しい今日この頃です。最初は「主に若い人だけが聞こえる音」として紹介され、夜に若者がたむろするのを防ぐ目的で活用されていたとニュースになっていました。

 幸か不幸か、若者が夜な夜なたむろするような場所に行く機会がない私はモスキート音に遭遇することが長らくありませんでした。しかし、最近になってモスキート音を出している家

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柱とは喧嘩しない

柱とは喧嘩しない

 ホームがレスなおじ様たちと言えば、空き缶を拾って稼いでいるイメージがあります。以下の動画では「あんまり拾ってる人はいない」とおっしゃっていますけれども、その昔、実際に空き缶を争って喧嘩をしているところを見て、その印象があまりにも強かったため、なかなか古いイメージが抜けないんです。

 その喧嘩は、都内の大きな駅で目撃しました。片方はホームがレスなのかと思わせるほど古着中の古着を着たおじ様であり、

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占いは時に進化させられる

占いは時に進化させられる

 変化しないもののほうが珍しいんです。生き物はもちろん、無生物だって同様でございまして、大陸でさえ毎日少しずつ動いている。目に見えないものだって、例えば言葉も考え方も変化しまくっているはずなんです。

 でも、人はついつい「変わらない」と思ってしまいがちです。今までも同じだったから、これからも同じなんじゃないかと何となく思ってしまう。そして、いきなり変わってビックリしたりするんです。

 山手線な

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証拠にならない写真

証拠にならない写真

 その日はしっかり昼寝してしまい、次の日も休みとあって、夜更かしをしていました。それだけ夜更かししてもやることは動画を見たりゲームをやったりと、要は暇つぶししかしていません。だったら寝ればいいじゃないか、と私も思うんですけれども、昼寝が相当効いていて、寝る気にならないんです。

 真夜中も過ぎているとあって、隣の住民も上の住民も静かで、外も音らしい音が聞こえません。壁は薄いはずなのに人の気配がしな

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カツアゲが現実を揺るがす

カツアゲが現実を揺るがす

 今でも問題になってると思うんですけど、カツアゲというのがあると思うんです。中高生くらいになると、ちょっと年上の怖い人から「カネくれや」と言われ、お金を巻き上げられる例の犯罪です。

 私も高校生の頃、1回だけ遭遇しました。友人3人と一緒に頭の悪い話を自転車をこぎながら下校をしていたんです。通学路は大きめのチェーン店と住宅地が混ざり合う、車通りの多い道でございまして、地方都市の郊外にありがちな景色

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死後の楽園の死後

死後の楽園の死後

 子供の頃、ゲームにハマっていました。特にRPGが好きで、ドラクエやFFといった有名どころから、知る人ぞ知る名作、クソゲーと隣り合わせゆえにカルト的人気を誇る怪作に至るまで、いろいろ楽しんでいました。

 ゲームをしまくる私を見て、母もRPGに若干の興味を抱いたようです。画面を見ては「今は何をやっているの」と聞いてきたり、母自身も攻略本を買って忙しい中、実際にやってみたりしていました。

 そんな

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