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読書・講演記録

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2024年1月の記事一覧

名残惜しさを押し殺して帰る子供たちの姿に「いきの構造」の一端を垣間見た

名残惜しさを押し殺して帰る子供たちの姿に「いきの構造」の一端を垣間見た

「いき」とは男女の異性関係において見出される構造であり、その構造について「媚態」「意気地」「諦め」のプロセスを通じて「色気」の正体を語ったのが明治から昭和の時代を生きた高等遊民・九鬼周造の著作"「いき」の構造"である。

稚拙な説明を容赦いただきたいが、「媚態」とは好きな異性に近づき好意を示すこと、「意気地」とはもっと好きな異性に近づきたいけれど強がって近づかないツンデレになること、「諦め」とは好

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証券アナリストジャーナル読後メモ:AIと資産運用

証券アナリストジャーナル読後メモ:AIと資産運用

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証券アナリストジャーナルを2010年頃からずっと購読している。著名な学者そして経営者の貴重な講演や論文を閲覧できることができ、大変勉強になっている。年会費18,000円は維持コストとして高い、という声も周囲でよく聞くが、月

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証券アナリストジャーナル読後メモ:機械学習とは何か?

証券アナリストジャーナル読後メモ:機械学習とは何か?

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証券アナリストジャーナル読後メモ:本邦資産運用業界発展の方向性by菅野暁

証券アナリストジャーナル読後メモ:本邦資産運用業界発展の方向性by菅野暁

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証券アナリストジャーナル読後メモ:金融デジタライゼーションの進展に伴う制度整備by 中島淳一

証券アナリストジャーナル読後メモ:金融デジタライゼーションの進展に伴う制度整備by 中島淳一

https://www.saa.or.jp/dc/sale/apps/journal/JournalShowDetail.do?goDownload=&itmNo=36914

証券アナリストジャーナルを2010年頃からずっと購読している。著名な学者そして経営者の貴重な講演や論文を閲覧できることができ、大変勉強になっている。年会費18,000円は維持コストとして高い、という声も周囲でよく聞くが、月

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「ニュータイプの時代」を読んで感じた自分の日常に対する違和感

「ニュータイプの時代」を読んで感じた自分の日常に対する違和感

2019年4月に出版されたニュータイプの時代を今更ながら読んだ後、自分の職場の周りに21世紀型のニュータイプがいるかどうか思いを巡らせたが、自分も含めて一人もいなかったことに驚愕した。

オールドタイプは顕在化している課題について対処する一方、ニュータイプはそもそもの課題を発見する。

オールドタイプは論理性を皆と同じ正解を探すが、ニュータイプはありたい姿を構想しながら未来を創り出す。

オールド

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親鸞の歎異抄を読んで現代に生まれて良かったと感じる

親鸞の歎異抄を読んで現代に生まれて良かったと感じる

「南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ)と唱えれば善人・悪人に関わらず誰でも極楽浄土に行ける」「ただし極楽に行けるかどうかは仏次第。自分自身で決められることではない」という簡易で明快な思想の下、鎌倉中期以降に浄土真宗を急速に読に広めた親鸞。

当時は現世で生きることが辛く、せめて死後の世界が良いものであるようにと望む者が多かったからこそ普及したのだろう。

現代でも死後の世界について信じる者はいるものの、

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福翁自伝(福沢諭吉著、現代語訳)を読んだ

福翁自伝(福沢諭吉著、現代語訳)を読んだ

日本国紙幣のうち最も高額である一万円札の顔である福沢諭吉。この度一万円札の顔が渋沢栄一に変わることに伴い、福沢諭吉の著作である「福翁自伝(現代語訳)」を読んでみて、改めてどんな人物であったのかを自伝を通して探ってみた。

佐賀県唐津市というやや閉鎖的で封建的な社会の中で生まれ育った諭吉は、神社の御神体の石を他の路傍の石と交換し、神の罰当たりは存在しないと確証した少年時代を送った。その後は酒に浸りま

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証券アナリストジャーナル読後メモ:M&Aと日本企業の成長ークロスボーダーM&Aを中心にしてーby 宮島英昭

証券アナリストジャーナル読後メモ:M&Aと日本企業の成長ークロスボーダーM&Aを中心にしてーby 宮島英昭

https://www.saa.or.jp/dc/sale/apps/journal/JournalShowDetail.do?goDownload=&itmNo=35266

証券アナリストジャーナルを2010年頃からずっと購読している。著名な学者そして経営者の貴重な講演や論文を閲覧できることができ、大変勉強になっている。年会費18,000円は維持コストとして高い、という声も周囲でよく聞くが、月

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「死人は無敵だ」論と坂口安吾の「堕落論」から見る、「27クラブ」「ダブリンの市民」そして「春琴抄」について

「死人は無敵だ」論と坂口安吾の「堕落論」から見る、「27クラブ」「ダブリンの市民」そして「春琴抄」について

1.「死人に口無し」の別の意味について

(かなり古い漫画の話題で恐れ入ります)高橋留美子作の漫画「めぞん一刻」の序盤で、主人公の五代裕作がこんな独白を行ったシーンがあった。

アパートの管理人、音無響子に一目惚れをした五代裕作。自分の最大の恋敵は現在生きている者ではなく、故人である音無惣一郎氏であったことを知った時の独白である。

音無惣一郎氏が生きていれば、音無響子が一緒に生活をするにつれ嫌な

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インデックス投資は勝者のゲーム

インデックス投資は勝者のゲーム

1975年にバンガードグループを創設したインデックス投資の父、ジョン・C・ボーグルの著作。新NISAも開始された2024年初頭に改めて読み返しておきたい本とのことで、以下簡単に内容を要約してみた。

長期的に見れば、インデックス投資こそが勝者のゲームであることは過去の米国株式相場を見ても明らかだが、それを始めるタイミングについても気になるところ。2024年初の現在、どうしても割高感が否めず、分散投

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証券アナリストジャーナル読後メモ:資本主義から志本主義へby 名和高司

証券アナリストジャーナル読後メモ:資本主義から志本主義へby 名和高司

証券アナリストジャーナルを2010年頃からずっと購読している。今回とりあげる名和高司氏を始め、著名な学者そして経営者の貴重な講演や論文を閲覧できることができ、大変勉強になっている。年会費18,000円は維持コストとして高い、という声も周囲でよく聞くが、月にならせば月額1,500円である。月一回の外食をやめればいい程度のコストで、この水準の論文や講演が読めるのは圧倒的にコストパフォーマンスが良い、と

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