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超短編など

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記事一覧

トコナツ

「常」

私は常々
うねうねしながら
思ってもいないことを思いつつ、
思っていることを思わないようにしていて、
でもそれでも思ってしまった場合、
思いっきり、思いの全てを叫ぼうとは思う。
それが今、私の中にある思い。
なんて思ってないけどね。

「夏」

太陽の下でひまわりを食べながらプールの水でそれを流し込んでいる訳だけど、これをすると夏だなって思う。あとはスイカを人がたくさん通っている通りに高

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不能

23時頃、
23コ上の女性に、
「0歳児でも分かる言葉で話したんですが、
あなたにはまだ早かったみたいですね」
と言われてしまった23歳児の俺は、
浮かない顔と
晴れない顔と
死んだような顔を混ぜたみたいな顔で、
「は……い。
まだ、早かったみたいです」
と、その悲しき事実を認めた。

どうも俺は、ダメダメみたいだ。
それも悲しいくらいにな。
もうなんだか全てが嫌になる。
そりゃ嫌になるだろ。
0

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食事:川遊び

『食事』

キミがめちゃくちゃペチャクチャ喋りながら、
カレーをぐちゃぐちゃにして、
それをクチャクチャ食べていた訳だけど、
まぁそれは別に、
別にそれは、
ボクは別に、
気にならないかな。

キミの真向かいに居た人は、
なんかあんまり
よろしくない顔をしていたけど、
ボクは別によろしいよ。
むしろ、よろしさしかない。
キミのおかげで楽しい食事会だったよ。

『川遊び』

夕暮れ時僕は、
一人で川

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ハードハート

大鉈で大蛇を倒したゴゴゴな午後。
ふと、重い思い出が僕の中で甦り、
僕は、
「ちょっともう、はぁ……」
と嫌な気持ちになった。
それから更に、
「ちょっともう、えー……」
と嫌な気持ちが増し、
「ちょっとマジか……。
ちょっとキツイなぁ……」
と嫌な気持ちに加え、
しんどい気持ちも出てきた。

という訳だから、
ちょっともう死にたいというか、
ちょっとなんて言うのかなぁ、
ちょっとあれだなぁ、あれ

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なくしか

涙をボトボトこぼしながら
トボトボ歩く帰り道。
僕のボコボコになった心は、
しばらく元気を取り戻せそうにない。

あそこまで言わ、あっ、ゆあれるとはな。
あそこまでゆあれたら、
こっちはもう泣くしかない。
あっちのゆってる、あっ、言ってることは、
確かに確かな正論だし、
何も言い返せない。

これから僕は、
どうしたらいいんだ。
全部、否定されちゃったぞ。
もうこのまま当ても無く歩くか。
なんか家

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たこ焼き

君が上を向いて
顔にナメクジを這わせていた平和な昼。
かと思いきや、
君の顔に巨大な熱々のたこ焼きが落ちてきた。

という事態になったお昼。
全身、
巨大なたこ焼きの中に入ってしまった君は、
「あち! あち!」
とあちあちしながら、
巨大なたこ焼きを突き破って、
真っ赤っ赤の状態で出てきた。

あ~あ、可哀想に。
ただただ可哀想だ。
こんな可哀想な奴がいるんだな。
普通に火傷しちゃってるじゃないか

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逃げ逃げ

結局僕は世の中の中に入っていけない、
虫ケラ以下、
ホワイトタイガー以上の人間だから、
どうしたってこうしたって、
どうにもこうにもならない結果に終わって、
どうしようもこうしようもない。

僕はここまで色んなことから逃げてきた。
目の前の嫌なことから逃げてきたし、
人との関わりからも逃げてきたし、
蚊からも逃げてきた。
蚊は恐い。夜も眠れない。
逃げなかったのは、
ホワイトタイガーと対峙した時く

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じゃじゃーん

君がじゃじゃーん!
と飛び出してきて、
じゃじゃーん!
と五匹のヘビを放り投げる形で
お見せしてきたら、
まだまだ、
じゃじゃーん!
ってな君は、
着ている上着の内ポケットを弄り出して、
じゃじゃーん!
とヘビを三匹、
投げ捨てる形で取り出してきた。

更に、
じゃじゃーん!
が止まらない君は、
取り出した全てのヘビを同じ箱に詰め込んで、
じゃじゃーん!
と、その箱の中のヘビを一匹の大蛇に変えた

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置いといて

思えば闘志の出ない人生だった。
ってのは置いといて、
今日も今日とて、
石鹸を食べそうになってしまった。
っていうのはどうでもいいとして、
頭が痛い。
頭痛だ。
ズキズキする。

って、それがなんだ。
そういう話じゃなくて、
今日もまた
食器用洗剤を飲んでしまいそうになった。
って、そういう話でもなくて、
って、なんだっけ?
あれ? なんだっけ?

いや別になにもなかった。
そうだ、そうだよ。

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態度

態度悪いぞ
と態度の良い人に態度を窘められた僕は、
「はぁ、うぜぇ~なぁ」
とご指摘通り態度悪く、
それを受け止めてやり、
しかしそのあとすぐに、
「すいません、改めます」
と態度を良くした。

はぁ、いけないいけない。
納得いかないことがあっても、
それを態度に出しちゃダメだ。
まだまだだな僕は。
だから、
まだまだこういうことはこの先あるだろう。
だって、ほんとまだまだなんだもん僕。
まだまだ

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それは別に

靴を履いたら
何かを潰した感覚があったけど、
それを確認するのは、
なんだか恐いから、
勇気がいるから、
とりあえず気にしないことにして家を出た。

家を出たら、
家の前に包丁を持って
うつ伏せに倒れている人が居たんだけど、
その安否を確認するのは、
なんだか恐いから、
勇気がいるから、
とりあえず逃げるように
駆け足でその場を去った。

その場を去って、
息も心も整えつつ歩いていたら、
前方に無

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どうしてあの娘の口に
秋刀魚を突っ込んだんだと言われても、
先に秋刀魚を僕の口に突っ込んできたのは、
あの娘なんだから、
どうしたもこうしたもない。
やり返しただけだ。

どうなってるんだよあの娘。
おかしいだろ。
僕が美味しくチョコを食べている時にさ、
急に突っ込んできてさ、酷いじゃん。
何が、「魚を愛して!」だよ。
逆効果だろ。
嫌いになるわ。
ホント気分が悪い。

容赦なく喉の奥まで秋刀魚を

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呼び掛け

今日も今日とて
何一つ夢が叶いそうにない今日は、
誰も来そうにない場所に行って、
「誰か居ませんかー!」
って呼び掛けよう。

「一緒に何かしませんかー!」
って呼び掛けよう。
どうせ誰も来やしない。
誰も来ないと思って呼び掛けているんだから、
もし仮に誰か来たら、
「誰だお前!
やっつけるぞコラッ!
誰だオイッ!」
って、キレればいい。

当たり前だろう。
誰も来ないと思って呼び掛けているのに、

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こんなにもステキな朝なのに、
生きる希望を見出だせない僕は、
とりあえずおじいちゃんの家へ行き、
おじいちゃんと一緒に
謎の呪文を二時間ぶっ続けでぶっ唱えた。

その結果僕は、
ハァ! ハァハァ……
ってなもんで、
なんだか死にそうなほど疲れた。
今日はもう、
とてもじゃないけど動けそうにない。

しかし、おじいちゃんは毎日やっているからか全然疲れていない。
元気いっぱいだ。
今、おじいちゃんはキ

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