濵口謙司 / フランス政府公認ガイド

フランス政府公認ガイド、通訳案内士(英仏西伊葡)。現在はフランスのブルターニュ地方在住…

濵口謙司 / フランス政府公認ガイド

フランス政府公認ガイド、通訳案内士(英仏西伊葡)。現在はフランスのブルターニュ地方在住でモン・サン・ミッシェルなどでガイド業務に従事。日仏でのガイドの視点から見た両国の文化遺産、ガイド職業論、フランス語を中心に語学について綴っています。tourismejaponais.com

マガジン

  • ガイドという職業

    日本で通訳案内士として外国人、フランスでフランス政府公認ガイドとして日本人や外国人をガイドした経験を通じて感じたガイドという職業について思ったことを綴っています。

  • 時代を読むフランス語メモ

    フランスのニュースなどでよく耳にする単語を、時事的な解説を踏まえて紹介しています。

  • 音声マガジン「ガイドと旅するフランス」

    ❇︎Podcastで配信中の「ガイドと旅するフランス」と同じ内容となっています。最新のエピソードは下記のリンクからApple PodcastsやSpotifyやGoogle Podcastsをチェックしてみてください。 ◆Apple Podcasts https://urlz.fr/cOnU ◆Spotify https://urlz.fr/cLGv ◆Google Podcasts https://urlz.fr/cLGs

  • 1分で巡るフランスの街

    旅行に行きたいけれど、行くことができない・・・そんな方へ。自宅でフランスを旅してみませんか?

  • 1分で知るフランスの建築

    世界遺産に指定されている至宝からあまり知られていない建物まで、フランスの建築物を1分で解説しています。

記事一覧

フランスでフランス人をガイドする

コロナ禍で変わったこと。 数えるときりがないくらいたくさんあるのですが、仕事面でいうと、フランス人観光客をガイドする機会が大幅に増えたことでしょうか。 コロナ以…

時代を読むフランス語メモ【7】

今回ご紹介する言葉は、日常生活に密接したコロナ禍の中で生まれた造語です。 drive piéton (m) この言葉は2つの単語を組み合わせた造語です。 driveというのは英語の…

5年越しのシスティーナ礼拝堂

もうかれこれ5年前の話になるのですが、初めてローマを訪れました。イタリア自体はすでに2度行ったことがあったので、3度目のイタリア訪問でした。 アパートを借りてクリ…

フランス2度目のロックダウン

コロナウイルスの感染拡大に伴い、先週の10月30日から12月1日までのフランスでは2度目の外出制限令が敷かれています。 例年だとこの時期は日本に一時帰国しているのですが…

コロナ禍のヨーロッパ文化遺産の日を終えて

コロナ禍の中、今年もヨーロッパ文化遺産の日が9月19日と20日に開催されました。 新型コロナの感染拡大によりボルドー、ニース、リールなどでキャンセルになる中、私が住…

観光大国フランスのコロナ禍の夏

8月に入り、フランスでは夏のバカンスシーズンも折り返し。ハイシーズンの序盤にコロナで打撃を受けた観光業がどう巻き返すのかに注目が集まっていました。 現在はどの国…

ガイドと旅するフランス「フランスの海水浴場の歴史」

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フランスの夏のバカンスの行き先として人気なのは何と言っても海。現在では当たり前のようにある海水浴場ですが、実はお隣の国のイギリス発祥の文化でもあります。 イギリ…

コロナ禍のガイドツアー再開

3月の半ばにコロナの影響で外出自粛令が出る前に、最後にモン・サン・ミッシェルでツアーをして早いもので4ヶ月が経ちました。 昨日、地元の観光案内所から「明日ツアーを…

ガイドと旅するフランス「フレンチポテトはフランス生まれ?」

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日本でもファーストフード店などでよく食べられているフレンチポテト。「フレンチ」と言うからにはフランスと関係があるのでしょうか? 今回は知られざるフレンチポテトの…

ガイドと旅するフランス「パリのノートル・ダム大聖堂」

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パリのノートル・ダム大聖堂はゴシック様式の教会建築の傑作として知られます。2019年4月15日の火災で尖塔が焼失してしまったことは今も記憶に新しいところです。世界中で…

西洋美術史はなぜ絵画中心なのか?

