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子育て卒業を機に、大学の通信教育部で再び心理学を学び直しました。 〜心理学をもっと身近…

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子育て卒業を機に、大学の通信教育部で再び心理学を学び直しました。 〜心理学をもっと身近に〜 そんな視点から、日常と心理学に関連したことを色々書いていきたいと思います。 仲良くしていただけると嬉しいです☺️

記事一覧

目論見は泡の如し

私が生まれ育った駅のすぐ側に大きなビール工場が聳え立っていた。 毎日のように見ていた 太陽の下に波の絵の赤いロゴ。今でも目に焼き付いている。 ビール好きの父は瓶の…

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3日前
133

夏に見えた 幻日

貴女が逝った知らせを聞いたのは ちょうど1年前 陽炎から思わず視線を逸らした空に 舞い上がる天女のような雲を見た とてもしなやかな人だった 強さと儚さを持ち合わせた…

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6日前
153

クオリティ・オブ・ライフを手に入れる

発達心理学と聞くと、胎児期・乳児期〜成人期に 向かい成長する心理ととらえがちですが、 実際には、成人期、老年期という単純に上に伸びていくとはいえない時期を含め、 …

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10日前
191

紙の絵本の大切さ

″愛着 ″の安定性が 子どもの感情や 適切な理解といった心の発達に大きく関わっています。 生後6ヵ月頃の乳児期に「人見知り」が見られるようになりますが、これは養育者…

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2週間前
212

繊月の街

子どもの頃、 「いつか東京に住むかもしれない」  と思っていたことを最近ふと思い出した。 noteで記事を書くようになってからのことだ。          ⚪︎ ⚪…

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2週間前
265

非日常の感情を

2024パリ五輪が開催されています。 予想を覆す勝利、悔し涙‥‥ 連日、たくさんの感動をもらっています。 このようなことが明らかになっています。 スポーツには その瞬…

mana
3週間前
197

未来のためにできる最小単位のこと

2007年、日本は世界で最初の超高齢社会になった。約4人に1人が65歳以上ということになる。 平均寿命が80歳を超える現在、人生を登山に準えたとしたらピークは40歳。山を下…

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4週間前
240

選択のとき

リクルートスーツ姿で家の中を闊歩し、次のオンライン面接に備えて軽い昼食をとる。 大学4年生の息子の就活はコロナ禍の真っ只中だった。 生きてきた中で例を見ないパンデ…

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1か月前
270

不幸の保険

『小さな大人だった私へ』の記事にも書きましたが、私は昔「不幸の先取り」ということをしていました。 喜ばしい出来事があっても、その後にそれを帳消しにしてしまうよう…

mana
1か月前
181

受け止める姿勢

自身を振り返ってみても思春期は「疾風怒濤」。 心の中に嵐が吹き荒れていた、そんな時代だったと思います。 親としてはどのように向き合えば良いでしょうか? 思春期の…

mana
1か月前
193

薄明のとき

成長する過程で、人は誰しも 凪 のような感覚を味わうと感じます。 それは空虚な時間かもしれません。 孤独を感じるかもしれません。 世界に1人、取り残されたような感覚…

mana
1か月前
174

たくさんコングラボードいただきました🏆
私の記事を読みにきてくださる皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです🥹
自分の思いを表現することは私にとってとても勇気のいること。noteに出会えて本当に良かったです。
これからもコツコツ書いていきたいと思います。ありがとうございました😊

mana
1か月前
125

コモンセンスの置きどころ

昔、自己受容 というものを勘違いしていました。 このような自分でいることが素晴らしく、その理想に近づくことが自己受容 につながると思っていました。 ある時、この思…

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1か月前
132

耳を澄ましてみる

例年に増して蒸し暑い梅雨。 曇りや雨、湿度といったすっきりしない気候は、私たちの心にも大きな影響を与えます。 今回は、「悩みのタネのトリセツ」記事の続編をお話し…

mana
1か月前
154

何歳で他人の心を理解できる?

