Kazuo Yoshida

京都に生まれ育って今は東京に住んでいる山と庭と花と本と写真と美術とカフェと自転車が好き…

Kazuo Yoshida

京都に生まれ育って今は東京に住んでいる山と庭と花と本と写真と美術とカフェと自転車が好きな素人。美術や京都や山の話などを綴ります。

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    芸術に触れて心が喜んだ感想など

  • 京都 温故知新

    以前作っていたWebサイト「京都 温故知新」の何となくの余韻です。

  • 山の写真とお話

    趣味の山の写真と登山に関するお話など。

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    四季折々の花が好きでよく愛でたり写真を撮りに出かけます。 その私の主観による好みも偏っていますが、そんな好きな花の写真や、その花にまつわるお話なども書き散らす素人の散文。

記事一覧

「再考・会津の冬」やないづ町立斎藤清美術館 会津の深い雪の世界を求めて

記憶にある限り、最初に斎藤清さんの作品を知ったのは東京都美術館でした。展覧会ではなく売店の絵葉書。確かエゴン・シーレ氏の展覧会を観に訪れた時。 そして先日に中村…

Kazuo Yoshida
2日前
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田中一村展 - 東京都美術館 その溢れる技巧と苦悩から生み出される作品に感銘

いつものことながら、素人で芸術に無知な私は、田中一村氏のことは存じ上げず、美術手帖のWebサイトでお見かけして今回の展覧会は初めて知りました。生前はほとんど評価さ…

Kazuo Yoshida
9日前
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浅間国際フォトフェスティバル2024 MMoP ゆったりとした自然の中で芸術鑑賞

7月20から開催されていた浅間国際フォトフェスティバル2024。会期が来週の三連休、9月16日までと迫る中あわてて(?)訪れました。 あるインフルエンサーの方のI…

Kazuo Yoshida
3週間前
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山と雪と水に耽溺 「奥村厚一 光の風景画家 展」 京都市京セラ美術館

二ヶ月に一度の定期的な帰郷。今回の楽しみのひとつが京都市 京セラ美術館にありました。話題の村上隆氏ではなく、Webで見かけた雪の山の作品。「浄晨(じょうしん)」と名付…

Kazuo Yoshida
1か月前
59

涼しい室内で心地よく名画達に包まれる TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション 東京国立近代美術館

台風は大きな被害を出すことなく去ってくれて一安心な土曜日。朝から台風一過の快晴!で、少し湿度が下がったようにも思えるのですが、フェーン現象で猛暑。こんな日は心拍…

Kazuo Yoshida
1か月前
32

東山魁夷さんを愛でに山種美術館へ 「東山魁夷と日本の夏」

暑い日が続きますね。 前日にロードバイクで走ったところ、少し心肺に負荷をかけたとはいえ、平地を4時間程度走っただけで熱中症の兆候がみられたので、早々に帰宅して身…

Kazuo Yoshida
1か月前
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市ノ川 倫子さんの作品展でその世界観に耽溺する ソニーイメージングギャラリー銀座

104 GALARIEを後にして、人通りの少ない道を選んで夏の渋谷を徘徊し、銀座線に乗ってソニーイメージングギャラリー銀座へ。 お目当ては市ノ川 倫子さんの作品展「Even if t…

Kazuo Yoshida
2か月前
28

104 GALARIEで平松 麻さんの作品に出会う

104 GALARIEで開催されている「グループ展:ローバと・ボンシオ、平松 麻、ドナータ・ヴェンダース」を訪れました。 こちらは以前も訪問し、その際に開催されていたKOMOREB…

Kazuo Yoshida
2か月前
20

芦田みゆき氏「午後4時の森」 銀座奥野ビル Gallery Camellia

実はこの写真展、本日19時までが会期ですので、このnoteが書き終わる頃には終了してしまいます。会期が終わって訪れられない写真展をnoteでご紹介してもどなたの参考にもな…

Kazuo Yoshida
3か月前
28

ワタスゲがふわりと揺れる湿原の風

先週の土曜日、再び山の中を歩いてきました。 お目当てはふわりふわりと風に揺れるワタスゲの風情。 場所は吾妻山系の谷地平湿原。こちらで度々ご紹介している鎌沼や魔女の…

