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時代を読むフランス語メモ

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フランスのニュースなどでよく耳にする単語を、時事的な解説を踏まえて紹介しています。
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時代を読むフランス語メモ【7】

時代を読むフランス語メモ【7】

今回ご紹介する言葉は、日常生活に密接したコロナ禍の中で生まれた造語です。

drive piéton (m)

この言葉は2つの単語を組み合わせた造語です。

driveというのは英語のドライブから来ています。ドライブインとかドライブスルーとかのドライブです。参考までに、以下がLe Robertのオンライン版による定義です。

Service permettant de retirer une c

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時代を読むフランス語メモ【6】

時代を読むフランス語メモ【6】

先月末のジョージ・フロイド事件をきっかけに、フランスでは6月に入ってから「Black Lives Matter」運動に関連する報道が随分と増えました。

この問題はフランスにも飛び火し、人種差別の問題や警察の暴力など様々な問題が絡み合って収束の糸口が見いだせていません。

そこで、今回はここ数日ニュースをにぎわしている単語です。

étranglement

「étranglement」というのは

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時代を読むフランス語メモ【5】

時代を読むフランス語メモ【5】

夏のバカンスシーズンが近づき、フランスではコロナウイルス感染の危機管理として、国境をどこまで開けるのかに注目が集まっています。

今日ご紹介するのは旅行者にとって気になるこの言葉です。

quatorzaine

この単語はコロナウイルス感染拡大に伴って市民権を得たものの一つで、外国から来た旅行者や自国民の「検疫、隔離」を意味する言葉です。

コロナ以前に「検疫、隔離」というと一般的に使われていた

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時代を読むフランス語メモ【4】

時代を読むフランス語メモ【4】

今回ご紹介するフランス語の表現は、コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛期間の終わりくらいから時々聞くようになった単語です。

vélorutionvélorutionという単語は造語なので、おそらく辞書に載っていないのではないかと思います。実はこの単語は、révolution「革命」のアナグラム、つまり文字を入れ替えてできた単語です。

知らない単語を見たとき、ほとんどの人が接尾辞や接頭辞などを外

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時代を読むフランス語メモ【3】

時代を読むフランス語メモ【3】

今回ご紹介する表現自体は特に新しくはありません。ただ、多くのメディアで見出しを飾っているという点で世相を表した表現かなと思います。

バックナンバーは↓のマガジンからどうぞ。

au chevet de chevetというのは「枕元」という意味です。この表現は「〜の枕元で」という意味となります。

au chevet de の後の目的語には人を表す言葉が来ます。主語にあたる誰かが、目的語である(し

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時代を読むフランス語メモ【1】

時代を読むフランス語メモ【1】

フランス語のニュースを毎日読んだり、見たり、聞いたりしていると、自然と新しい単語を覚えていきます。

興味深いなと思うのが、特定の単語はもちろんなのですが、あるテーマを扱う際に同じ表現やイディオムがどのメディアでも使われたりすること。そういった表現を見ると、その時代が感じられます。

あとは、新語と外来語ですね。フランス語は日本語に比べると外来語に対しては保守的とはいえ、英語の単語も最近ではよく使

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時代を読むフランス語メモ【2】

時代を読むフランス語メモ【2】

前回の記事で、ご紹介した単語「déconfinement」が辞書に載るのではないかというお話しをしましたが、2021年版の仏仏辞典「Le Petit Robert」に掲載が決まったようです。

ちなみに、書籍版は6月4日からフランスの書店に並び出すとのことです。

さて、今回は前回に引き続き、コロナウイルス関連の表現です。

gestes barrièresgesteは「身振り、行動」、barri

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