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第148話 フラクタルラバーズ



 街全体が、急かされるような雰囲気に飲まれていく十二月のある日。とうとうけーこが彼女自身のツインレイに出会った。詳細は省きたいと思うが、教えてもらった彼のことを初めて見たとき「なんだかタケミカヅチみたいだな。」と思った。
 そんな彼の名前には一目、スサノオやミカエルと同じソウルグループの印があった。ただ、ここでそのままを書く訳にはいかないため、登場させる時には武甕槌から名前を借りて「タケくん」と書いていきたいと思う。

 けーこ自らタケくんに対して「自分を見てるようでムカつくけど、最後にはすごく好きになるってわかるんだ。だからこそなんか腹が立つ。」と話していて、思わず笑ってしまった。

 このカオスの次元が大好きで、わざわざ天界から逃げてきたタイプのけーこからしたら、ツインレイとの出会いは“完了”を意味してしまう。それを彼女が好まないだろうことはなんとなく察しがついたけど、それでも二人のために、私にできることがあればさせてもらおうとそんな風に思った。

……

 同じころ、私の内面でもまた、いくつかの低いレベルにおいて男性性と女性性とが以前より融合するようになってきていた。

 ひとつには、ウニヒピリたち。
彼らは例の通路を駆使し、少しずつお互いの心の中を行き来するようになっていた。夜寝る前に二人を連れて想念の世界で遊ばせると、当然なのかもしれないけど、二人の間に性差が見えるようになってきた。

 ウニくんと、ウニちゃん。
浄化の進度が違うとはいえ、この二人を、例えば果物畑へと連れていくと、“お母さんである私”と協力しながら高い木の上に生って(なって)いる果物を取るのは毎回決まってウニくんの役目。彼は私の体によじ登り、林檎だったり葡萄だったり、ジャンプするようにもぎ取ってくる。
 そうして手に入れた果物をウニちゃんに渡すと、受け取って大喜びしている彼女の姿を見て、小さな勇者は誇らしく満足感を得るらしい。

 それからもう一つは、私単体の中で自己完結する男性性と女性性。
 ある日、私のハートチャクラで自己統合し始まった彼らのエネルギーは、やがてチャクラを下まで降りて、それから仙骨と尾てい骨を経て背骨へと上がってこようとしていた。

 目を閉じて椅子に座り、流れを意識しながらエネルギーを通そうと試みる。ところが仙骨から背骨へと向かう途中の詰まりが悪いらしく、少し苦労してしまう。
 しばらくの間、肉体のその部位にフォーカスしていると、やがてビジョンが視えはじまった。


 そこは煙突の内側といった雰囲気の円筒型の通路内部で、階段の代わりにハシゴ状のバーがたくさん縦に並んでいた。天井部分には蓋が被さり、“詰まり”とはこれのことかと思いながら見ていると、そこへ白いツナギ姿の一人の男性が現れた。
 彼はバーの上に足先をひっかけ背中を壁に預けながら、工具を片手にハッチを開き、手際よく導管の修理をしている。
 やがてその開口部を的確に直し終えると、優雅なドレスの女性性をおんぶし、私の背骨を駆け上がっていった。

 私自身の男性性の、なんと凛々しいことだろう……。

 色々と仕組みがわかってくるにつれ、思わず嬉しくなってしまった。
 ウニヒピリは“ウニヒピリ同士”という同じ波動域のレベルにおいて、男性性と女性性もまた同じレベルでお互いに愛し合っていて、私のハイヤーセルフと彼のハイヤーセルフもまた、彼らの次元で愛し合っている。

 だけどそこまで考えて、深い部分からじわじわと、彼を受け入れることを思って怖くなってきてしまった。
 至極当たり前ではあるけれど、肉体次元の私のお相手は肉体を持った彼ということになってくる。黒い恐怖がボコッと上がる。

 前は平気だと思ってたけど、今になってみると肉体愛ってとても怖い……。

 “こちらの私”と周波数の違う、彼のエゴセルフやハイヤーセルフのことならいくらでも深く愛せるのに、同じレベルの彼を思うと途端に怖さが出てきてしまう。性の傷が痛み始める。
 そしてまた、私の痛みがあがってきたことにより彼の奥にある痛みも感じ取れてしまう。

 とはいえこの深い恐怖心との邂逅(かいこう)こそが、スサナル先生自身の男性性の目覚めへと繋がっていくことになろうとは、この時の私はまだ何も気がついていなかった。




(参考)

第9話 『イカヅチの歌』

第133話 『愛する者と愛される者』


written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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フラクタル、フラクタル構造とは、入れ子のことだと言えばわかっていただけるのではないでしょうか。
先日の第143話『意識体たちの日常生活』に添付した動画がまさにフラクタル構造です。宇宙と細胞の内側が一緒ってやつね。
あとは、野菜のロマネスコとかわかりやすい。小さな渦が集まって、大きな渦を形成しています。

それにしても、まさかツインレイのウニヒピリ同士にもこんな関係が見られるとは、自分でも驚きました。

あ、あとね、ウニヒピリのケアにしても道管にエネルギーを通すのにしても、これもまた「何度も何度も」です。
へこたれるけどね。「また?」「まだ?」「どこまでやれば終わるの?」って思うし、とにかく私も「闇の残量」というものをグラフとかで知りたくて仕方なかったです。でもこればっかりは、統合を目指すのであればやるしかない。

ツインレイに出会っていても、やらない故に何十年も統合できずにいがみ合ってるカップルだっているし、ツインであっても向き合うことから逃げて、結果「別れ」を選択するカップルだっているわけだしね。(あとがキツいやつ!)

時々、サイレントは“持ってる闇の量”、“課題の量”によって期間が変わるとおっしゃる方いますがそうではなく、課題の重さは魂の大きさに比例しており、各個人それぞれのフルパワーでもって、ギリギリ越えられるように各自設定して生まれてきています。
よって誰でもちゃんと向き合えば早く終わらせることができるし、向き合わなければ何十年も分離しているという、ただそれだけの話です。

マガジン『Twin Lovers Wake-up Call』各種記事は、
私ひみが宇宙から預かった叡智をもとに、ツインレイ統合を早める目的のもと書いています。どれも、逃げないと決めた方を応援する、背中を押す内容になっています。
あなたの直感を張りめぐらせてみてくださいね。


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→第149話 太陽の剣

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