Kazuo Yoshida
3か月前
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18人の写真家を通して富士を感じる 「Wonder Mt.FUJI」 東京都写真美術館

昨日にnoteを書いた日本画の美術展を観終わった後、ふらふらと中目黒や代官山の横道を散策しつつ、恵比寿に向かいました。 お目当ては東京都写真美術館で開催されている「…

Kazuo Yoshida
4か月前
53

絵画の森を逍遥 「FROM - それぞれの日本画 - 」  郷さくら美術館

先週末は山の中の森を堪能。 そして今週末は絵画の森の中をそぞろ歩きしてきました。 場所は中目黒の郷さくら美術館。こちらは現代日本画を専門とする美術館。以前もこち…

Kazuo Yoshida
4か月前
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花の当たり年と裏年を思う

例年ですと、新緑で山が笑い転げている頃からしばらくは、私は白八汐(しろやしお)こと五葉躑躅(ごようつつじ)で浮かれています。noteで振り返ってみると、昨年などは短…

Kazuo Yoshida
4か月前
20

星野 富弘氏作 「山笑う」 富弘美術館 笑う山々の余韻と共に春の花々と言葉を心に

星野富弘氏の、穏やかでありながら深みのある言葉の添えられた花の絵。これらの作品は群馬県の山の登山口に飾られていることが多く、群馬の山々を愛する人々にはお馴染みの…

Kazuo Yoshida
4か月前
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山の水辺の心地よさを再び思う

今年のGWはほぼ暦通りに好天となり、皆様お楽しみになったのではないでしょうか。私はと申しますと、人混みや渋滞が嫌いなものですから(お好きな方はあまりいらっしゃらな…

Kazuo Yoshida
4か月前
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MICHAEL KENNAさん 「JAPAN」 代官山ヒルサイド・フォーラムにて5/5まで

少々雨模様のゴールデンウィーク初日。 朝、雨後の清々しい緑の匂いに満たされた明治神宮の御苑に伺い、心を解きほぐし。 会期の終了が迫っている高木由利子さんの写真展…

Kazuo Yoshida
5か月前
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「再考・会津の冬」やないづ町立斎藤清美術館 会津の深い雪の世界を求めて

「再考・会津の冬」やないづ町立斎藤清美術館 会津の深い雪の世界を求めて

記憶にある限り、最初に斎藤清さんの作品を知ったのは東京都美術館でした。展覧会ではなく売店の絵葉書。確かエゴン・シーレ氏の展覧会を観に訪れた時。

そして先日に中村一村氏の展覧会をお目当てに同館を再訪し、再び訪れたい思いが高まる。

しかもちょうど今は、私が惹かれた会津の雪がテーマを開催中。生憎の雨模様で登山には不向きな週末。すでに思い立ってかなり月日が経ちましたが。。思い立ったら吉日、一期一会と都

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田中一村展 - 東京都美術館 その溢れる技巧と苦悩から生み出される作品に感銘

田中一村展 - 東京都美術館 その溢れる技巧と苦悩から生み出される作品に感銘

いつものことながら、素人で芸術に無知な私は、田中一村氏のことは存じ上げず、美術手帖のWebサイトでお見かけして今回の展覧会は初めて知りました。生前はほとんど評価されず、週十年前、死後にNHKが取り上げた際にブームになったのだとか。当時のテレビの影響力は凄かったのですね。我が家にはテレビはありませんが。。

今回も素人の感想文を書き連ねてみます。
結論から申しますと、074と展示番号が付された「秋色

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浅間国際フォトフェスティバル2024 MMoP ゆったりとした自然の中で芸術鑑賞

浅間国際フォトフェスティバル2024 MMoP ゆったりとした自然の中で芸術鑑賞

7月20から開催されていた浅間国際フォトフェスティバル2024。会期が来週の三連休、9月16日までと迫る中あわてて(?)訪れました。
あるインフルエンサーの方のInstagramで拝見したこちらのフォトフェスティバル、開催地であるMMoP(モップ)と共に事前に存じ上げず、その紹介された写真の魅力と共に訪れたいと思っていました。知ったのは7月だったと思うのですが、会期が長いなとゆったりと構えていたら

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山と雪と水に耽溺 「奥村厚一 光の風景画家 展」 京都市京セラ美術館

