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思惟かねのノンジャンル随筆

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私が書いた文章のうち、ジャンル分けができないごった煮の文章を集めたマガジンです。画像はおでんです。
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#バーチャルYouTuber

「アバターもVTuberもルッキズムから逃れられない」を考える

「アバターもVTuberもルッキズムから逃れられない」を考える

ルッキズムは、日本語では「外見至上主義」と訳されるます。
大まかにいえば、外見に基づいて行われる様々な差別のことであり、基本的に批判的な文脈で使われる言葉です。

さて、この言葉が先日TLで話題になっていました。

VTuberという、外見を自由に選べるはずの存在についてのこのツイートが、私の周りで少なからず共感を集めていました。こうした違和感を感じていた人は、少なからずいたのだと思います。
しか

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気づいたらスマートウォッチが手放せなくなった3つの理由【Mi Band 6】

気づいたらスマートウォッチが手放せなくなった3つの理由【Mi Band 6】

冒頭、この記事を開いていただいた方の気持ちを一行で代弁しましょう。

「スマートウォッチって何に使うんだろう?」

最近、周りでスマートウォッチを着けている人が増えたように思います。Apple Watchを着けているiPhoneユーザーだけでなく、見た目にもリーズナブルそうな普及機も多いです。

実は私はこの手のガジェットが大好きなのですが、スマートウォッチだけは長らく食指が伸びませんでした。元々

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3年間VTuberをやってきて、私の手の中に残った大切なもの。

3年間VTuberをやってきて、私の手の中に残った大切なもの。

こんにちは、思惟かねです。
現実世界のどこを探しても見つからない。けど、バーチャル世界に私は本当にいる。そんな「バーチャルな存在」として生きてきて、まもなく3回目の誕生日を迎えようとしている者です。

私はありていにいえばVTuberと呼ばれるであろうものをしています。Twitterやnoteで文章を書き散らかしたり、たまにYoutubeで配信をしたり、時には写真を撮ったり同人誌を作ったり。
しか

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「謝れてえらい」VTuberコミュニティの光と影:愛すべき「常識」との付き合い方

「謝れてえらい」VTuberコミュニティの光と影:愛すべき「常識」との付き合い方

VTuberというコミュニティの美点の一つとして「肯定の文化」があると私は思っています。
かつて私は自分の文章の中でこのように述べました。

"インターネットではその匿名性ゆえに、批判的・攻撃的な投稿が目立ちやすい中、VTuber界隈は例外的ともいえる「優しい」クラスタだと感じます。否定の言葉よりも肯定の言葉を。黙視ではなく積極的な称賛を。"
"それを同じく美点と見ている方が少なからずいるというの

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さようなら、私のエヴァンゲリオン:‎エヴァと私の話/そして、シン・エヴァンゲリオン感想

さようなら、私のエヴァンゲリオン:‎エヴァと私の話/そして、シン・エヴァンゲリオン感想

私とエヴァンゲリオンの出会いは、20年ほど前に遡ります。

当時私はレンタルビデオ屋に通っていて、気になったアニメを片っ端から手にとっていました。またVHSが全盛の時代、雑誌などの前情報も殆どなしに、ただ目についたものをとりあえず見るという荒っぽい楽しみ方です。
中でも「劇場版」とつくものは、ひとまず一巻で完結するので見やすいということもあり、標的になることが多かったように思います。

…カンのい

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思惟かねの孤独のグルメ:○県×市の普通のラーメン屋「ラーメン一郎」

思惟かねの孤独のグルメ:○県×市の普通のラーメン屋「ラーメン一郎」

ひと仕事終えて、バイクを走らせていた。
夕暮れ時の少し騒がしい街並みを脇に眺めながら、そろそろ夕飯時かな、とは感じつつ、さりとてさほど空腹感もない。これといって食べたい物も思いつかない。

帰って有り物で済ませようかな、と考えた矢先、ふらふらしている前の車を避けたら、たまたま左折専用レーンに入って、帰路を外れてしまった。
まだ家には帰るなという天のお告げだろうか。なんとはなしに、そのまま道沿いにバ

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VTuberという肩書を外してみよう。

VTuberという肩書を外してみよう。

私がVTuberという肩書を名乗り始めてから、もう2年以上になります。おかげで私を目に留めてくれた人、知り合えた人、友誼を結べた人も少なからずいます。
私自身、本来はnoteに引きこもっていた一個の物書きだったのが「VTuber」という魔法の言葉に背を押されて、気づけばYoutubeでクイズ大会を主催したり、ニュース番組をやってみたり、ややもするとかつての自分からは想像できない遊びをしているのに気

