第145話 午後のマリアと子供たち
頭の中には、アヴェマリアが流れていた。
四次元体を成す聖母マリアには未だに拭いきれない思いがあったものの、高次元を伝って降りてきたこの音楽の持つ波動にすっぽり包まれると、その優しさで心の奥が少しくすぐったくなった。
動画サイトでさっそく探し、再生と同時に涙が出てきてしまったけど、いちいちエネルギーの流れを遮るコマーシャル音がウニヒピリたちにはえらく不評だった。
それならばとスマホ本体にダウンロードすることを決めると、この一曲ばかりを何度もループ再生した。
……眠くなってきちゃった。
高波動エネルギーに触れることで、ウニやエゴといった深い部分の“癒し”に入ると、顕在意識まで眠くなることはよくある現象だった。
そういう時は抵抗せず、遠慮なく昼寝をすることにしている。カーテンを抜ける光の量も室温も適度に心地よく、すぐにウトウトし始まる。
みんなおいでー。ウニちゃんも、スサナルウニくんも、ウニの中の子供たちもみんなお昼寝だよー。お母さんももう眠いから、一緒にゆっくり寝ようねー。
頭の隅で、そういえば前にけーこから調停のことを教わった日に、勧めてもらった編み物の他にも「ひみ子供は?保育士さんとか興味ないの?」と聞かれてたなぁと思い出した。
当時のけーこに視えていた、私が子供たちに囲まれているビジョン。それは現実世界の子供ではなく、私の内側にいる感情体のことだったんだとこの時になって気がついた。
本当だ。まるで私、保育士さんみたい。
肉体を持って横になっている私の周りでは、布団の上をゴロゴロ転がるたくさんの子供たちの気配が重なり何とも言えない至福感に浸っていた。
そんな様子に誘われたのかスサナル先生のエネルギー体がやってくると、私の周りをふわふわと飛び回りはじまった。そうして彼は、“彼の小さな感情たち”にも愛情を注ぐ私のことをしばらく嬉しそうに観察すると、今度は彼のほうが私に向けて、「あなたがとても愛おしい」という感情を伝えてくれた。
寝ている私のおでこに小さく、彼がキスをしてくれる。すると反応して、表皮に重なるオーラの層が波を打って歓喜する。アヴェマリアを子守り歌に、とても穏やかで、静寂で、愛に溢れる時間が流れていた。
スースーと自分の寝息が聞こえ始める。すると寝入りばなで見る夢のように、ビジョンがゆっくりと立ち上がってきた。
ああ、お爺さんの部屋の扉が開いてるなー。奥ってそうか、宇宙だったんだ……
気がつくと、あの踊り場と階段の最上階、分厚い木製の観音開きが奥へと開け放たれていた。そこには猟銃もレーザーも見当たらず、したがって怖いといった感情もなかった。
そしてその先に見えたのは、深みのある紺色に無数の星が瞬いている宇宙空間そのものだった。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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……なんかね、いつもは時間がかかっても、後から解ける謎のほうがわりと多いんですよ。だけどこの時の「なぜ扉が開いたのか」。このきっかけが何だったのかは実はわかっていないんです。
私が階段を通過したからなのかな……。
ええと、冬至超えましたが、皆さん大丈夫?
なんか今回のエネルギーヤバくないですか?
私はかなりやられています笑
タイムリーなことに、調整にもってこいの曲を紹介することができます。
♪アヴェマリア、♪アメイジンググレイス共に、高次の愛の波動がすごいです。
私も久しぶりに聴きましたが、いろんな闇が解けてみんな泣いていましたよ。(もちろん私も。)
あ、あと今回続けて聴いたら第7チャクラから下まで行って、再び仙骨、背骨からあがって頭頂から抜ける感じがしました。
おすすめは、夜聴いてください。寝る前とか。じゃないとたぶん眠くなって仕事にならなくなると思います。
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←今までのお話はこちら
→第146話 愛は時空を超えて
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