山と雪と水に耽溺 「奥村厚一 光の風景画家 展」 京都市京セラ美術館

二ヶ月に一度の定期的な帰郷。今回の楽しみのひとつが京都市 京セラ美術館にありました。話題の村上隆氏ではなく、Webで見かけた雪の山の作品。「浄晨(じょうしん)」と名付けられたその作品の作者である奥村厚一氏の展覧会。

いつもの狛犬にただいまと声をかけ

八坂さんにご挨拶をし、

知恩院で蓮を愛でる

と言ういつもの散歩道を辿って岡崎へ。

ご家族連れも混じって随分と賑わっていると思えば、ほとんどの

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涼しい室内で心地よく名画達に包まれる TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション 東京国立近代美術館

涼しい室内で心地よく名画達に包まれる TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション 東京国立近代美術館

台風は大きな被害を出すことなく去ってくれて一安心な土曜日。朝から台風一過の快晴!で、少し湿度が下がったようにも思えるのですが、フェーン現象で猛暑。こんな日は心拍を上げた運動は危険ということで、涼やかな室内で美しい作品達に包まれようと、東京国立近代美術館を訪れました。

お気に入りのパウル・クレーさんの絵をお目当てにMOMATコレクション(所蔵品展)のみ楽しもうかとも思ったのですが、TRIOと名付け

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東山魁夷さんを愛でに山種美術館へ 「東山魁夷と日本の夏」

東山魁夷さんを愛でに山種美術館へ 「東山魁夷と日本の夏」

暑い日が続きますね。
前日にロードバイクで走ったところ、少し心肺に負荷をかけたとはいえ、平地を4時間程度走っただけで熱中症の兆候がみられたので、早々に帰宅して身体を冷やしておりました。皆様もお気をつけ下さい。
さて、そんな日は冷房の効いた屋内で美術鑑賞。ということで山種美術館を訪れました。お目当ては、度々noteでも書いている、大好きな東山魁夷さんの作品。
東京国立近代美術館のように大作は少ないも

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市ノ川 倫子さんの作品展でその世界観に耽溺する ソニーイメージングギャラリー銀座

市ノ川 倫子さんの作品展でその世界観に耽溺する ソニーイメージングギャラリー銀座

104 GALARIEを後にして、人通りの少ない道を選んで夏の渋谷を徘徊し、銀座線に乗ってソニーイメージングギャラリー銀座へ。
お目当ては市ノ川 倫子さんの作品展「Even if the sky cracks and drops lies」。

私は、いつも美術展を拝見する際に、その説明文をまずは読まずに作品に対することが多く、ひどい時は、説明を読まず終いということも度々です。もちろん例外も多いの

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104 GALARIEで平松 麻さんの作品に出会う

104 GALARIEで平松 麻さんの作品に出会う

104 GALARIEで開催されている「グループ展:ローバと・ボンシオ、平松 麻、ドナータ・ヴェンダース」を訪れました。
こちらは以前も訪問し、その際に開催されていたKOMOREBI DREAMSでドナータ・ヴェンダースさんの作品に惹かれ、そして、それをきっかけに映画「Perfect Days」を知ることができたのでした。その折の顛末は以下のnoteに記した通り。

それで、今回もお目当てはドナー

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芦田みゆき氏「午後4時の森」 銀座奥野ビル Gallery Camellia

芦田みゆき氏「午後4時の森」 銀座奥野ビル Gallery Camellia

実はこの写真展、本日19時までが会期ですので、このnoteが書き終わる頃には終了してしまいます。会期が終わって訪れられない写真展をnoteでご紹介してもどなたの参考にもならないと思うのですが、作者の今後の写真展を訪れるきっかけになれば、また、自身の備忘的な意味もこめて書き記しておきます。

この写真展を知ったきっかけは、先日訪れたMONO GRAPHY Camera&Artさんに置かれていたポスト

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ワタスゲがふわりと揺れる湿原の風

ワタスゲがふわりと揺れる湿原の風

先週の土曜日、再び山の中を歩いてきました。
お目当てはふわりふわりと風に揺れるワタスゲの風情。
場所は吾妻山系の谷地平湿原。こちらで度々ご紹介している鎌沼や魔女の瞳の近くです。とは言え、ワタスゲの群落として有名なのは田代湿原や駒止湿原。谷地平を選んだのは、2位年前の秋に東大巓までの道すがらに立ち寄った際に、今度はワタスゲの頃に訪れたいと言う、果たしたい宿題のようなものであったから。

