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「教えるのが面倒くさい」の行く末

本日はこのテーマについて考えていきたいと思います。

とにかく、「教えること」は「面倒くさい」です。
したがって、どうしても避けたくなりがちです。

いくつかその理由を考えてみました。

1・ストレスが掛かる
他人は一度で理解してくれるとは限りません。また、人によって理解力にも差があります。「自分が出来ることをなぜ他人はすぐに理解できないのか」というジレンマに駆られ、それが自分のストレスとなっていきます。

2・正直そんな暇がない
仕事では、往々にして目の前の自分のタスクで一杯一杯になってしまうことが多いです。
「育てる」ということを明確にタスクとして与えられていない限り、その時間をなかなか持ちづらかったりもします。

3・自分でやってしまった方が良い
これは1、2の結果の中で至る考え方で。教えるのはストレスだし、時間も掛かるし、失敗されたくもない、故に自分でやってしまった方が良いという風に考え、教えることを避けてしまいます。

4・仕事を取られたくない
教えることによって、自分のノウハウが他人に伝わり、自分の仕事がなくなってしまうのではないかという恐怖心から教えることを避けたりするという考えも持った人もいます。

この中でも4は正直論外かと思います。
組織で働く人間として、この考え方は「利己主義」極まりなく、危険どころか害悪でしかありません。
もしこの状況が考えられれば、すぐにエスカレーションなどを行って対処するべきでしょう。

おそらく多くの場合が、1、2、または1、2の結果で3に至ってしまうということではないでしょうか?

正直な意見を言ってしまうと、1〜3になってしまうのも、マネージャーとしてはいかがなものかと思います。
というのも、マネージャーの仕事には人の育成も含まれているからです。

つまり、「ストレスが掛かるし、時間も掛かる、そして自分でやってしまった方が早いのであえて教えない」というのは、マネージャーとして人の育成を放棄にしているに値する行動だからです。

また、このような思考になりがちなのは、日本によくありがちな
「現場のトッププレーヤーをマネージャーにする」
ということを行なった際に起こりがちです。
トッププレイヤーだった人は「出来てしまう人」であるが故に、自分がやってしまいたいという欲に駆り立てたれることが多いです。

しかし、これはいずれどこかで別の記事にしたいと思いますが、
「現場のリーダーシップ」と「マネジメント」は全く素養が異なります。
なので、もし現場のトッププレーヤーをマネージャーに抜擢する場合は、マネジメント適性があるかどうかを判断する必要があるかと思います。

話を戻すと、とにかく、たとえストレスがあろうが、時間が掛かろうが、「教えるのが面倒くさい」という考え方は、
組織に対して長期的なデメリットが大きいです。

そのデメリットは以下のようなものが考えられます。

・他のメンバーの成長機会の損失
 
=>「やってもらう」という機会を奪うことは、試行錯誤による成長機会を奪ってしまうことにつながります。

・仕事が属人化していく
 
=>ノウハウを共有しないことは、業務が特定のメンバーに依存する状態になります。したがって、その特定の人が欠落した場合に、業務の停滞が発生する可能性が高くになります。

・時間の浪費
 
=>本来、教えることによって分担出来るはずの仕事が手元に残ってしまい、その仕事を知っている特定の人への負担が高くなります。

・メンバーからの信頼の損失
 
=>そして、結果的に「あの人は仕事を教えてくれない。私を信頼していないんだ」というネガティブな感情が生まれ、メンバーのモチベーション低下にも繋がりかねません。

いすれも「組織の成果」に対して影響するものとなります。
組織に所属しているということは、「協働」することが前提であり、そのノウハウを共有する必要があります。

教えずとも、自分自身で動いて解決が出来てしまえば、それは一旦の解決にはなるかもしれません。
しかし、「組織の成果を最大化する」という観点において、「教えるのが面倒くさい」という考え方は、長期的なメリットを及ぼさないということです。

それでも、
「言ってることはわかるけれども、教える時間がないものはないんだよ
という声が聞こえてきそうですが、
そうなってくると、それは業務の方向性とタスク配分の問題に起因します。

もし、マネージャーとして人を育成するタスクを与えられているのであれば、それに着手しなければなりません。
しかし、それに対して、時間を捻出することが出来ないのであれば、それは業務の配分が適切に出来ていない可能性もあります。
想定されるべき業務に対して、時間的確保が難しい場合は、タスク配分を見直すべき事項として、早めにチーム内課題として検討が必要です。
(これまでこれをやらずに、自らを苦しいままとしてしまう方が結構いました・・)
そこで話し合った結果で、やはり人材育成を優先順位高く行なっていくのであれば、その時間を捻出する手段を組織的に考えなければなりません。
人を増やすなどでタスクを分配する、やらない活動を決めるなどいくつかの手段は考えられるかと思います。

ということで、「組織の停滞化」を招かないためにも、
「教えることが面倒くさい」と考えた先のネガティブな行く末を想像し、
また同時に、
自分が行なっていることが共有された先に見えるポジティブ未来を想像することによって、その考えは払拭出来るかもしれません。

そして、何はともあれ、

仕事において一人で出来ることは限られている

というのをいつも忘れてはならないなと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
三連休の貴重な時間を本記事にいただいたことに心より感謝申し上げます。
それではまた〜

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