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彼と私

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同棲中の彼とのあれこれ。アラフォーカップルの日々のこと。
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#同棲

死ぬまで腕を絡ませる

死ぬまで腕を絡ませる

 「漫画タイム? 仕事中?」

 ここ最近にしては早い時間に彼からLINEがきた。あぁ飲みたいのかなぁと思って「何にもしてない中」と送ると「軽く飲み行かない?」ときた。ほぉらやっぱり。同棲して2年もすれば彼の言動はお見通しだ。

 すぐさま着替えて家を後にした。この日の装いは我ながらプチプラの極み。GAPのあみあみニット、ユニクロのレースがかわいいキャミソール、数年前に買ったユニクロの白デニムスカ

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うん、まだ大丈夫。

うん、まだ大丈夫。

 最近彼は仕事が忙しいようで、今朝もいつもよりも1時間早く家を出た。本来なら私も一緒に起きて見送りたいけど、あいにく朝は弱く改善の見込みはない。彼の「いってきまーす」に「いってらっしゃーい、気をつけてねぇ!」とベッドから返すので精一杯だ。

 朝は早く、夜は遅い。今日も彼にしては遅かった。よほど疲れたようで「ただいま」の声には覇気がなかった。

「遅かったね、疲れたでしょ?忙しかったの?」

「う

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【食エッセイ】私を狂わす悪魔のポテトフライ

【食エッセイ】私を狂わす悪魔のポテトフライ

 意を決して何かに取り組み始めたのに邪魔が入る。こんな経験をした人は少なくないだろう。私もよくある。その大半はダイエットにおいてだ。

 休日は彼と浮かれて食い道楽をする。外食したり、家だとしても飲んで食べてぐうたらしたりが我々のお決まり。そんなんだから大抵月曜日は増量している。月曜の朝はいつも誓う。「平日で戻してやる!」と。これが私の1週間のはじまりだ。

 今週もそうだ。月曜日から早速気を引き

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多分これが彼と円満の秘訣

多分これが彼と円満の秘訣

 うちの彼は穏やかな性格で平和主義。そのおかげで仲良くやっているが、他にもいろいろと工夫したり、無意識でやっていることが円満につながっている。

これとか↓

 パートナーと仲良くするには、ある程度は相手を思って行動することが大切だと思う。それは些細なことで十分だ。

 先月のホワイトデーは、たまたま会社帰りの彼と外で待ち合わせた。この日がホワイトデーであるとすっかり忘れていた私。待ち合わせの日高

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ひだまりの優しさ

ひだまりの優しさ

ライターって孤独。

もう慣れたけど、ライターはひとりの時間がほとんど。インタビューもあるけど、基本は誰とも話さずに黙々と書く。締め切り前に必死で書いているときは孤独を感じやすい。あー私ひとりで何してるの、なんでこんなに書いてるのって。

うまい言い回しや納得した言葉が出てこないときは苦しい。手が止まる。でも、締め切りは刻一刻と迫っている。締め切りに追われる恐怖で心細くなる。

ひどいときは、本当

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【エッセイ】彼と仲良くしたいならイタリア人になれ

【エッセイ】彼と仲良くしたいならイタリア人になれ

私と彼氏は仲が良い。
彼は温厚な性格でめったに怒らない。それが仲良くいられる一番の理由だと思うが、それ以外の理由は何だろうと考えた。

まず、お互い小言を言わない。

あ、ちょっと嘘。私は家事のことで言ってしまう。でも、夫婦間でよくある「許せない家事の不満」とか「生活の価値観に対するズレ」とかはない。人間完璧じゃないから、合わないことがあっても大目に見る。

