新規事業の失敗パターンTop3 ~成功確率を上げる注目ポイントとは?~
私の本業は新規事業の短期立ち上げ支援。新商品・新サービスの開発だけでなく、今までとは違ったアプローチでの事業展開や、まったく異業種への新規参入など、色々なケースがあります。
今までやったことのない新たなチャレンジでは、思わぬ落とし穴にハマることも。こんなハズでは?とモヤモヤ、イライラする社長さんは多いのです。
失敗にはパターンがある。パターンを知っていれば回避できそうですが、知っているのと、出来るは違う。考えればわかることも、その場面になると、ついムキになってムダな努力をしてしまうのもよくあるパターン。
検索すれば沢山出てきますが、情報が多すぎて本質が見えにくい。そこで、活用しやすいように、簡単に3パターンに整理してみました。
2時間の有料セミナーの内容から、骨子を抜粋してご紹介します。
失敗パターン1「考えなさすぎ」
仮説検証
新規事業の基本は、仮説検証です。何か思いついた、グッドアイデア!と盛り上がるのはいいのですが、その時点ではあくまでも「仮説」。本当にそうなのか「検証」することが必須です。「どうやったら検証できるか?」 仮説検証の方法を考える習慣が重要です。
顧客理解
仮説を立てたら、実際にお客さんのところへ行って聞いてみる。
あれこれインタビューしてみたり、お客さんの行動をじっと観察することもあります。
顧客理解と言いますが、お客さんの本音を徹底的に掘り下げる作業。
お客さんの本音、インサイトを探る活動です。
物理の実験みたいに、確実な結果や、定量的な分析は難しいので、最後は洞察して結論を出すことが多い。自分たちで考えて納得するしかない。たぶん大丈夫そう、という自分たちなりのロジックを組み立てます。
小さくテスト
顧客理解、仮設検証のシナリオができたら、小さくテストしてみます。
「小さく」というのがポイント。大規模なテストをやると、時間も費用もかかりすぎ。
小さく、小さく、最初は1日でできる範囲に留めて、毎日振り返りするくらいがちょうどいい。
○○したら□□の結果が得られるかな? という仮説を立てて、
実際にテストしたら、すぐに振り返り。
仮説通りか、差異はなにか、その要因は?と検証します。
テストは1回で終わらない。無数にやり続ける、と覚悟を決めましょう。
仮説検証が好きな人、嫌いな(面倒な)人、タイプが分かれるので、協力し合ってできるといいですね。
失敗パターン2「考えすぎ」
失敗パターン1の「考えなさすぎ」と真逆ですが、「考えすぎ」で失敗するケースもとても多い。
何がダメかと言うと、行動が遅くなる。
新規事業は、スピードが命!
遅くなると修正が難しくなる、手遅れになる、など致命的な問題につながりかねない。
なぜ遅くなるのか、考えて、遅くなる原因を取り除く。
ストレスフリーで動ける仕組み、スピードを加速する仕組みを考えましょう。
完璧主義
こんなのじゃダメだ。とアイデア段階のものを、他人に見せるのが恥ずかしいと思ってしまう。もっときちんと整理してから見せよう、などと考えていると、時間が膨大にかかってしまいます。
小さくテストすることを忘れている
そもそも、小さくテストすることが重要なので、完璧である必要など全くありません。むしろ、問題を早く見つけるためにテストする。最初は知り合いに見せて意見を聞く、というあたりから始めるのもあり。
気軽に失敗できて、建設的なフィードバックがもらえる仲間がいれば、心強いですね。
失敗パターン3「チームづくりが下手」
新規事業は必ずチームでやるもの。
最初は一人のアイデアでも、実際に動かすには一人ではムリ。と考えた方がいいです。
チームメンバーがバラバラだったり、足の引っ張り合いをしていたら、絶対成功はない。
アイデア重視で動き始めて、チームづくりがおろそかになり、空中分解するプロジェクトは実に多いのです。人(チームメンバー)がいなければ、事業は進まないし、成功もない。
人が基本というのは、すべての事業に言えることです。
いいチームの3要素
一体感が感じられる、いいチームは、以下の3つ要素を持っています。
最終ゴールを達成したい! という目的を共有している(共通目的への理解、納得)
自分にできることがあると、ある種の自信を持っていること(貢献意欲)
気兼ねなく、何でも言える関係であること(いいコミュニケーション)
簡単ではないけど、事業成功のための必須要素です。
一人起業の場合でも、外部パートナーを複数持っておいた方が、成功確率は格段に上がる。資金ネックの場合は、お金を使わず、パートナー、仲間を集めることになります。
メンバー選定
そして、チームメンバーの選択は、新規事業の成否を分けるといっても過言ではない。
誰とやるか、なぜこの人なのか?
各メンバーの役割と期待を言葉にして、共有しておきましょう。
人は期待されると、頑張っちゃう。
役割が明確になると、自由に動ける。
初期段階では役割分担ではなく、役割がオーバーラップしているくらいがいい。モレ抜けなく、むしろ助け合う、カッコよく言えば共創。
テストするときも、1人で見るより、3人で見た方が、絶対モレが少ない。
多様性とマネジメント
多様性を楽しむ。多様だから、ときどき揉めることもあるけど、それはご愛敬。
スピード加速とモレのない仮説検証には、チームの力が絶大な効果を発揮します。
事業が大きくなるにつれて、チームメンバーも増えてくる。
いいチームのつくり方、増えるチームメンバーのマネジメントには、色々コツがあるので、また別の機会に。
失敗パターンを避ける努力が、成功確率を上げる
ちゃんと考えて(仮説検証、小さくテストしながら)、
でも、考えすぎず(スピードは加速ぎみで)、
いいチーム、を押さえていれば、なんとかなる。
考えるべき重要なポイントにフォーカスする。
何が重要かは、知っている人に聞くのが一番。
あなたは、成功のために重要なポイントとを整理できていますか?
この記事を書いたのは、
もうそうビズ企画 代表 川原茂樹
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