マガジンのカバー画像

どう在りたいのか、わからなくなった時の為に

49
自分がどう在りたいのか、わからなくなったとき。読むと「何か」変わるかもしれない作品を選びました。
運営しているクリエイター

#日記

「やりたい事」はあなたを幸せにしない

「やりたい事」はあなたを幸せにしない

もう15年くらい前になるか。

自衛隊のパイロットを夢見て何年もただそれだけを追いかけていた年下の親友が、山口の宇部空港で行われる最終試験まで行って落ちた。携帯のメッセージで不合格の連絡をもらってから、2ヶ月くらい音信不通になっていたのだが、ある日突然連絡が来て会うと、彼は意外とケロッとしていた。

お互い試験のことには触れず、今何をやっていて次に何をやる予定か、そんな事を話しながらいつものように

もっとみる
立冬のお墓参り巡りとプレモル

立冬のお墓参り巡りとプレモル

この週末、2日連続で何年ぶりかのお墓参りをしてきた。

土曜日、用事があって亀戸に行った。都内の東、江東区の北側に位置する下町であり、ぼくの生まれ故郷。母方の祖母が住んでいて、生後間もない時期をそこで過ごした。もちろん記憶はない。でも幼い頃からよく祖母の家に遊びに行っていたため、今も確かに「帰りたい場所」の一つになっている。

祖母は10年ほど前に亡くなった。癌だった。身長150cmもなかった祖母

もっとみる
「叶う」と「叶わない」のあいだにあるもの

「叶う」と「叶わない」のあいだにあるもの

幼い頃に描いていた夢がまったく思い出せない。

お花屋さん?ケーキ屋さん?たぶん違う。しいて言えばエレクトーンの先生や漫画家には憧れた気もするけど、どちらも中学生になったぐらいで早々に諦めた。習い事もぜんぶ途中でやめた。運動部に入っても補欠だった。何かの目標に向かって頑張る、といった努力が全然できない学生だった。ひとつのことに熱中している子たちがいつも羨ましくてしょうがなかった。

そんな私が小さ

もっとみる
【ランプみたいに揺れるあの子】

【ランプみたいに揺れるあの子】

彼女は、重厚な一冊を差し出した。
黒い表紙に題名は無い。
そして、こんなのでゴメンね…と涙をこぼした。

あんなに綺麗な雫を見たことはなかった。
見惚れる私を前に、
街灯が反射してきらりと光るそれを、彼女は服の袖で慌てて拭った。

アメリカ留学・ノンフィクション──親友との別れ編

       ∇∇∇

彼女は、中学、高校と一緒に登下校してきた一番の存在だった。
私は、彼女の前ではよく笑った。

もっとみる
数字では表せない、たった一人の"その人"がいること。

数字では表せない、たった一人の"その人"がいること。

昨日のnote、ちょっと挑戦だった。
自分にとってほんとうに大切な気づきのことだったから、きちんと人に届くよう、しっかり整えてから公開しようと思っていた。

でも大切だからこそ、なんとなくぬるくなって、書かずじまいになるのはいやで、とにかくそのまま書いてみた。

表現したいことを眠らせずに表現できたことはすごく嬉しかったし、
調整を加え過ぎず、心からそのまま表現する感覚が少しわかったのも収穫だった

もっとみる
なんでもない人がnoteに文章を残す意味

なんでもない人がnoteに文章を残す意味

私が小さい頃、将来の夢を持つことはとにかく良いことだとされてきたように思う。

プロのスポーツ選手、音楽家、医者、小説家、公務員、弁護士、お笑い芸人などがなりたい職業として挙げられ、マスメディアを通じて彼らのサクセスストーリーが私たちの頭にインストールされていく。

だから、私も頭の片隅で「大人になったらこういう人になることが良いことだ」と思いながら育ってきた。

しかし29歳になったいま、私

もっとみる