以前からずっと思っていたことなのですが、西洋美術史の本って建築や彫刻より絵画の占める割合が高い気がしませんか? 例えば、歴史的に有名なヨーロッパの画家を挙げるの…

ガイドと旅するフランス「モネと浮世絵」

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19世紀のフランスを代表する画家の一人、クロード・モネ。「睡蓮」などの代表作で知られる印象派の巨匠が晩年を過ごしたジヴェルニーの家を訪れると、室内には数多くの浮世…

1分で巡るフランスの街<ディナン>

思うように旅行ができない今なので、おうちでフランスを旅してみませんか?今日はブルターニュ地方のディナンをご案内します。 フランス北西部のディナンは地元のブルター…

ガイドと旅するフランス「カマンベールチーズの誕生秘話」

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数あるフランス産のチーズの中でも、ノルマンディー地方のカマンベールチーズは特に世界的に高い知名度を誇ります。このエピソードでは知っているようで知らないカマンベー…

「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ」電子書籍出版記念イベント開催!

私の著書のガイドブック「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ(イカロス出版)」が出版されたのが2018年10月末のこと。 フランスに住んでいるとい…

ガイドと旅するフランス「シャンパンの意外な由来とは?」

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世界的な知名度を誇るシャンパンはフランス東部のシャンパーニュ地方原産のスパークリングワインです。シャンパンの製造を取り巻く景観は、「シャンパーニュの丘陵・メゾン…

フランスでフランス人をガイドする

フランスでフランス人をガイドする

コロナ禍で変わったこと。

数えるときりがないくらいたくさんあるのですが、仕事面でいうと、フランス人観光客をガイドする機会が大幅に増えたことでしょうか。

コロナ以前は日本人観光客が中心だったので、全く別の仕事をしているような感覚すら覚えます。とはいえ、インバウンド観光が厳しい状況の中、こういう機会が頂けていることはありがたいことだなと思います。

国ごとに違うガイドツアーのアプローチフランス人を

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時代を読むフランス語メモ【7】

時代を読むフランス語メモ【7】

今回ご紹介する言葉は、日常生活に密接したコロナ禍の中で生まれた造語です。

drive piéton (m)

この言葉は2つの単語を組み合わせた造語です。

driveというのは英語のドライブから来ています。ドライブインとかドライブスルーとかのドライブです。参考までに、以下がLe Robertのオンライン版による定義です。

Service permettant de retirer une c

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5年越しのシスティーナ礼拝堂

5年越しのシスティーナ礼拝堂

もうかれこれ5年前の話になるのですが、初めてローマを訪れました。イタリア自体はすでに2度行ったことがあったので、3度目のイタリア訪問でした。

アパートを借りてクリスマス時期に1週間くらい滞在したのですが、クリスマスの日は文化施設が軒並み閉まっていたので、その分、別の日のスケジュールがタイトに。ローマは見るところが多いので、時間に追われつつ、ひたすら歩いたのを覚えています。

見たかったものは全部

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フランス2度目のロックダウン

フランス2度目のロックダウン

コロナウイルスの感染拡大に伴い、先週の10月30日から12月1日までのフランスでは2度目の外出制限令が敷かれています。

例年だとこの時期は日本に一時帰国しているのですが、こういう状況なのでフランスの自宅でおとなしく過ごしています。

とはいえ、一歩外に出ると、今春との違いも見られます。大学や高等教育機関を除けば学校は普通にあったり、仕事をしている人も前回に比べれば多いので、あまりロックダウン感は

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コロナ禍のヨーロッパ文化遺産の日を終えて

コロナ禍のヨーロッパ文化遺産の日を終えて

コロナ禍の中、今年もヨーロッパ文化遺産の日が9月19日と20日に開催されました。

新型コロナの感染拡大によりボルドー、ニース、リールなどでキャンセルになる中、私が住むブルターニュ地方のレンヌでも開催が危ぶまれていました。前日までどうなるか分からず、ずっとニュースを追っていましたが、最終的には2日間無事終えることができました。

ヨーロッパ文化遺産の日の醍醐味の一つは普段は入ることができない歴史あ

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観光大国フランスのコロナ禍の夏

観光大国フランスのコロナ禍の夏

8月に入り、フランスでは夏のバカンスシーズンも折り返し。ハイシーズンの序盤にコロナで打撃を受けた観光業がどう巻き返すのかに注目が集まっていました。

現在はどの国もそうですが、フランスでも外国人観光客は例年に比べ激減。頼みの綱は国内旅行です。

蓋を開けてみると、残酷なまでに明暗がくっきりと・・・。各地方の7月のホテルの稼働率を基準に見てみると、ブルターニュ地方などの大西洋岸などは盛況なようです。

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フランスの夏のバカンスの行き先として人気なのは何と言っても海。現在では当たり前のようにある海水浴場ですが、実はお隣の国のイギリス発祥の文化でもあります。

