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18人の写真家を通して富士を感じる 「Wonder Mt.FUJI」 東京都写真美術館

昨日にnoteを書いた日本画の美術展を観終わった後、ふらふらと中目黒や代官山の横道を散策しつつ、恵比寿に向かいました。

お目当ては東京都写真美術館で開催されている「Wonder Mt.FUJI」。18人の写真家の方々の目を通した富士山のイメージの写真展とのことです。
富士山は山を登る人ではなくても、また、日本人でなくともその雄大かつ優美な姿を愛する方々も多いと思います。私もその一人。天皇陛下と共に日本の象徴とも言える山ですね。
やはり私は雪化粧をした富士の山が好きで、丹沢あたりから度々拝んでいます。

雪を失った黒々とした富士山ですと、南アルプスの間ノ岳あたりから見る姿が、山頂部が猫の耳のように双耳峰のように見えてお気に入り。

そんな富士山ですので、写真や絵画でも度々描かれ、目につきすぎてもいます。贅沢な悩み?とでも言いましょうか。それで、美しいけれどありきたりな写真なのかとも思いつつ、郷さくら美術館とセットで鑑賞するのに良かろうと、大きな期待はせずに(失礼)訪れたのでした。
しかし、その予想は裏切られ、単なるありきたりな富士山の姿の写真も当然ありつつも、18人の写真家の感性を通して抽出された富士山は、私の浅はかな先入観を綺麗に清めてくれる、その厳かな奥行きを感じさせてくれるものでした。
照明を落とされたその演出も、その良き印象の一因でしょうか。

こちらの展覧会も写真撮影は可能でしたので、素人の私が個人的に惹かれた作品の写真を並べます。僅かでもその雰囲気をお伝えできれば。

入り口のロゴ

上の写真は、タイトル写真の通り、暗い通路の奥に一際存在感を持って物理的に光を放っていた作品。最初は絵画かと思ったのですが、そこは写真美術館の展覧会、多くの写真を切り貼りして作品とされているのでした。その工夫と苦労を除いたとしても、遠目に見た作品として、その構図と色彩にとても惹かれ、強く印象に残った作品でした。

一つこの魅力的な会場設定で残念だったのが、仕切られていない隣の部屋から、音楽が響いてくること。

上のどちらかと言うと静寂の中で対するような作品の空間が、隣から響いてくる明るい音楽に乱入してしまっていたのが、心がすこしざわついてしまいました。音源のある部屋の作品に合わせられていたのでしょうけれどね。もっとも私だけの感じ方なのかもしれませんけれど。

そうそう、以前にnoteで書いた、Donata WendersさんのKomorebi Dreamsの映像。

その映像が、こちらでも展示されていました。

富士山とは(おそらく)関係が無いと思うのですが、好きな作品でしたので嬉しく、しばし耽溺。


上下の写真も強い印象を受け、今も余韻が残る作品。

前衛的な作品は、絵画や写真に限らずあまり好まない、というか、どちらかと言うと苦手な私ですが、この作品は写真を表現手段として活かし、それでいながら奇を衒ったようには感じず、自然に胸に沁みる入る作品でした。


それほど広い会場ではありませんが、こちらでは数多くの作品の一部しかご紹介していません。
7月21日までと長めの会期となっていますので、写真や富士山がお好きな方は訪れてみられてはいかがでしょうか。

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