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大重(おおしげ)先生

私が小学1年生と2年生のときの担任は大重先生というご高齢の女性教師でした。

今はどうなのか知りませんが、当時は2年ごとに組変えが行われていたので2年間お世話になりました。

先生はとても厳しい方でよく叱られましたが、現在の私の考え方や行動にとても大きな影響を与えていただいていると思っています。

それがどのようなものか多くは覚えていませんが、特に道徳について厳しく教えられました。

「お米はお百姓さんが一生懸命作ったものだから、一粒も残さずに全部食べましょう」

「食べるときに音を立てると周りの人が嫌な気持ちになるので、口を閉じて噛みましょう」

この二つの言葉をとてもよく記憶しています。

意識はしていませんが、他にも教わった多くのことが私の体の中に沁み込んでいるのだと思います。

そして、一番の思い出は2年生の終業式を終えて教室に戻ってきてからのこと。

私たち児童を一人ずつおぶって、それぞれに「○○君は運動会でよく頑張ったね」とか「□□さんは~がよくできたね」などと声をかけながら教室を一周するのです。

当時のことですから1組に40人から50人の生徒がいたと思います。

ご高齢にもかかわらず、このようなことをしてくださったのは、私たち生徒に対する一方ならぬ愛情を持っていたからでしょう。

当時、既にご高齢でしたから、既に他界されていると思いますが、もしご遺族がいらっしゃるならお目にかかりたいと思い、昨年、卒業アルバムに出ていた住所を頼りに先生のお住まいだった付近を探してみました。

住居表示も当時とは変わっているので、先ず市役所に行き、当時の番地に相当する現在の住所を教えてもらい該当する場所を歩いてみましたが、残念ながら「大重」という名の家は見当たりませんでした。


大重先生、ありがとうございます。

(先生に敬意を表する気持ちを込めて、敢えて実名で書きました)