Kazuo Yoshida

京都に生まれ育って今は東京に住んでいる山と庭と花と本と写真と美術とカフェと自転車が… もっとみる

Kazuo Yoshida

京都に生まれ育って今は東京に住んでいる山と庭と花と本と写真と美術とカフェと自転車が好きな素人。今は休眠している「京都 温故知新」というサイトの中の人。時々京都のことなどこちらで書いていこうと思います。その他の趣味の話もつらつらと。 instagram.com/kyoyousee/

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杉本博司氏 「本歌取り 東下り」を鑑賞して 松濤美術館

言わずと知れた著名な現代作家である杉本博司氏。 一時期、京セラ美術館にも置かれていたガラスの茶室は、光と陰翳が好きな私には良さが分かりませんでした。芸術の巧拙を介さない素人の好みに合わなかったと言うだけですけれど。しかし、江之浦測候所などは写真でしか見たことがないものの惹かれるものがあります。 考えてみれば、大好きな長谷川等伯さんも、円山応挙さんも、本当に好きな作品はそれぞれ松林図屏風と藤花図屏風などと限られるわけですので、逆に良い出会いがあるかもしれぬと三連休最終日に松濤美

    • 谷中のギャラリー WALLS TOKYOで田中宏美さんの個展 「view」を楽しむ

      今ひとつ安定しない空模様の三連休初日。新宿で山の写真展を堪能した後、カフェでTokyo Art Beatで惹かれる作品展は無いかと眺めていて、吸い寄せられたのが田中宏美さんの作品展 「view」でした。 東京国立博物館は度々訪れていて(何しろ正月に長谷川等伯さんの松林図屏風を観ないと年が明けないので)、上野駅を起点に、観賞後はぶらぶらと谷中界隈を歩いて日暮里駅で帰路に着きます。そんな折、綺麗なギャラリーができているなとWALLS TOKYOの存在は知っていたのですが、中に入

      • ヤマハハコ fresh or dry?

        9月2日の土曜日。6月10日以来、実に約3ヶ月ぶりの登山として、谷川岳の西黒尾根というところを歩いてきました。登山ルート等の詳細を書くことは私のnoteの主旨ではありません。今日のお話は登山そのものというよりは、登山道で出会った花のお話。花の名前はヤマハハコ(山母子)。 山頂近くの登山道沿いにたくさん咲いていたヤマハハコ。 好きな花の一つです。細く先の尖った葉の形状も相待って、その咲く風情に魅かれます。しかし、ヤマハハコに最初に魅かれたきっかけは、実は今回のような花の盛り

        • 森に焦がれる

        杉本博司氏 「本歌取り 東下り」を鑑賞して 松濤美術館

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          デイヴィッド・ホックニーさんとサム・フランシスさんを愛でにー東京都現代美術館

          立秋を過ぎて送り火が終わっても陽射しが強く、何よりも南の海から届く湿気に夏が主張する8月18日。夏の美術館巡りは続きます。 お目当てはデイヴィッド・ホックニーさん。正直、以前から展覧会が開催されていることは知っていたものの、それほど積極的に観たいとは思っていませんでした(失礼)。あまり原色や強い色調の絵は好まないということもあります。色という意味では、こちらも間もなく終了するアンリ・マティス展さん方がまだ好みだったのですが、逆にこちらはその表現があまり好きではない。 と言うこ

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          日本画に挑んだ精鋭たち ー 山種美術館

          note上では暑さをしのぐ美術館特集みたいになってしまっていますが、元々私は混雑するお盆の時期は例年遠出を控え気味です。都内は空いているだろうとの見込みで山種美術館に足を運びました。(期待したほど空いてはいなかったのですが。。) 山種美術館は、私が愛する東山魁夷さんの京洛四季シリーズや速水御舟さんの「名樹散椿」を所蔵されているので定期的に訪れています。 今回は、それらの作品は展示されていませんが(今年は9月30日から11月26日まで展示されるようなので、極力椿の時期に近い後

          日本画に挑んだ精鋭たち ー 山種美術館

          「知覚させるかたち」 中西洋人氏個展 京都千總ギャラリー 神々しい木の姿の美しさを堪能

          正直にお話をしますと、この展示をお目当てに訪れたのではなく、訪れるまで中西さんという作家を存じ上げませんでした。であるからこそ、その偶然の出会いに喜びも深くなるのでした。一期一会かセレンディピティか。 場所は京都の三条烏丸にある千總ギャラリー。帰郷にあわせたお目当ては、同ギャラリーで同時開催されている「見えない水を見る」と題された展示の中の円山応挙さんの保津川図でした。 ところが、その手前のスペースに並べられた木彫の作品群にまず吸い寄せられたのでした。 私は森が好きです。

