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偏読書評

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「偏食」ならぬ「偏読」気味の本好きによる、文芸やマンガ作品紹介。
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#新潮社

〈偏読書評〉 『グスコーブドリの太陽系—宮沢賢治リサイタル&リミックス—』(新潮社)

〈偏読書評〉 『グスコーブドリの太陽系—宮沢賢治リサイタル&リミックス—』(新潮社)

原稿を送って数週間経つのに、いまだ公開される気配がないブックレビュー(追記:と、半ばぼやくように投稿していたのですが、数時間後に記事が公開されました)、紹介する3作品の中で(約300文字という短い原稿とはいえ)特に力を入れて書いたのが、自分が尊敬し、かつ表現者としても人としても最も信頼している(信頼できる存在だと作品や活動を通して感じている)古川日出男さんの最新刊『グスコーブドリの太陽系—宮沢賢治

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(【お仕事】Numero TOKYOサイトでの新刊紹介記事が公開されました。今月は木皿泉さんの『カゲロボ』、陳浩基さんの自選短編集『ディオゲネス変奏曲』、エマヌエル・ベルクマンの世界的ベストセラー『トリック』。お時間あるときに、ぜひ)
https://numero.jp/book-news-20190503/

【お仕事】『Numero TOKYO』10月号掲載 村田沙耶香さんへのインタビューと新刊『地球星人』について

【お仕事】『Numero TOKYO』10月号掲載 村田沙耶香さんへのインタビューと新刊『地球星人』について

8月28日発売の『Numero TOKYO』10月号(扶桑社)。

巻頭特集「Beauty Rules 美しい人よ」の中で、芥川賞作家の村田沙耶香さんへのインタビュー記事を書かせていただきました。

ちなみに(編集さんがつけてくださった)記事タイトルは「『美しい』は変化する! 新しい価値観を手に入れるには」で、見出しを引用させていただくと……

少しずつ多様性が認められる世の中になってきた。となる

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(【お仕事】「Numero TOKYOおすすめの8月の本」が公開されました。今月は『戦時の音楽』『ギケイキ②』『うなぎばか』の3冊をご紹介。 お昼休みにでもチェックいただけると、うれしいです……っ!!)
https://numero.jp/book-news-20180823/

【お仕事】Numero TOKYOおすすめの6月の本

【お仕事】Numero TOKYOおすすめの6月の本

『Numero TOKYO』(扶桑社刊)公式サイトでの新刊紹介欄、今月分がアップされました。

今月ご紹介しているのは……

■伝説の幻想作家・山尾悠子先生の、実に8年ぶりとなる連作長篇小説『飛ぶ孔雀』(文藝春秋)

■エッセイ、連載小説、事典など、さまざまな形式で書かれた短篇作品を収録した、知的好奇心をくすぐりまくられる、吉田篤弘さんの『あること、ないこと』(平凡社)

■いつもは緻密なリサーチ

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【お仕事】Numero TOKYOおすすめの5月の本

【お仕事】Numero TOKYOおすすめの5月の本

先月より誌面から公式ウェブサイトへと引っ越しした、『Numero TOKYO』(扶桑社刊)の新刊紹介欄。今月分がアップされました。

今月ご紹介しているのは……

■笑い溢れる新喜劇のような物語と文体が、この季節特有の憂鬱気分を100%吹き飛ばしてくれる、町田康さんの『湖畔の愛』(新潮社)

■その痛快な《言葉遊び》感覚で、数多の読者たちをしびれさせてきた多和田葉子さんの新境地ともいえる(かつ、初

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〈偏読書評〉読書欲と食欲を激しくそそる、手土産X文学コミック:『おもたせしました。』

〈偏読書評〉読書欲と食欲を激しくそそる、手土産X文学コミック:『おもたせしました。』

5月15日に最終巻となる第3巻が発売された、うめさん(小沢高広さん/妹尾朝子さん)による『おもたせしました。』(新潮社刊)。

先日の画像投稿にも書きましたが、作品が完結してしまったのが淋しいです……(というか、なんで俺好みの作品に限って、すぐ作品が完結してしまうんだ……俺、厄病神なんじゃろか……)。

と、しょんぼりしていたら、うめさんがこんなツイートを……!

「どうせなら1巻全部」って! 編

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【お仕事】Numero TOKYOおすすめの4月の本

【お仕事】Numero TOKYOおすすめの4月の本

「〈偏読書評〉はじめに。」で触れていた(そして〈偏読書評〉をはじめるきっかけとなった)、かれこれ10年近く原稿&セレクトを担当させていただいている『Numero TOKYO』(扶桑社刊)の新刊紹介欄。この度、誌面リニューアルにともない、ウェブサイトにお引っ越しすることになりました。で、記念すべき第1回目が更新されました。

今月ご紹介しているのは……

■古川日出男さんの作家デビュー20周年の幕開

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〈偏読書評〉“世界文学”としてのエトガル・ケレット氏の作品 または我々は如何にして“世界文学”と向き合うべきなのか【後篇】

〈偏読書評〉“世界文学”としてのエトガル・ケレット氏の作品 または我々は如何にして“世界文学”と向き合うべきなのか【後篇】

-- 以下〈偏読書評〉、2016年7月19日投稿の加筆修正版 --

前篇にも書いた通り、『突然ノックの音が』でエトガル・ケレット氏に興味を持ったのが2015年。単行本の刊行記念として同年2月末に〈エトガル・ケレット×円城塔 公開講義『僕たちの書き方』〉が開催されることを知った自分は(ひきこもりにしては非常に珍しく)速攻で予約を入れました。で、結論から言うと、この講義を通して、すっかりケレット氏に

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〈偏読書評〉“世界文学”としてのエトガル・ケレット氏の作品 または我々は如何にして“世界文学”と向き合うべきなのか【前篇】

〈偏読書評〉“世界文学”としてのエトガル・ケレット氏の作品 または我々は如何にして“世界文学”と向き合うべきなのか【前篇】

-- 以下〈偏読書評〉、2016年7月11日投稿の加筆修正版 --

前書きがわりの(超絶卑屈な)近況報告から間が空いてしまいました。今回はエトガル・ケレット氏の著作である『突然ノックの音が』(新潮社刊)と『あの素晴らしき七年』(新潮社刊)について、そして(書くかどうか正直迷ったのですが)『あの素晴らしき七年』に関するいくつかの書評を読んで自分が感じたモヤモヤとした違和感についてです。

まず最初

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