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躁状態の「罠」
以前は「躁鬱(そううつ)病」とも呼ばれていた双極性障害。
その名の通り、元気な「躁」状態とひどく落ち込む「鬱」状態が交互にやってくる精神疾患です。
私がこの病気を発症してから20年弱経ちました。
ちょっと元気になったかな、と思うと何の前触れもなく突然気分が落ちて何もできなくなる。
こんなことの繰り返し。
世の中には治らない病がたくさんありますが、この双極性障害もその一つ。
今の医学では治せないそうです。
こんな病を20年近く抱えていても懲りないことがあります。
それは、元気になったときに何かを始めてしまうこと。
「今度こそ大丈夫だ」と思って、
習いごとを復活させてしまう、
コンサートなどの切符を買ってしまう、
友だちと会う約束をしてしまう、
通信教育を始めてしまう、
等など。
しかし、長ければ2、3ヶ月は持つものの、いずれはまたその気力がなくなってしまい、すべてご破算。
これまでにコンサートなどの切符や通信教育代をいくら無駄にしたことか。
友だちとの約束を何度ドタキャンしたことか。
何度もこういうことを繰り返しているのにまたやってしまう。
それがこの病気の病気たる所以なのでしょう。
鬱状態のときに危険な行為をしないように気をつけることはもちろんですが、躁状態のときにも調子に乗らないように気をつけなくてはならない厄介な病です。