湿原の一面を

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18人の写真家を通して富士を感じる 「Wonder Mt.FUJI」 東京都写真美術館

18人の写真家を通して富士を感じる 「Wonder Mt.FUJI」 東京都写真美術館

昨日にnoteを書いた日本画の美術展を観終わった後、ふらふらと中目黒や代官山の横道を散策しつつ、恵比寿に向かいました。

お目当ては東京都写真美術館で開催されている「Wonder Mt.FUJI」。18人の写真家の方々の目を通した富士山のイメージの写真展とのことです。
富士山は山を登る人ではなくても、また、日本人でなくともその雄大かつ優美な姿を愛する方々も多いと思います。私もその一人。天皇陛下と共

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絵画の森を逍遥 「FROM - それぞれの日本画 - 」  郷さくら美術館

絵画の森を逍遥 「FROM - それぞれの日本画 - 」  郷さくら美術館

先週末は山の中の森を堪能。
そして今週末は絵画の森の中をそぞろ歩きしてきました。

場所は中目黒の郷さくら美術館。こちらは現代日本画を専門とする美術館。以前もこちらのnoteでもご紹介したことがあります。

今回は好みの作品、特に森や木々の日本画が展示されているとの情報を事前に得ていました。梅雨に入って山に入りづらくなる頃に伺おうと思っていましたが、我慢できずに中目黒の混雑がひどくなる前の午前中に

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花の当たり年と裏年を思う

花の当たり年と裏年を思う

例年ですと、新緑で山が笑い転げている頃からしばらくは、私は白八汐(しろやしお)こと五葉躑躅(ごようつつじ)で浮かれています。noteで振り返ってみると、昨年などは短期間に2回も白八汐について書いています。

我ながら本当に好きだなと呆れるほど。
しかし今年は白八汐の花見には足を向けようとしないまま花期を過ぎようとしています。理由は今年が徹底した白八汐の裏年だから。
昨年はまた躑躅系の花が全般的に数

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星野 富弘氏作 「山笑う」 富弘美術館 笑う山々の余韻と共に春の花々と言葉を心に

星野 富弘氏作 「山笑う」 富弘美術館 笑う山々の余韻と共に春の花々と言葉を心に

星野富弘氏の、穏やかでありながら深みのある言葉の添えられた花の絵。これらの作品は群馬県の山の登山口に飾られていることが多く、群馬の山々を愛する人々にはお馴染みのものです。そんな星野氏の美術館があることを恥ずかしながら最近まで存じ上げませんでした。つい先日、美術館の存在と共に、「山笑う」という名の特別展が開催されていると知り、訪れたいと思っていました。
山笑うとは私の好きな言葉。私の好きな山の姿。

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山の水辺の心地よさを再び思う

山の水辺の心地よさを再び思う

今年のGWはほぼ暦通りに好天となり、皆様お楽しみになったのではないでしょうか。私はと申しますと、人混みや渋滞が嫌いなものですから(お好きな方はあまりいらっしゃらないでしょうけれど)、あまり遠出をせずに近場をサイクリングするか読まずに積み重なった本を読むことを計画をしていました。以前は、GWに入る一日前に休暇を取ってフライングで北アルプスにテントを担いで入ったりもしていたのですが、昔以上にテント場な

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MICHAEL KENNAさん 「JAPAN」 代官山ヒルサイド・フォーラムにて5/5まで

MICHAEL KENNAさん 「JAPAN」 代官山ヒルサイド・フォーラムにて5/5まで

少々雨模様のゴールデンウィーク初日。
朝、雨後の清々しい緑の匂いに満たされた明治神宮の御苑に伺い、心を解きほぐし。

会期の終了が迫っている高木由利子さんの写真展を堪能した後。

極力人混みを避けたルートを選びつつふらふらと散策し代官山ヒルサイド・フォーラムへ。こちらも楽しみにしていたマイケル・ケンナさんの写真展を訪れました。その名も「JAPAN」。

ヒルサイド・フォーラムという空間もゆったりし

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