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なんとなく日記

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日々の生活のなか、ふと思い立ったことを、つらつらと書いていきます。
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#由利本荘市

家の前を通り過ぎる他人ですら、

家の前を通り過ぎる他人ですら、

限界集落のなかにひっそりとたたずむ実家に帰郷して以来、少しばかりの寂しさを感じることがある。それは、“ほかの人の存在をあまり感じられない”という寂しさだ。

転職を機に移り住んだ大阪や千葉、そして新卒時代に住んでいた京都ではそんな寂しさを感じたことがなかった。窓から通りを見渡せる住宅街に住んでいたので、往来する人々の姿がいつでも目に入っていたんだ。

言葉を一度も交わしたことのない同じ地区に住む住

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香りに傾倒中、

香りに傾倒中、

最近、香りに凝りつつある。部屋に引きこもって日夜働いているなかで、「なんかいい香りに包まれながら仕事をしたらはかどりそうやなア」と思い立ったのがきっかけだ。

最初はお香だ。100円ショップのダイソーにお誂え向きのお香が売っていた。シャボン・ムスクノワール・ホワイトムスク・シトラス・グリーンティー・ラベンダー・ローズなどなど、驚くほどバリエーション豊かだ。

なんて言ったって1つ100円。これはも

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この腹痛の正体は、

この腹痛の正体は、

間違いない。きっとB型インフルエンザだ。腹の違和感・関節の痛み・倦怠感……これらは全て、B型インフルエンザに過去に罹ったときと同じ症状なんだもん。

幸い熱はなさそうだ。ただやっぱり、腹の違和感だけはちょっぴり辛い。痛いってほどじゃなく、強めの胃もたれがずーーーーーっと続いている感じ。もちろん、いつもみたいな食事はとれない。

朝食と昼食を抜いて過ごす。夜はさすがに空腹を感じたので、親が買ってきて

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今宵もそれぞれの夜を過ごす。

今宵もそれぞれの夜を過ごす。

1月15日、午後11時。

仕事の休憩がてらに外へ出た僕は、背伸びをしながら空を見上げる。真っ暗で何も見えない。

それもそのはずだ。秋田県の上空には現在、ものすっごい低気圧が鎮座しちゃっている。というか、秋田県だけではなく、日本海側のほぼ全ての県に乗っかっているみたいだ。

まったく、本州の上半分を占領するなんて贅沢な身分だな、低気圧さんよ。

だから僕は今、暴風雪の中、寝間着(ねまき)の状態で

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はじめてお爺ちゃんになったよ。

はじめてお爺ちゃんになったよ。

秋田の冬らしからぬ青さが広がる空のもと、午後3時過ぎに愛犬の散歩に出かけた。

先月の半ば以来、雪らしい雪は降っていないと記憶している。今年は暖冬になるとは言われていたけれど、ここまで甚だしい(はなはだしい)とは思わなかった。

とにかく雪がない。例年ならば、あたり一面が白銀世界に変貌しているはず。しかし、眼前に広がるのは秋とほとんど変わらない景色だ。秋と違うのは、先月降った雪の溶け残りが、離れ小

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「僕は元気だよ」って伝えることが、唯一のモチベーションなのだ。

「僕は元気だよ」って伝えることが、唯一のモチベーションなのだ。

人と比べ、自己承認欲求が特段高い訳ではない。どちらかと言えば、むしろ低いほうだと思う。

SNSなんて何を投稿すればいいのかわからず、長続きした試しがない。mixi・Facebook・Instagram・X…。そのどれもが、ほとんど見る専になり、放置してしまっている。

一方で、“ある程度世間に認知されたい”という願望があるのも事実。それは別に、「有名になってお金持ちになりたい」だとか「異性からモ

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この街とつながるストーリーを。

この街とつながるストーリーを。

長らく離れていた地元に戻ってはや1年。光陰矢の如しとはよくいったものだ。帰ってきてからの1年は目まぐるしく過ぎていき、気づけば年末になっていた。

僕がいた16年前と比べ、地元は大きく様変わりした。なかでも顕著なのは、少子高齢化の進行だ。当時から、テレビや新聞で「少子高齢化が進行している」などと報道されていた気がする。

だけど、あの頃はそれほど実感していなかった。だって、中高の同級生は300人近

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フィトンチッドに囲まれながら。

フィトンチッドに囲まれながら。

3~9月は、僕にとって特別な季節だ。なぜなら、源流釣りを楽しめるから。ちなみに、渓流ってば日本全国どこの地域でも基本的に、3~9月以外は禁漁期間なんだ。もし釣っちゃうと、罰金をとられるから気をつけて。

家から車で約10分のところに、ヤマメが数多く生息している源流がある。限界集落の奥にある、小さな小さな源流なもんだから、ほかの釣り人が訪れることは滅多にない。貸し切りで釣り放題ってことさ。

段差で

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限界集落に冬が来た。

限界集落に冬が来た。

「強い寒気が南下する影響により、明日は全国的に冬日となるでしょう。とくに、北日本は積雪や吹雪に十分に注意してください」

いつもは外れがちな天気予報が、久々に的中したような気がする。ふと思い返した気象予報士のお姉さんの顔は、こころなしか自信に満ちているように思えた。

温度計が示す部屋の気温は6.4℃。室内だというのに、吐く息が白い。窓から外を見やると、あたり一面が真っ白に染まっていた。とうとう来

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母校が消えちゃうってさ。

母校が消えちゃうってさ。

22年前に卒業した母校が廃校になる。それを知ったのは、つい2年ほど前のことだ。地元の幼馴染(おさななじみ)が教えてくれた。

元々、人口が少ない地域に住んでいたこともあり、僕が通っていた当時から人数が少なかった。僕が卒業した年の全校生徒は、ええと確か、86人だったかな。まあ、そんくらいだ。

だからもちろん、1学年あたりの人数も少なかった。クラス分けなどなく、入学してからの6年間を13人で過ごした

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本日は雨天なり、よって本日は晴天なり

本日は雨天なり、よって本日は晴天なり

なんでだろうか、雨が降った日はいつもワクワクする。僕にとっては、晴れの日が日常、そんでもって雨の日が非日常という感覚。

雨が降れば降るほど、心が高揚する。雷が鳴り響くような土砂降りなら、なおよし。雨の日のドライブなんて、一番のご褒美だ。目的地は決めず、自由気ままに車を走らせる。

打ちつける雨音に耳を傾けながら、車中泊なんてのも趣深い。雨音に包まれた安心感からか、いつもよりもよく眠れるような気が

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