『夢見る私』 正源宗之の雑歌詩集より
( 正源の娘のひとり言 )
半世紀ほど昔の昭和の女性が登場します。
恋愛の本質は変わらないかなとも思います。
正源が70過ぎた頃に女心を書いている、不思議でなりません。
普通のおじいちゃんだったのですよ。
今日はこの詩をここに残します。
そんな気分の娘です。
さださんとか、こうせつさんとかの初期に出てきそうな女性です。
夢見る私
あなたがくれた浴衣地を
たのしく私は縫い上げました
今年の夏のお祭りに
あなたとそろいの浴衣着て
二人そろって踊りましょう
今日この頃は
そんな夢見る私です
夢が夢では終わらぬように
沈む夕日に祈ります
わたしが贈ったあのネクタイを
いつも締めてくれている
なんだかとっても嬉しくて
頬をつたって流れる涙
そっと拭いては袂が濡れる
何だかこの頃
そんな夢見る私です
夢が夢では終わらぬように
星に手合わせ祈ります
あなたがくれた帯留めを
つけて明日は親しい友の
結婚式に参列するわ
ちょっぴり何だかうらやましい
いつかあなたとそうなることを
きっと信じて
明日を夢見る私です
夢が夢で終わらぬように
月に向って祈ります
『正源宗之の雑歌詩集より』
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