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【エッセイ】勝利

今日は久々に会食。渋谷でしーすーだった。

寿司会席

明日は締切かつ、余裕があれば取引先に出社する予定だ。次々とごちそうが運ばれてきても、お酒はたしなむ程度に抑えた。

山形の日本酒

うん、よくやった…!!

早めに解散となり、家路につく。帰宅したのは22時。うん、いい感じだ。

帰宅すると彼はいつものごとく晩酌中だ。今日は仕事が忙しかったとのことで、とめどなく話してくる。彼に労いの言葉をかけ、冷蔵庫を開けた。

普段なら彼につられてハイボールを飲むところ、外出前に作っておいた麦茶で喉を潤す。うん、誘惑に負けていない。偉いぞ私。

このままあと数時間起きて、胃の消化が落ち着いたら入浴、そして就寝。彼の話を聞きながらストレッチをする。ちゃんと自分のことも労われている。とてもいい感じだ。

と思っていた矢先、彼が湯を沸かす。


カップヌードルとカレーヌードル。

晩御飯後のインスタント麺ほどうまいものはない。彼は湯をカレーヌードルに注ぎ、レタスとトマトという今まで見たことがないトッピングをほどこす。リビングに持ってきて、目の前で頬張り始めた。

カップヌードルが余っている。

た、食べたい……。


ここで葛藤が始まる。

今ここで食べたら、翌朝は食べたことを後悔し、食べた自分にイラつき、太った自分に落ち込む。いつものパターンだ。不快感に満ちた朝を迎え、不機嫌な一日になるだろう。

頭ではわかっている。けれど、彼のカレーヌードルを見ると食欲が湧いてくる。数時間前にあれほど寿司を食べたのに、私の食欲は減ることを知らない。

さっき食べただろ、いかんだろと自分に言い聞かせる。彼の頬張る姿を目の前に、何食わぬ顔をしていたが、頭の中はカップヌードルを食べたい自分と我慢する自分が対峙していた。

なんでこのタイミングで食べるんだよ……。

葛藤している私を見破ったのか、彼は私に話しかけた。

「食べたいんでしょ?」

そう言いながらカレーヌードルを差し出した。

カップヌードルを丸々一つ食べるより、何口か食べれば気持ちもお腹も満たされる。

この言葉に乗った。


シャキシャキレタスと濃厚なカレースープ。想像以上に相性抜群で、天才的にうまい。また、シャキシャキと咀嚼するから、3口でもお腹が満たされる。レタスを入れた彼を天才だと思った。

3口をよぉくよぉく噛み締めて、腹を満たし、さらに麦茶を流し込む。ようやくお腹がおさまった。


こうして、私はカップヌードルの誘惑に勝つことができた。明日の朝は不機嫌になることなく、気持ちよく一日のスタートを切れるに違いない。残りのカップヌードルは明日の昼に食べようと思う。

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