この 【心の理論】     いったい何歳で獲得するのでしょうか? 『サリーとアンの課題』 という 心の理論研究で有名な誤信念課題があります。 正しい答えは、 『サ…

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1か月前
155

雨を聴く

雨の日が苦手だった。   「いつから嫌いになったんだっけ?」 記憶を辿ってみると、時は思春期  ″癖毛がコンプレックスだった″       ということが1番の理…

mana
1か月前
198
目論見は泡の如し

目論見は泡の如し

私が生まれ育った駅のすぐ側に大きなビール工場が聳え立っていた。
毎日のように見ていた 太陽の下に波の絵の赤いロゴ。今でも目に焼き付いている。

ビール好きの父は瓶のビールをケースで配達してもらっていた。
ちょうど私が「1ダース」という単位を算数で習ったころのこと。

週に1度、ガッチャンガッチャンと音を立てて、独特の四角い前掛けを付けた酒屋のおっちゃんが届けに来てくれる。
瓶が12本も入ったケース

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夏に見えた 幻日

夏に見えた 幻日

貴女が逝った知らせを聞いたのは
ちょうど1年前

陽炎から思わず視線を逸らした空に
舞い上がる天女のような雲を見た

とてもしなやかな人だった
強さと儚さを持ち合わせた人だった
心の奥に触れることができる人だった

今日 あの雲をさがして見上げた空に見えた幻日
夏に見えるのは珍しいのだそう

今年の貴女は 一瞬の煌めき

来年の夏空に どんな貴女を想うだろう

クオリティ・オブ・ライフを手に入れる

クオリティ・オブ・ライフを手に入れる

発達心理学と聞くと、胎児期・乳児期〜成人期に
向かい成長する心理ととらえがちですが、

実際には、成人期、老年期という単純に上に伸びていくとはいえない時期を含め、
人は「生涯発達」するという見方がされています。

人は当然ながら、高齢になるにつれ生物学的な
衰えが顕著になります。

しかし、その一方で、

 これらには
   加齢による 大きな衰えがみられない
              とされて

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紙の絵本の大切さ

紙の絵本の大切さ

″愛着 ″の安定性が 子どもの感情や 適切な理解といった心の発達に大きく関わっています。

生後6ヵ月頃の乳児期に「人見知り」が見られるようになりますが、これは養育者を愛着対象として認識しているということ。

との研究結果があります。

このことからも、早い段階から子どもを″心をもった存在″とみなし、心的状態に関する言葉を発話の中に多く使用することが大切だと考えられます。

また、心的表現だけでな

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繊月の街

繊月の街

子どもの頃、

「いつか東京に住むかもしれない」

 と思っていたことを最近ふと思い出した。

noteで記事を書くようになってからのことだ。

         ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎

就職で上阪し、結婚を機に上京した。
気付けば四半世紀以上をこちらで暮らしている。

上京後、最初に住んだのは会社の寮。
トレンディードラマのオシャレなマンションとはほど遠い、昭和感溢れる古い建物の一室に、新生活の夢は

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非日常の感情を

非日常の感情を

2024パリ五輪が開催されています。

予想を覆す勝利、悔し涙‥‥
連日、たくさんの感動をもらっています。

このようなことが明らかになっています。

スポーツには その瞬間にしか味わえない臨場感、躍動感、生命力‥‥
人間のパワーが集約していると感じます。

そんな力に観る側も心を鷲掴みにされてしまう。

選手との心の同一化、観戦者との一体感による一喜一憂は、日常生活では味わうことのできない非日常

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未来のためにできる最小単位のこと

未来のためにできる最小単位のこと

2007年、日本は世界で最初の超高齢社会になった。約4人に1人が65歳以上ということになる。

平均寿命が80歳を超える現在、人生を登山に準えたとしたらピークは40歳。山を下る人生の後半もまた40年という長い年月になる。

人生後半を、不安と衰退にまみれただけの「下り坂」とは捉えたくない。生きる先を未来とするなら、ピークを越えた先もまた未来なのだから。

発達心理学と聞くと、生後から成人期に向かい

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選択のとき

選択のとき

リクルートスーツ姿で家の中を闊歩し、次のオンライン面接に備えて軽い昼食をとる。
大学4年生の息子の就活はコロナ禍の真っ只中だった。

