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ショートショート2

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#創作

ショートショート たた

半数以上の人がそう言っているのなら、
そうなんじゃないの?
ボクはそうなのだと思う。
ここは半数以上の人を信じたい。
って言うか、
半数以下の人間にはなりたくない。
ボクはそんなキモチを持って生きている。

なんてことを
なんてことない日常の中で、
自分の思いのひとつとして、
サクッとチュルッと皆々様に発信したら、
ある一定の人たちが、
「ある一定の評価を下す」
と、ある一定の評価をしてくれた。

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ショートショート ひとまとめ

君は、
自分が生きる為に必要な要素の百七個を
全部凝縮して、
キュキュッと一ヶ所に集めて、
ギュッとこう丸めるというか、
固めるというか、
平らげるというか、
いや、平らげるじゃないな、
違うなそれは。
それは間違った表現だな。
これは看過できない表現だ。
処罰ものじゃないか。

って、いやまぁ、とにかく、
なんなら、ともかく、
君は、
自分が生きる為に必要な要素の百七個を
全部まとめて、
一個の

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ショートショート 水族館

イカのイカした一回転を
もう一回見てみたい俺は、
水族館の水槽をを力強くバンバン叩き、
イカに対して、
「早くもう一回やれよ」
と言っていく。

そしたらイカにも従業員です
みたいな奴がやってきて、
「やめてください」
とイカりの声を上げてきた。

それに対し、
「はぁ?」
なんて思う俺たち一人組は、
「誰に言ってんだ!」
とイカり、
「俺はドナー登録者だぞ!
とやかく言われる筋合いはない!」

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ショートショート 震度

久々、実家に帰省して、
「ただいまー」
なんて言ったところ、
母がドタバタと足を鳴らして駆け寄ってきた。

なので俺は、
「おいおい震度2くらいのドタバタだな」
なんてツッコんでいく。

だけど母はそんなツッコミを無視して、
「久しぶり」
って言ってきたので、
僕も同じく、
「久しぶり」
って返していった。

そう返していった俺は、その直後に、
「早速だけど、コロッケある?
お母さんのコロッケは世

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ショートショート 君は今

一点の曇りしかない空を見つめ、
失踪した君のことを考えていた僕は、
一面に広がるコスモス畑へと視線を移した。

君は今、何をしているだろうか。
お煙草中かな。
上品な君は、
「お煙草してきていいですか?」
ってよく言うほどの
ヘビースモーカーだもんね。
そう考えると今君は、
お煙草中じゃないかな。
僕はそう予想しておく。
どうか至福の時を過ごしていてほしい。

なんて思ったところで僕は、
「死」

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ショートショート 面接

人見知りだということを長所にあげた彼女は、
「故に友達が少ないです」
とアピールし、
「人と目を合わせて話すのは苦手です」
と笑顔で言う。

それから彼女は、
親との関係が上手くいってないことを告白し、
「時折、殺したくなる」
などと正直な思いを述べ、
「親に対する感謝はありません」
とキッパリ言って笑顔を消した。

それに対して面接官は、
「なるほど、そうですか。
まぁ他人の家の親子仲なんてどう

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ショートショート パスタ

今日のランチは
明太子パスタを食べたと仰る女性に、
「美味しかったですか?」
と尋ねたところ、
「言われてみれば美味しかったです」
という答えが返ってきた。

では、
カルボナーラはどうなんだ?
と思った僕は、
「カルボナーラはお好きですか?」
と尋ねてみる。

すると女性は、
「カルボナーラはお好きなほうです」
と答えてくれた。

それだから調子に乗った僕は、
「ナポリタンはどのような感じですか

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ショートショート ファッションリーダー

仲間内でのファッションリーダーな君は、
性的な表現を含む内容の作品を病的なほど嫌っているから、
それが行き過ぎて恐いところがある。

なんせ自分や他人、つまり人間を、
性的な表現を含む内容の作品と捉えているから、急にスイッチが入って嗚咽しまくった後、大発狂かますんだもの。
やめてほしいよ。
もう少し冷静になるべきだ。
損するのは君なんだからね。

あと僕のエコバッグやフードの中に吐き気を催すのもや

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ショートショート 二時間

「君をこの二時間後、
二時間前に飛ばしてみせるからね」
と黒スーツの人に言われた僕は、
確かにその二時間後、
二時間前に飛ばされた。
時計は二時間前の時間になってるし、
間違いない。
僕は二時間後、二時間前に飛ばされたんだ。

正直なところ、
何を言ってるんだこの黒スーツは、
と怪しく思ってたんだけど、
見事その二時間後、
二時間前に飛ばされてしまったな。

とか思っていると、
「やぁ、言った通り

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ショートショート 束の間2

祠に清らかな水と、
なめらかなプリンをお供えしたのも束の間、
祠にイタズラ書きをしたいなと思った僕は、
とりあえず、
「バカ」
だの、
「アホ」
だのとイタズラ書きしてやった。

本来このようなことをしてはいけないのだろうけど、僕は今後、
このようなことを積み重ねて人間性というものを作り上げていきたい。

なので、
こういう行いはどんどんやっていく。
その中で、イタズラ行為がどんどんエスカレートし

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ショートショート 束の間1

育休をとったのも束の間、
なんの迷いもなく育児放棄をした僕は、
今現在、
仲間達と楽しく脱出ゲームをして遊んでいる。楽しすぎて、
「ギャハハ」
って感じだ。

はっきり言って
乳幼児のことなんかどうでもいい。
大切なのは、僕が楽しいか楽しくないかだ。
つまり、育児は楽しくない。
面倒臭い。
だから僕は、育児を放棄する。

ただ、それにより死なれても困るから、
あの乳幼児は山の奥に住む仙人にあげてき

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ショートショート 昔話

おい、ボケコラッ! ゴミ! ダスト! 
どうも二行目です。一行目がすいません。
あ、三行目です。僕の方からもすいません。
四行目です。一行目は無視していいですよ。
いやいや、一行目最高! 俺は大好き!
俺も別に嫌いじゃないな。いいぞ一行目。
前の二行、終わってんな。本当すいません。
ということで、次の行からスタートです。

昔々、
ある所とあの場所で、
そして、
不治の病に侵されたあの娘が好きなあ

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ショートショート ケラケラケロリ

「あれ……?」
という感じで急に、
差別的書き込みをしたくなった若手折り紙アーティストの私は、早速、
自分のSNSに、
その溢れる差別意識を書き込んだ。

そうすると、
思っていた以上に批判の声が多く寄せられ、
所謂、
「炎上」
状態になってしまった。
という非常事態なので、
ビビりの私は、
これ以上の炎上を避ける為、
自分のSNSに反省の言葉を書き込んだ。
更には、その反省の言葉に加えて、
暫く

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ショートショート お守り

小さい女の子が、
「小さい女の子です」
と言って、
僕に頭を下げてきたので、
大人の男の僕は、
「大人の男です」
と返答し、
同じく頭を下げて挨拶を仕返していく。
そして頭を上げ、
小さい女の子に、
「車に気をつけてね」
なんて言っていく訳だけど、
言われた小さい女の子は、
「心配ご無用」
と言って、
ランドセルから交通安全のお守りを取り出し、「車なんて恐くない!」
と言いながら、それを地面に叩き

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