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医療情報

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2020年12月の記事一覧

カルシウムサプリで冠動脈石灰化?

カルシウムサプリで冠動脈石灰化?

カルシウムサプリメントは、骨に関する疾患の予防や治療のために使用されています。

しかし冠動脈や心血管疾患リスクへの効果は十分に解明されていません。

冠動脈プラークの石灰化は、プラークを不安定化・脆弱化させたり、プラークを進展につながります。

これまでの研究でカルシウムサプリメントを1400mg/day摂取した方は600~1000mg/day摂取した方と比べて、心血管疾患のリスクが増加したこと

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食物繊維で死亡率低下 【最高の体調】で紹介

食物繊維で死亡率低下 【最高の体調】で紹介

最大のパフォーマンスを引き出すための本

本屋やAmazon・楽天などのECサイトでこの本見ませんか?

病気ではないのに日々の不調や不満を感じることはありませんか?

うつ、肥満、散漫な集中力、疲労、モチベーション低下、不眠など現代人に特有な不調がありますが、まったくどれにも当てはまらない人はいますでしょうか?

この本はそういった問題を解決するためのもので、
・自己啓発本
・ビジネス書
・心理

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地中海食で心血管イベントを予防

地中海食で心血管イベントを予防

伝統的な地中海式食生活は、オリーブオイル、果物、ナッツ類、野菜、穀物を多く摂取し、乳製品、赤身肉、加工肉、菓子類の少ない摂取、そして適度にワインを食事と一緒に摂取することを特徴としています。

これまでに観察研究や2次予防を評価するための研究で、地中海式食生活は心血管イベントに関して有益であることが示されています。

この研究では、この食事パターンと心血管イベントの1次予防の関連を評価するためラン

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季節ごとの冠動脈プラーク性状

季節ごとの冠動脈プラーク性状

冬にplaque ruptureが多く、夏にplaque erosionが多い

詳細な機序は不明ですが、急性冠症候群はその発症に季節性の変化を経験します。

冬に急性冠症候群の発症および死亡率が高いことが多くの研究で報告されていますが、一方で暑さもまた急性冠症候群のリスクを増加させることも報告されています。

季節性の変化は大気圧や風速、日照時間などの複雑な交絡があるかもしれませんが、ほとんどの

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心膜炎再発をIL-1阻害薬が低減

心膜炎再発をIL-1阻害薬が低減

インターロイキン-1 (IL-1)は再発性心膜炎に関与していることが指摘されています。

IL-1αおよびIL-1βサイトカイントラップであるrilonaceptの有効性と安全性が、第Ⅲ相試験で検討されました。

 

方法この研究は多施設二重盲検無作為化試験で、オーストラリア、イスラエル、イタリア、アメリカからの患者が参加しました。

NSAIDs、コルヒチン、ステロイドで治療したにも関わらず、

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食事による心臓病リスク

食事による心臓病リスク

魚食、ベジタリアンで心血管疾患リスク低下

心血管疾患による死亡は全死亡の中で高い割合を占めます。

心血管疾患予防のために食事療法が推奨されています。

健康上の利点だけでなく、動物・環境保護のためにベジタリアンやビーガンになる方もいます。

ベジタリアン食やビーガン食の動脈硬化性疾患への効果は一定していません。

そこで大規模なプロスペクティブ研究が必要となります。

この研究ではUK Bio

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心房細動早期アブレーションの有用性

心房細動早期アブレーションの有用性

ガイドラインでは、心房細動のカテーテルアブレーションは薬物抵抗性、有症候性の患者がよい適応とされます。

しかし、洞調律の維持には第一選択のアブレーションの方が効果的な場合があり、実際に早期にアブレーションを行うようになってきています。

有症状の未治療の心房細動患者を対象に、初期リズムコントロール目的にEarly Aggressive Invasive Intervention for Atri

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果物・野菜が冠動脈疾患リスク低下

果物・野菜が冠動脈疾患リスク低下

果物や野菜の摂取が冠動脈疾患リスク低下

冠動脈疾患は先進国および開発途上国のいずれにおいても重要な疾患であり、予防が必要です。

冠動脈疾患の主な原因として不適切な食事があります。

食品の内、果物や野菜は総カロリーを大幅に増加することなく、微量栄養素や食物繊維を多く補給することができ注目が高されています。

これまでに観察研究で果物や野菜の摂取と冠動脈疾患との関連性が報告されています。

しか

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タバコと心臓病: まだ禁煙してないの?

タバコと心臓病: まだ禁煙してないの?

喫煙と心血管疾患による死亡率との関連性が確認

喫煙は冠動脈疾患の危険因子として確立しています。

もはや常識となっていますが、ここで改めて日本でのエビデンスを確認したいと思います。

この研究では、日本人男女約95,000人を対象とし、10年間のコホート研究で、喫煙状況および禁煙後の時間と心血管疾患による死亡率との関連を評価しました。

 

方法調査は1988~1990年に開始され、日本全国の

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#英語診療ワンポイントをカルテ形式でまとめてみた

#英語診療ワンポイントをカルテ形式でまとめてみた

#英語診療ワンポイント  

@NicholasRennick 先生の英語診療ワンポイントまとめがTwitterで話題になっています。
https://twitter.com/NicholasRennick?s=20

 大変勉強になりました。

今後はこれをもとに診療してみようと思います。

@NicholasRennick 先生のTweetをカルテ形式にまとめてみました。

 

【現病歴】
H

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スタチンが副鼻腔炎を減少

スタチンが副鼻腔炎を減少

スタチンは一般的に血清コレステロールを低下させるために使用されますが、抗炎症作用も期待されています。

興味深いことに以前のcross-sectional studyではスタチンは成人の慢性副鼻腔炎を減らしたとことが報告されました。

この研究ではcase-control studyでスタチンの慢性鼻副鼻腔炎への効果を明らかにすることを目的としました。

 

方法この研究はretrospecti

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便秘と心臓病

便秘と心臓病

便秘は多くの方が経験する症状かと思います。

排便時に心イベントを発症・増悪する患者さんを経験しますが、便秘と心血管疾患とに関連する研究は多くありません。

便秘の有病率の高さを鑑みると、心血管疾患との関連を明らかにすることは重要です。

この研究では便秘と診断されたコホートで、心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症、心房細動または心房粗動、心不全のリスクを一般集団コホートと比較して評価し

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ECMO使用心原性ショックへの左室アンロード

ECMO使用心原性ショックへの左室アンロード

心原性ショックは50%と死亡率と関連します。

VA-ECMOの使用は増えていますが、VA-ECMOはその特性上、左室負荷を増加し心筋の回復を遅らせ、生存率を増悪させる可能性があります。

Impella(Abiomed)は左室腔内に留置し、左室負荷を低減するデバイスです。

この研究はVA-ECMOで治療された心原性ショック患者において、Impella to VA-ECMO(ECMELLA)によ

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ビタミンCと心臓病

ビタミンCと心臓病

抗酸化作用というメカニズムがあるにもかかわらず、ビタミンCの心血管イベント抑制における明確なエビデンスは確立されていません。

この研究では、女性におけるビタミンC摂取量と冠動脈疾患のリスクとの関連を検討しました。

 

方法1980年に85118人の女性看護師を対象に、ビタミンCおよびその他の栄養素の摂取量を評価するため、詳細な食事調査を行いました。

看護師を16年間追跡調査し、冠動脈疾患の

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