          「知覚させるかたち」 中西洋人氏個展 京都千總ギャラリー 神々しい木の姿の美しさを堪能

          送り火

          毎年八月の盆前には、亡父の墓掃除をした後、その足で銀閣で有名な慈照寺の脇にある浄土院で送り火の塔婆を申し込みます。亡父の戒名を書いた塔婆を、有名な大文字の送り火の中央で燃やすのです。 内陸盆地の京都の夏は蒸し暑いのですが、時間が許せば、塔婆を申し込んだその足で、送り火の火床まで散策するようにしています。 暑いとはいえ、火床までの道は油蝉ではなくヒグラシの涼しげな声が満ちており、陽射しも木々が遮ってくれます。 花崗岩が風化した白砂の清々しくも明るい山道。火床までは普段から地

          LIGHT光 テート美術館展へ

          光の洪水に溺れそうな灼熱の夏。 仕事を休んで午後にテート美術館展を観に東京新美術館を訪れました。芸術の秋と言いますが、真夏日が続く今ごろは美術館巡りに適した季節でもあります。館内はもちろん涼しい。 いつも通り、専門的な解説は図録や他の方のnoteをご参照いただくとして、芸術に関して素人の私が感じるままに、惹かれた作品について感想など連ねて参ります。僅かでも美術展を訪れてみようというきっかけになれば幸いです。 展覧会のテーマはLIGHT 光。 時代の古いものから順番に、光がど

          LIGHT光 テート美術館展へ

          目を冷ます

          目を冷ます

          魅惑的な「植物と歩く」展 ー 練馬美術館

          天気予報で大気が不安定とあり、昨日に引き続いてロードバイクで走ることを断念した日曜日。開催前から訪れたいと思っていたもう一つの展覧会、「植物と歩く」展を鑑賞に練馬美術館を訪問。こちらの美術館は小規模な美術館ながら、魅力的なテーマの企画展が多くよく訪れます。学芸員の方が私のような素人の感情をよく把握されているのでしょうか。その恩恵に今日も浴します。 私を惹きつけたのはタイトル写真の左側の作品、佐田勝氏作「野霧」でした。 しかし、それ以外にも多数の心惹かれる作品、そしてテーマが

          魅惑的な「植物と歩く」展 ー 練馬美術館

          「水」がテーマの展覧会 郷さくら美術館

          雨予報の土曜日。 中目黒の郷さくら美術館は現代日本絵画を中心とした美術館。以前から存在は知りつつも訪れるのは初めて。「水-巡る-」と言う惹かれるテーマにネットで触れての初訪問となりました。 街中に品よく佇む小さな建物の1階から2階の各フロアに今回の主題となる水が主題の作品が、3階には水辺でありつつも美術館の名前にもなっている桜が主題の作品が「桜百景 vol.32」として展示されています。 この中で私が惹かれたのはいずれも1階にある以下の作品でした。いつも通りの素人の感想。

          「水」がテーマの展覧会 郷さくら美術館

          森の空気感を堪能 湯浅 克俊 氏 「Fragmentary」

          梅雨らしいしとしととした、いや、スコールのような暴力的な雨も時折混じるので、昔馴染みの梅雨とは異なる雨の週末。私にとって雨の日は読書の日。でもあり、芸術鑑賞の日でもあります。 今日のお目当ては湯浅克俊氏の作品展、「Fragmentary」。 写真をベースにされた版画の作品展です。 場所は茅場町の 「GALLERY YUKIーSIS」。 展覧会を知ったのは、ネットのどこかで、確か、TOKYO ART BEATだったかな?静かな森の作品に惹かれての訪問です。  この大きな作品

          森の空気感を堪能 湯浅 克俊 氏 「Fragmentary」

          桔梗と桔梗紋

          定期的に京都に帰郷をしています。 この梅雨の時期には、雨で元気な苔の庭を愛でることが楽しみ。 ただ、今回はあいにく(?)の晴天で、苔はあまり元気がありませんでした。 東福寺の行きつけの塔頭でゆっくりとした後、人混みを避けて山麓に向かい、今熊野観音を経由して智積院、元の祥雲禅寺の桔梗を愛でに訪れました。 祥雲禅寺が智積院になったことなどは以前のnoteに記載しているので触れないこととして、 今回のお目当ての桔梗と桔梗紋について少し。 豊臣滅亡後の現・智積院と智山派の寺は桔梗

          桔梗と桔梗紋

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          盛りを過ぎて尚美しき哉

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          ひと足お先に半夏生

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