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正源宗之の雑歌詩集より『大空』

澄みきった青空がひろがる

雲一つないみごとな晴天

私の心も澄みきった青空だ

あまりにも澄みきった心でいるとなんだか

他の人にすべてを見通されている様だ

それではいやだ  静かにしまっておきたい事もある

見通されたくない事だってある

秘めておきたい事柄だって

そうだ 私は白いペンキを持ち出した

青い空に向かってうすくハケで雲を描いた

私にもうすい雲が広がった

まだ不十分な部分がある

今度は黒いペンキを少し白いペンキの上におとした

まぜ合わせ黒くする

奥深く秘めておきたい心の部分にその黒いペンキをおとす

これで安心だ

人から見通される心の部分は黒い部分で隠された

空にも一條の白い雲がかかってきた

西の空には黒い雲が覆ってきた

空も私の心を真似ている様だ

大空も私の友だち


      正源宗之 『大空』


(正源の娘のひとり言)

晩秋から冬の時雨の空には虹がよく架かります。
きつねの嫁入りと言えば全国区かもですが、嫁入り多すぎ。
「弁当忘れても傘忘れるな」と昔の人が言うぐらい、気まぐれな湖北の天気なのです。

正源さんが見てたのはどの季節の空だったんだろうか。
ペンキ塗って隠しちゃってたから、娘にも何も見えていなかったのでしょうか。

もうすぐ雪が降りそうです。

秋冬の風物詩 虹の空



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