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日々雑感

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日々思ったこと、感じたことを特にテーマを決めずに書いています。
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2020年9月の記事一覧

京女とたしなみ

京女とたしなみ

私が勤務している職場に京都出身の女性がいます。
仕事が良くでき、芯が強く、今どきの若者には珍しく東京語を使わず、上品な京ことばを使います。
仕事ができるだけあって、仕事に対する取り組みも真面目で、(変な意味ではなく)とても好感を持っています。

この女性は常に仕事に追われていることもあり、昼食に自分の席でカップ麺を食べることが多いのですが、かなり大きな音で「ズルズルッ」と麺をすするのです。
初めて

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躁状態の「罠」

躁状態の「罠」

以前は「躁鬱(そううつ)病」とも呼ばれていた双極性障害。
その名の通り、元気な「躁」状態とひどく落ち込む「鬱」状態が交互にやってくる精神疾患です。
私がこの病気を発症してから20年弱経ちました。

ちょっと元気になったかな、と思うと何の前触れもなく突然気分が落ちて何もできなくなる。
こんなことの繰り返し。
世の中には治らない病がたくさんありますが、この双極性障害もその一つ。
今の医学では治せないそ

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輝く瞳

輝く瞳

私は高校生の時にアイスホッケーが好きになりました。
それもカナダ、アメリカにまたがって行われているプロホッケー、NHL(National Hockey League)の大ファンです。
独身の頃は、NHLで最も古い歴史を持つチームがあるカナダのモントリオールまで毎年試合観戦に行っていました。
冬のボーナスは全てこの旅費につぎ込んでいました。

その後、自分でもプレーをし始め、現在はプレーこそしないも

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涼しい

涼しい

私が四季の中で最も好きなのは秋です。

今日などはまだ蒸し暑く、夏の名残が続いていますが、夜になると風が涼しくなり、秋の虫の声も聞こえてきています。

目にも鮮やかな紅葉。
その艶やかさとは対照的に、もの寂しさを感じさせる落葉。

生き物たちが、間もなくやってくる冬に備えて準備をする季節。

涼しい空気。
高い空。
真っ青な空。
そこに刷毛で描いたような真っ白な雲。
すがすがしい気持ちになります。

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心のバリアフリー

心のバリアフリー

私は双極性障害を患う精神障がい者です。
精神障害者福祉手帳(障害者手帳)を持っています。

昨今、「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」という言葉を耳にすることが増えてきました。
駅にはエレベータが設置され、階段の横にはスロープが設けられている所が増えています。
ほとんどのエレベータでは「○階です」「ドアが閉まります」などの音声案内もなされています。
このエレベータの音声案内がなかった頃、視覚

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自分を見てくれる人

自分を見てくれる人

かつて故・永六輔さんがある対談の中でおっしゃっていた言葉。

『「まあ「いい人生」「幸せな人生」っていうのは、自分を見てくれる人が何人いるかで決まるんじゃないでしょうか』

自分はどうか。
「自分を見てくれる人」とはどんな人を指すのだろうか。
「自分を見てくれる人」はどのくらいいるだろうか。

家族?
一番身近にいる人たちではあるけど...
でも、家族ってお互いを見ているようで意外と見ていないよう

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大重(おおしげ)先生

大重(おおしげ)先生

私が小学1年生と2年生のときの担任は大重先生というご高齢の女性教師でした。

今はどうなのか知りませんが、当時は2年ごとに組変えが行われていたので2年間お世話になりました。

先生はとても厳しい方でよく叱られましたが、現在の私の考え方や行動にとても大きな影響を与えていただいていると思っています。

それがどのようなものか多くは覚えていませんが、特に道徳について厳しく教えられました。

「お米はお百

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前にも言ったけど

前にも言ったけど

人との会話の中で私が不愉快になる言葉の一つが「前にも言ったけど」です。
中には枕詞のように必ずこの言葉を言う人がいます。
その人としては「前にも言ったけど、それを承知の上でもう一度言います」「言ったのを忘れている訳ではないですよ」という自己弁護の気持ちで言っているのでしょう。

しかし、この言葉が時として相手を傷つけることがあります。
それは自分がその内容を覚えていない時にわざとこの言葉を言われた

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#はじめてのインターネット

#はじめてのインターネット

私が初めて「パーソナルコンピュータ」なるものを使ったのは1980年代初期のこと。
自宅でNECのPC-8800を購入し、コンピュータ言語「BASIC」で趣味のデータをフロッピーディスクに保存し、それを加工するというプログラムを作った。
その結果をキーキーと音を立てるワイヤドットプリンタで印刷するところまでいったが、そのデータをグラフ化するところまでは辿り着かなかった。

その後、会社でPC-980

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ボランティアをするということ

ボランティアをするということ

私は家の近くの知的障がい者施設でボランティア活動をしています。
それを知ったある人から言われたこと。
「何故、ボランティアをしているんですか?自己満足?」と。
随分ひどいことを言うものだな、とムッとしましたが、その場は「そうかもしれないね」といなしておきました。

しかし、後から落ち着いて考えてみると、自分でも何故このボランティアを長いこと続けているのか、分かりません。

最近はボランティア活動を

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インクルーシブ教育とは?

インクルーシブ教育とは?

私の知り合いに小学校で「介助員」という仕事をしている人がいます。
その介助の対象は、普通学級に通う知的障がい児です。
障がいの程度は2度の重度です。
何故、その児童が特別支援学校に行かないかというと、その保護者が「インクルーシブ教育」という「夢」を実現させたがっているからです。
しかし、私の知人、学校、市役所のいずれも、今の段階、そしてその児童の障がいの程度では無理、と思い、何度も保護者に伝えてい

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坂村真民(しんみん)

坂村真民(しんみん)

私の心の支えの一つである真民の詩から特に好きなものをいくつか。

念ずれば
花ひらく

苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった

そうして
そのたび
わたしの花が
ふしぎと
ひとつ
ひとつ
ひらいていった
(念ずれば花ひらく)

両手を合わせる
両手で握る
両手で支える
両手で受ける
両手の愛
両手の情

両手合わしたら
喧嘩もできまい

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ヤクルトレディ

ヤクルトレディ

毎日ヤクルトを戸別に配達しているヤクルトレディ。
この方たちがそのその仕事をしながら、「愛の訪問活動」という地域の見守り活動をしていることをご存知でしょうか。

全国878の自治体、警察と連携して地域の「見守り」の一助を担っているそうです。特に高齢者とは、その際の会話などを通じて高齢者の安否を確かめ、異常があれば予め決められた方法で関係先に連絡をする仕組みができている。1972年からこの活動を行っ

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迷惑?

迷惑?

私は病気で休職したまま定年退職を迎えました。
その後、再就労のために主に精神障がい者を対象にした就労移行支援施設に通いました。
とかく、家で過ごしてしまいがちな精神障がい者が毎日特定の場所に通うことを習慣づけたり、集中力を養う訓練をしたりする施設です。
ある日、その施設へ車椅子利用の方が入所して来られました。
朝礼でその方のことを紹介する職員の言葉。
「今日から車椅子を利用される方が参加されます。

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