それに、ふたりともマイペースな性格かつ

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【エッセイ】彼氏に料理を作ってもらう方法

【エッセイ】彼氏に料理を作ってもらう方法

土日の昼食といえば彼の料理だ。ここ数週間、いや数ヶ月を振り返ってみて、私が土日の昼食を作った記憶がない。

彼が作る料理はザ•男料理。あるものでパパッと作る。味の好みが似ていることに加え、彼は味付けのセンスが良い。量もボリューミーで、毎回舌も腹も満足している。

ラーメンは必ず具をたっぷりとのせてくれる。これはデブ防止の意味もある。ついつい麺を大盛りにしたくなるが、具材がたくさんあれば腹も満たされ

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【エッセイ】やっぱりこれよ。

【エッセイ】やっぱりこれよ。

今日は彼の帰りが遅い。

ここ最近仕事が忙しいとは聞いているが、それにしても今日は遅い。どんなに遅くたって20時に帰ってくるのに、20時半を過ぎても帰ってこない。

いつもなら、元気よく「ただいま〜」と帰ってきて、すぐさま近くのスーパーで買ってきたお酒を冷蔵庫に入れて、リビングに颯爽と登場してソファに直行、そして一服。その場でスーツを脱ぎ、部屋着に着替えたらソファにドサっと座り込む。

落ち着いた

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【エッセイ】彼のラーメン

【エッセイ】彼のラーメン

自分で言うのもだが、私はグルメである。元々食いしん坊であることに加え、母が外食好きで小さい頃から美味しいものは割と食べてきた。そのおかげで、早い段階から「これは良い素材を使っている」「味に奥行きがない」などわかるようになった。

さらに、私の美食好きに拍車をかけたのは結婚だ。元夫は経営者で、美味しいものをよく知っていてたし、社長夫人という立場に恥じないように教養や知識を広げるため、高級フレンチや会

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【エッセイ】睡眠音楽

【エッセイ】睡眠音楽

最近仕事が忙しい。それなのにプライベートの予定も多々あるから仕事をこなすのに手一杯だ。

じゃあプライベートの予定を少なくすればいいと思うだろうが、そうもいかない。体のメンテナンス、司会業のためのボイトレ、地元の活動とどれも手放せない。

特に体のメンテナンスは健康のために注力している最中で、並行してダイエットもいい感じに進んでいるからちゃんとやりたいのだ。

やると決めると一気にやるこの性格は、

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【エッセイ】地獄から天国

【エッセイ】地獄から天国

先日、私は詐欺に遭った。ネット通販詐欺だ。人生で初めてのことである。さすがに根明の私でも落ち込み、詐欺に遭った当日の夜はぐしゃぐしゃっとした気持ちだった。

何よりも、彼に申し訳なかった。購入手続きフォームに今の家の住所を入力した。住所には「〇〇〇〇(彼の名前)方」と入れたのだ。電話番号は私のものだが、彼の情報までも漏れてしまった。本当に申し訳ない。

この事実を彼に話した。

すると、彼は落ち着

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【エッセイ】サザエさん症候群

【エッセイ】サザエさん症候群

亡き父は、サザエさんが好きだった。
なんの変哲もない日常をおもしろおかしく、ときに感動を交えながら伝える。よくできた話だと母に力説していたらしい。これを聞いてから、私もサザエさんの見方が変わり、途端に好きになった。父が言ったからということもあるが、歳を重ねるごとにサザエさんの素晴らしさを感じている。

サザエさんの時間になったので、彼に見るよと伝えると、彼はこう言った。

「俺ら会社員はさ、サザエ

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【エッセイ】勝利

【エッセイ】勝利

今日は久々に会食。渋谷でしーすーだった。

明日は締切かつ、余裕があれば取引先に出社する予定だ。次々とごちそうが運ばれてきても、お酒はたしなむ程度に抑えた。

うん、よくやった…!!

早めに解散となり、家路につく。帰宅したのは22時。うん、いい感じだ。

帰宅すると彼はいつものごとく晩酌中だ。今日は仕事が忙しかったとのことで、とめどなく話してくる。彼に労いの言葉をかけ、冷蔵庫を開けた。

普段な

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【エッセイ】足裏

【エッセイ】足裏

彼とは家事を折半している。

私は床掃除と洗濯物、トイレ掃除を担当。彼は皿洗い、ゴミをまとめて出す係だ。洗濯物は最初から彼にお願いされた。自分で私の下着を干したら、私を女として見られなくなると。なんじゃそりゃ。

まぁいっかと思い、洗濯物は引き受けた。私はゴミ出しが面倒だから彼にお願いした。お互い嫌な家事を相手に任かせて、それぞれの役割を全うしている。家事で喧嘩することはない。我が家はいたって平和

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