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『平面と空間』 正源宗之の雑歌詩集より
平面に線を描く
それがどんなに広くても
いつかどこかで交差する
君はこの平面のどこかにいる
君と交差する地点まで
それがどんなに遠くても
君を求めて
君も求めているだろう
それが出会いというものだろう
それとも君は私を避けて
この広く果てしない空間に飛び立ったのか
追い求めても交差するのがわからない
手応えさえもしないだろう
空間とはそんな所かもしれない
『平面と
正源宗之の雑歌詩集より『叫び』
(今日は父正源宗之の命日です。)
座敷の方が何だか騒々しい 早朝だというのに
ヒソヒソ話を打ち消すかのように掃除機の音が聞こえる
何だろう
しばらくすると表に車の止まる気配がした
そして何かを運び入れた
そうか座敷の調度品でも買ったのかもしれない
そのために掃除をしていたのだろう
それなら合点もいく
組み立てが始まったらしい?
何だあれは?
祭壇じゃないか 棺も運び込まれている
いったい誰が死ん
3.11の日に詩を捧ぐ 正源宗之の雑歌詩集より
『歩む』
我が春 迎えたれど
きびしき春となりぬ
がけにころび
いばらに傷つきたれど
進まねば そこに
屍となるらん
ならば血の一滴 残りしなれば
次なる息 つづくかぎり
我は歩まねばならぬ
『愛を求めて』
今の私には何も考える暇なんか無いんだ
ただ一つ君の唇に
私の唇を重ねることだけだ
それが終われば私は暇になるだろう
私の暇な時間は数時間とないだろう
数時間も経てば
また私は君の愛を求