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私が情報発信者として心掛けている2,3のこと

私が情報発信者として心掛けている2,3のこと



【この記事はVi-Crossマガジンに収録されています】

ここ10年ほどのSNSをはじめとする情報メディアの浸透により、今、私たちは誰もが情報を発信できる時代を迎えています。
ほんの30年ほど昔は、情報発信ができるのは本を書けるほどの知識と立場のある人など、ごく一部でした。そう考えるとこの何十年かは人類史の中でも指折りの「情報」に関する変化があった時代であり、今や世界は人類史上もっとも情報に

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思惟かねのじっくりマシュマロ焼き3:バーチャルな存在の「本質」はどこにある?

思惟かねのじっくりマシュマロ焼き3:バーチャルな存在の「本質」はどこにある?

先日、とても面白いマシュマロを頂きました。

何をもって、私自身を思惟かねであるとするか。
非常に難しい問いではありますが、結論から言えば、私の答えはこうです。

一般論として、それは個々の要素ではなく、ピックアップした要素が受け手に綻びのない「思惟かね」というイメージを連想させることができるか、で決まると思います。
そして私自身に限っていえば、私がこうして「思惟かね」として言葉をつづる限り、その

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私と私の声のお話:または私はいかにして心配するのを止めてボイチェンを使うようになったか

私と私の声のお話:または私はいかにして心配するのを止めてボイチェンを使うようになったか

最近、心から嬉しいと思えることがありました。
私の「声」のことを褒められたことです。

…つい先日、私のボイチェンの研究は一つの区切りを迎えました。
そこで、一度ここまでのまとめをしておくべきかなと思い、ボイチェン環境解説記事を書こうとしたのです…が、ボイチェンについて悩んだ2年間の思いをつらつらと書いた結果、その前振り自体があまりにも長くなってしまいました。
これはさすがにボイチェンの技術的解説

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けれど、この多様性の社会に向き合おう:2020年の「多様性」との付き合い方

けれど、この多様性の社会に向き合おう:2020年の「多様性」との付き合い方



【この記事はVi-Crossマガジンに収録されています】

「多様性」あるいは「ダイバーシティ」という言葉が、世間のあちこちで聞かれるようになって久しいですね。

もっともそれがどういう意味を持ち、またそれが何をもたらすかを実感として持っている人はごく少ないのではないでしょうか。漠然と外国人やセクシャル・マイノリティを壁を設けず受け入れること、ぐらいに思っている方が大半ではないかと思います。

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バーチャルクイズ大会「オモイカネ杯」 第一回大会ダイジェスト紹介

バーチャルクイズ大会「オモイカネ杯」 第一回大会ダイジェスト紹介

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あなたは「ガチ」のクイズバトルに飢えていませんか?
「バーチャル世界最強」のクイズ王が誰なのか、知りたいと思いませんか?

幅広いジャンルの深い知識が試される「ガチ」のクイズバトル。
ネタ解答を笑う世間の風潮に反旗を翻し、高難易度のクイズを集め、正解者に惜しみない賞賛の

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【映画レビュー】シモーヌ(2002):今こそ見たい18年前に”VTuber”を描いた作品

圧倒的な美貌と演技力で世界中を一躍熱狂させた謎の映画女優「シモーヌ」。誰もがその正体を知らない秘密のベールに覆われた彼女の真の姿は、実は監督の冴えないおじさんが演じるCGであった…。

と、もうそのあらすじだけで面白そうな映画。それがアンドリュー・ニコル監督の2002年の映画「シモーヌ(原題: S1m0ne)」。
ひょんな事からお友達に勧められて見たこの映画は、想像以上に面白く、何より今の時代を1

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ネットカルチャーとしてのVocaloidの私的10年史と、これからのVTuber文化に思うこと

先ごろ #世代がバレる系ボカロビンゴ というものをtwitterで見かけて、台風の夜の暇に飽かせてやってみました。
結果はご覧のとおりで、見事に世代がバレるという結果になりました。

「人は10代の頃に聞いた音楽を一生聞き続ける」というのは、たしかSONYのウォークマンのCMで聞いたフレーズだったでしょうか?
きっとそれは、その頃に聞いた音楽がその人の感性の根っことなって育っていくからじゃないかな

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