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2021年12月の記事一覧
第152話 シリウスクライシス
数週間振りに観る画面の中の宇宙子さんは、髪の毛を真っ赤に染めていた。「今年の浄化は今年のうちに。」そう言って笑う彼女と共に、年内最後のセッションがスタートした。
お互いに、何か大きなブロックが浮上してきているのを感じ取り、今日はそこを視ていくことになった。
「ひみさんこれ、何か視えますか?」
さっきから私の眼球は、目を閉じた瞼の下でその“何か”を探して上下左右、視界を隈なくキョロキョロ
番外編 オリオンの元戦士
「ねぇひみ、変な夢見たんだけど聞いて。」
それは、私が離婚しあきらが中学校を卒業した春の一コマ。
「どんな夢?」
「父親とさぁ、戦ってるんだよ。あーだから、嫌だけどたぶんアイツからの憑依?
うぉら近づくなー!って言って、それからどうしたと思う?」
「んー、憑依体に対してってことは、バトル?」
「そう!
あのね、自分の背中を壁に押し当ててそこを支点にして、手に持ったクラッチ(杖)を両足の
第147話 オリオンアレルギー
「もう、ひみさーん。
本当ひみさんは相変わらずだねー。“ひみさん”っていう一つの概念。ひみこさまー!」
会うたびごとに、私のエネルギーの変化に対して驚きと共に喜んでくれる宇宙子さんにからかわれながら、その日のセッションが始まった。
「どうします?今日は彼のことを進めてもいいし、お子さんのことをやっていってもいいし。」
彼女からそう言われ、ハイヤーセルフにアクセスしてみる。
「……うーん
第146話 愛は時空を超えて
決意する。
今晩、どんなに悪夢にうなされて寒気で目が覚めてしまっても、“スサナル先生の闇感情たち”をひとりぼっちにしないよう、できる限り包んで寝よう。
ベッドに入ると彼を意識し、その上でさらにハイヤーセルフにしっかりと繋がって、こちら側からあたたかい光で彼の闇を満たしていく。
一晩何度もトライすると次々と不快な夢を見て、起きる前から頭痛もしていた。
すると翌日の午前中、けーこからLIN
第145話 午後のマリアと子供たち
頭の中には、アヴェマリアが流れていた。
四次元体を成す聖母マリアには未だに拭いきれない思いがあったものの、高次元を伝って降りてきたこの音楽の持つ波動にすっぽり包まれると、その優しさで心の奥が少しくすぐったくなった。
動画サイトでさっそく探し、再生と同時に涙が出てきてしまったけど、いちいちエネルギーの流れを遮るコマーシャル音がウニヒピリたちにはえらく不評だった。
それならばとスマホ本体に
第144話 魂の空間は螺旋する
幼稚園の頃、近所に住むかよちゃんの家に遊びに行った。
誕生日を迎えたかよちゃんは、着せ替え人形用の、小さな子供でも簡易的な服が作れるデザイナーセットのおもちゃを貰っていた。
そのおもちゃでの遊びに誘われ、私も自分の着せ替え人形を持って彼女の家にお邪魔すると、リボンやレース、紙のメジャーや布切れなどで、テーブルの周りは瞬く間に賑やかになった。
ひと通り遊び尽くし飽きてきた頃。
彼女は付属品
第142話 猟銃とお爺さんの部屋
夕ご飯を食べ終えて洗い物をしている時、今日は私の内側がやけに静かだなと思った。気づいたら思考のおしゃべりが止まっていて、その代わりに脳内では、なぜだかオルゴールの子守り歌が再生されていた。
あまりにしんとしていたので、思わず声をかけてしまった。
「『嫉妬ー』?嫉妬、いる?」
「起こさないで!」
「ああ、ごめんごめん。おやすみなさい。」
急にみんなにアクセスできなくなったのかと思った