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何度も読みたい

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また読みたいな、素敵だなと思った記事をしまっておく宝箱です。 無言でマガジン追加失礼します。
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記事一覧

喜劇性の駆くる花野

麗花の湛ふ春野原
駆くるは君が夢心地
殺すも君が夢心地。

彼は、何と知れぬ花野を駆けていた。花は仄かに薫り、その名もない極彩は絶えず前方から足元を流れて後方へと消えてゆく。浮かびたる雲の輪郭は明瞭としていて、しかし何故か朧げな雰囲気も孕んでいた。駆ける足の鳴らす大地の音と荒い呼吸音と春風の声が空気に拡散しているばかりで、この地平線を臨む平原は静寂に支配されていた。…

彼は何故自分は駆けているの

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吃音に勝ちたい

僕は今、吃音に負けている。今までも吃音とはずっと戦っているが、勝ったり負けたりを繰り返している。特に大学生の時は吃音が倒せるわけがない強い敵だと感じていた。自分の人生を前に進めるため、自分が成長するために、アルバイト、就活、社会人生活での自分なりの努力を経て、その敵を完全に倒したと思っていたが、28歳になった今、また大学生当時と同じくらい吃音という敵が手強くなっている。でも、またいつの日か吃音に勝

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うつ=メンテナンスのお知らせ。アップデートのお知らせ。



「ちょうどいい」を考える。

今日の朝の話だ。

ゆっくりシャワーを浴びて、音楽を聴きながら大学に行き、大学のコンビニで飲むヨーグルトを買って15分遅刻して一限に出た。

飲むヨーグルトをセルフレジに通している時、僕は思った。

「ちょうどいいなぁ」

こんにちは、もどろいです。

今授業を聴きながら、飲むヨーグルトを飲みながらこの記事を書いてます。

ちょうどいいラインってありますよね。今日はそのラインを考えてみようと思いま

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はい~~~~ここからは私の世界

はい~~~~ここからは私の世界

私の世界なんすよ、口出し無用。おっぱいワンダー具現化待ったなし。ビリっと空気をひりひり。輪郭をでっかくでっかく引っ張って、ババアも私っつーことで。バカつえー度の眼鏡でぎゅいーーーんってぎゅいーーーんってしちゃおね。見えなくしちゃおね。見えるようにしちゃおね。苦しさの最適化。

なんだか君ってやつはぱそこんみたいだな。パソコンだったらよかったのにな。なんだかあったかすぎる気がするよ。そんなのは君に求

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みたにサイトマップ。宝の地図です()

みたにサイトマップ。宝の地図です()

1週間連続投稿を、オレはする!と要らぬ宣言をしたくせに4日目で挫折しまして私の今までの人生の縮図だなぁ〜なんてセルフ自虐しながら(腹痛が痛いみたいになってる)、そういえばサイトマップをつくってみようと思いました。(逃)

改めて自己紹介を書くのは恥ずかしいから、私の記事たちを読んで自己紹介ということにしてくれと思うタイプです。

1記事はだいたい2,000字〜3,000字のエッセイっぽいものが主で

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「やめる」ことが苦手

「やめる」ことが苦手

私はこれまでの人生で
何かを途中でやめたことがない。

基本的に「卒業」とか「引退」みたいな
タイミングまではやめない。

大嫌いなサッカーは
高校で引退するまでの13年間。

好きでも嫌いでもなかった合気道は
小学校卒業までの6年間。

小中学部の塾は
小5から通い始めて、中学卒業までの5年間。

高校入学時に入った塾も
「自分に合わないな」と思いつつ3年間。

バイトも3つ経験しているが
現時

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世界はグレーで溢れてる

世界はグレーで溢れてる

この世界は白黒ハッキリつかないものばかりだと思う。
何かに対する好きって感情も、所々で見え隠れする不満に、見て見ぬフリをして取り繕っているものだったりする。
自分の中では絶対的に正義であるものが、時・場合・環境・人によっては絶対的な悪だったりする。
誰かにとって憂鬱な雨でも、誰かにとっては祝福だったりする。
一見ものすごく可愛く見える動物も、本当は凶暴な捕食者だったりする。
昨日正解だったものが、

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幸福は自作自演

幸福は自作自演

今日机を整理していると、奥の方に、折り畳まれたメモ用紙があった。
恋文でももらったかなと開いてみると、それはおよそ一年前の自分が、あるツイートを見て、それについて思ったことを書き殴ったものだった。
それを読んで、色々と思うことがあった。
そのメモをみなさんに共有したいと思う。
以下が本文だ。

『幸福は自作自演』昨日、成田教授がTwitterで「幸福は自作自演」と呟いていた。個人的にとても刺さる表

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娘は、あの日の私の涙を流している。

娘は、あの日の私の涙を流している。

「もっとすごいって言ってほしかった」
「褒めてほしかった」
「できるとこ見ててほしかった」

そんな言葉が多く出てくるようになった娘。
毎日元気に生きててくれるだけですごいよ嬉しいよ、と声をかけてるがまだ足りないよう…難しい。
「みんなにかわいいって言われたいから」という理由で服を選んでみたり。悪いことじゃない。わかってる。それが出発点で良いのだとは思う。
ただ、承認欲求だけ高く自己肯定感の低い人

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心に付けるトリアージ

心に付けるトリアージ

死にたい人たちの声を全てキャッチするのは難しい。
災害時、怪我人を全て助けられないのと同じくらいに。

自殺志願者たちにトリアージはできない。
客観的なバイタルの数値、所見、症状と、主観的な訴えまでも総合的に捉えて看護師や医師が判断すること。
心の痛みを数値化するのは難しい。
変動の激しい精神の病で「この人やばいから即手当てを!」なんていうのは無理がある。(保護室が人口の数だけあり、スタッフ数や人

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好きな自分を殺さないために

情景の温もりは浸っていたくなる。
肩まで浸かったぬるま湯のように、少し立ち上がっては直ぐに外の寒さに驚いて体を沈めたくなってしまう。
実家に帰る電車で田んぼが増えてくると、どこか安心している自分がいる。
窓の外を見れば、開けた視界と都会より高く感じる青空、きっと建物の背がすべて低いせいだろう。
田んぼ道の用水路なんかには子供がいて、もしかしたら過去の自分もいるんじゃないかと思い、どこかで探している

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感情だけで何かを救って見せろ

裏表のない花びら

花を愛でている友人になぜ花が好きなのかを聞いたことがある。友人は花瓶に飾られた花の枯れた部分をむしりながら答えた。
「花びらは裏表どっちを見てもかわいくて綺麗だろ」
友人はそれを言っただけで答えた気になっていたが、その言い方は何かしらの含みがあるようだった。
「なら、裏表があるものってなに?」
友人は声を低くして答える。
「人間。」
「人間。」と僕が繰り返すと、友人は続けて、
「人なんて身体的に

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