生きてきた中で例を見ないパンデミックに、誰もが前途に不安を抱えていた頃。
どうなるかわからない社会情勢の中で、私の子育ては間もなく終わりを告げようとしていた。

『空の巣症候群』という、子が巣立つ時に空虚感や喪失感が強まる親の状態を指す言葉があるらしい。

親という

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不幸の保険

不幸の保険

『小さな大人だった私へ』の記事にも書きましたが、私は昔「不幸の先取り」ということをしていました。

喜ばしい出来事があっても、その後にそれを帳消しにしてしまうような出来事が何度か起きたことから、良いことの後にはブーメランのように悪いことが起きるものだと思い込んでいました。

我を忘れるほど喜びに浸ってしまうと、その後の逆のうねりによって奈落の底に突き落とされてしまう。
ショックの落差を小さくするた

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受け止める姿勢

受け止める姿勢

自身を振り返ってみても思春期は「疾風怒濤」。
心の中に嵐が吹き荒れていた、そんな時代だったと思います。

親としてはどのように向き合えば良いでしょうか?

思春期の生物学的な変化はすべての人に共通して経験されますが、タイミングや進度はきわめて個人差が大きく、このことが多感なこの時期の心理に大きな影響を及ぼすと考えられます。
体と心がチグハグに成長するのですから、情緒が不安定になるのは当然のこととい

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薄明のとき

薄明のとき

成長する過程で、人は誰しも 凪 のような感覚を味わうと感じます。

それは空虚な時間かもしれません。
孤独を感じるかもしれません。
世界に1人、取り残されたような感覚になるかもしれません。

なぜそんな感覚が訪れるのか。

人には常に【優越性の追求】(今より優れた状態でいたいという普遍的な欲求)があります。

今の自分より成長しようと無意識にはたらいています。

凪のような時間は、次に向かうために

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たくさんコングラボードいただきました🏆
私の記事を読みにきてくださる皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです🥹
自分の思いを表現することは私にとってとても勇気のいること。noteに出会えて本当に良かったです。
これからもコツコツ書いていきたいと思います。ありがとうございました😊

コモンセンスの置きどころ

コモンセンスの置きどころ

昔、自己受容 というものを勘違いしていました。

このような自分でいることが素晴らしく、その理想に近づくことが自己受容 につながると思っていました。

ある時、この思い込み 3つは どれも他人目線だということに気が付きました。

自分を見つめるうえでコモンセンスを筆頭に掲げていたのです。

これでは理想の自分と現実の自分がいつまで経っても平行線のまま。

このようなものが自己受容だと今は感じます。

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耳を澄ましてみる

耳を澄ましてみる

例年に増して蒸し暑い梅雨。
曇りや雨、湿度といったすっきりしない気候は、私たちの心にも大きな影響を与えます。

今回は、「悩みのタネのトリセツ」記事の続編をお話したいと思います。

悩みの入り口を通り越して深みにハマり、答え探しをしている時、人はついつい自分を内観し続けて思いを巡らせてしまいます。

自分の思考は

    自分の 考え や 経験 に基づくもの。

散々悩み抜いた着地点が今の堂々巡

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何歳で他人の心を理解できる?

何歳で他人の心を理解できる?

この

【心の理論】
    いったい何歳で獲得するのでしょうか?

『サリーとアンの課題』

という 心の理論研究で有名な誤信念課題があります。

正しい答えは、

『サリーはビー玉が箱に移動したことを知らないので、″カゴの中を探す″ 』 

ですが、

個人差はありますが、

3歳未満ではまだ、自分が知っている内容と異なる他者の信念を推測することが難しく、

  他者の意図を読むことができない

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雨を聴く

雨を聴く

雨の日が苦手だった。

  「いつから嫌いになったんだっけ?」

記憶を辿ってみると、時は思春期

 ″癖毛がコンプレックスだった″
      ということが1番の理由らしい。

これに付随して、
トラックに水をひっかけられた、
体育の授業が苦手なマット運動に変更になった、
よりによって前で発表する日だった…
など、負の出来事を雨とセットに記憶していたところも往々にしてある。

多感な時期の思い

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