イギリス人がどのようにフランスの海水浴場建設に関わったのか、などフランスの海水浴場の歴史の始まりについてお話ししています。

コロナ禍のガイドツアー再開

コロナ禍のガイドツアー再開

3月の半ばにコロナの影響で外出自粛令が出る前に、最後にモン・サン・ミッシェルでツアーをして早いもので4ヶ月が経ちました。

昨日、地元の観光案内所から「明日ツアーを追加したんだけどできる?」との急に電話がかかってきました。

「あ、明日・・・?はい、分かりました」

というわけで、思いがけない形でコロナの外出自粛令解除後の最初のツアーをしてきました。場所はレンヌのブルターニュ高等法院。

前日の夜

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日本でもファーストフード店などでよく食べられているフレンチポテト。「フレンチ」と言うからにはフランスと関係があるのでしょうか?

今回は知られざるフレンチポテトの起源から、フランスのフレンチポテトの本場についてお話ししています。

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パリのノートル・ダム大聖堂はゴシック様式の教会建築の傑作として知られます。2019年4月15日の火災で尖塔が焼失してしまったことは今も記憶に新しいところです。世界中で知られているこの建物がどのように現在の姿になったのかについてお話ししてみました。

❇︎Podcastで配信中の「ガイドと旅するフランス」と同じ内容となっています。最新のエピソードは下記のリンクからApple PodcastsやSpo

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西洋美術史はなぜ絵画中心なのか?

西洋美術史はなぜ絵画中心なのか?

以前からずっと思っていたことなのですが、西洋美術史の本って建築や彫刻より絵画の占める割合が高い気がしませんか?

例えば、歴史的に有名なヨーロッパの画家を挙げるのは簡単でも、建築家となるとグッとハードルが上がってしまうのではないでしょうか。

昨年日本に一時帰国した時に、西洋建築の本を大きな書店で色々探してみたのですが、思った以上に選択肢が少ないことに驚きました。

絵画の本となるとかなり敷居が低

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ガイドと旅するフランス「モネと浮世絵」

フランス政府公認ガイド 濵口謙司

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19世紀のフランスを代表する画家の一人、クロード・モネ。「睡蓮」などの代表作で知られる印象派の巨匠が晩年を過ごしたジヴェルニーの家を訪れると、室内には数多くの浮世絵が至るところに飾られています。

モネの家にどうしてこれほど多くの浮世絵があるのでしょう?今回はモネと浮世絵の知られざるつながりについてお話ししています。

❇︎Podcastで配信中の「ガイドと旅するフランス」と同じ内容となっています

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1分で巡るフランスの街<ディナン>

思うように旅行ができない今なので、おうちでフランスを旅してみませんか?今日はブルターニュ地方のディナンをご案内します。

フランス北西部のディナンは地元のブルターニュ地方に住む人が「美しいからぜひ訪れるべきだ」と異口同音に言う街です。

木骨づくりの街並みはもちろんのこと、街から見下ろすランス川とディナン港の景色は絶景です。

過去の動画はYouTubeでも公開しています。チャンネル登録もよろしく
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数あるフランス産のチーズの中でも、ノルマンディー地方のカマンベールチーズは特に世界的に高い知名度を誇ります。このエピソードでは知っているようで知らないカマンベールチーズの特徴や歴史についてお話しします。

❇︎Podcastで配信中の「ガイドと旅するフランス」と同じ内容となっています。最新のエピソードは下記のリンクからApple PodcastsやSpotifyやGoogle Podcastsをチ

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「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ」電子書籍出版記念イベント開催!

「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ」電子書籍出版記念イベント開催!

私の著書のガイドブック「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ(イカロス出版)」が出版されたのが2018年10月末のこと。

フランスに住んでいるということもあって、特に紙の書籍が出たときも出版イベントとかをしなかったのですが、何かしたいなと思いながら1年半以上が過ぎてしまいました・・・。

そんな中、コロナ禍の中で「おうちで海外旅行」ができるようにと、今年の5月に楽天Kobo、

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世界的な知名度を誇るシャンパンはフランス東部のシャンパーニュ地方原産のスパークリングワインです。シャンパンの製造を取り巻く景観は、「シャンパーニュの丘陵・メゾンとカーヴ」として2015年にユネスコ世界遺産にも指定されました。飲んだことはなくても名前は聞いたことはあるという方も多いのではないでしょうか?

シャンパンは歴史を知れば知るほど、味わいが深まります。奥深いシャンパンの世界をフランス政府公認

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