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江戸川乱歩デビュー90周年記念暗号 (2013.01.03)
今年2013年は、大好きな江戸川乱歩デビュー90周年です。
そんな年を記念して、暗号を考えてみました。解けるかな?
暗号は、以下の一行です。
阿陀、無弥、陀仏、無阿仏、弥仏、無弥陀
(2013.01.03)
ということは、昨年2023年がデビュー100周年な訳で、昨年投稿すればよかったのですが、忘れていたので今年になりました。アクセス数など、反応がそれなりにあるようであれば、ヒントとかをこの
寺島尚彦さん追悼 ~ みんなのうた「さとうきび畑」制作エピソード (2004.03.26)
降り続いた雨が嘘のように晴れ渡った午後、その丸天井とステンドグラスから穏やかな光の差し込む教会に、合唱団の歌声が響いた。それは、おそらくはいつもそこで歌われてきたであろう賛美歌ではなく、私たちのよく知る、この歌だった。
ざわわ ざわわ ざわわ 広いさとうきび畑は
ざわわ ざわわ ざわわ 風が通り抜けるだけ
「さとうきび畑」の作詞・作曲家である寺島尚彦(てらしま・なおひこ)さんの葬儀と告別式
久世光彦さん追悼 ~ ドラマと歌とマンドリン (2006.03.03)
久世光彦(くぜ・てるひこ)さんは、私の尊敬する数少ない日本のドラマ演出家だった。
久世さんを紹介する文には、必ず「『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』など、バラエティの要素をホームドラマに取り入れた斬新な演出手法で一世を風靡し…」といったフレーズが使われるが、私にとって忘れられない久世作品は、'92年の12月に放送された単発ドラマ「みんな夢の中 〜ある偽ハマクラ伝〜」(関西テレビ)である。その2年前
A Day in East Harlem ~ グラフィティアーティスト逮捕!その時私は… (3 完結篇) (2005.06.29)
ふと気が付くと、我々の周りに、なんだどうしたんだとばかりに警官達が集まり始めていた。私はマイケルにもう少し粘っておいてくれるよう頼み、上司に一報を入れることにした。署内の公衆電話から、現地法人ニューヨーク支社の副社長を呼び出す。
このPSA(*注)は決して広くない。私のいる電話ブースと、マイケルを中心とした人集りとの間を、明らかに麻薬中毒者と思われる白人の男が喚き散らしながら、ふたりの屈強な警官
A Day in East Harlem ~ グラフィティアーティスト逮捕!その時私は… (2) (2005.06.23)
私は10秒考えて、こう言った。「マイケルと僕とで、ドウズを助けに行く。クルマは僕らが使う。メンバーの皆と取材クルーは、ここで待っていてくれ。」
通訳と移動手段を奪われた日本人スタッフは不安だっただろうが、その時私は、1分でも早く、ドウズ・グリーンを見つけ出す必要がある、と考えた。私が心配していたのは、「二次的な不利益」だった。当該グラフィティ行為に違法性が無かったことは、簡単に証明出来る。しかし
A Day in East Harlem ~ グラフィティアーティスト逮捕!その時私は… (1) (2005.06.19)
仮に犯罪性がゼロだと判っていたとしても、自分が好きだったり、良く知っていたり、仕事していたりする誰かが「逮捕」されることは、ショッキングである。ましてや、その「逮捕」の原因の一端が自分にある場合には、なおさらのこと。
1994年5月、私はマンハッタンに居た。ヒップホップのダンスグループ、ゲットーリジナル・プロダクションズ・ダンス・カンパニー GhettOriginal Productions D
カサンドラ・ウィルソン “Blue Light 'til Dawn” (譜例あり) (2004.07.30)
まず、音楽に集中出来る環境を作って欲しい。可能な範囲で最も高いクォリティの音響機器を使用し、十分な音量レヴェルを確保して欲しい。そして、このCDをプレイヤーにセットし、冒頭から再生する。眼は閉じても閉じなくてもいいが、視覚的情報は断ち、聞こえてくる音に全神経を集中させて欲しい。楽音だけでなく、喉を通過する息、弦の軋み、弓の擦り音、木の響き、それらの全てを、一音たりとも聴き逃さないで欲しい。そうすれ
もっとみるロバート・ジョンソン (2) 〜 右手の表現力(譜例あり) (2004.07.17)
ロバート・ジョンソン Robert Johnson (1911 - 1938) は、素晴らしい。偉大である。さて、どこが素晴らしく、何故、偉大なのだろうか?
「R. ジョンソンは、後世のブルーズ/ロックアーティストに大きな影響を与えたから。」と、よく言われる。実際、エリック・クラプトンやローリング・ストーンズ等は、「影響を与えられた」と語っている。ライター/評論家達の言うように、これらのロック・
ロバート・ジョンソン (1) 〜 “Sweet Home Chicago” 歌詞の謎 (2004.07.14)
夏になると私は、ロバート・ジョンソンが聴きたくなる。しかも、朝に。その高い歌声と枯れたギターの音色が、ミシシッピ・デルタを吹き渡る風すら思い起こさせ、窓を開けると乾いた土の道に陽炎がゆらゆらと立ち昇っていそうな、そんな空想を味わわせてくれるからだ。
その生も死も、謎に満ちた伝説的ブルーズマンの R. ジョンソンなわけだが、歌詞の中にもいくつかの謎がある。数多くのミュージシャンにカヴァーされている
ブラフォード “One of a Kind” ~ 唯一無二、音のユートピア (2004.03.12)
1979年、ブラフォードとホールズワースは、他のふたりのミュージシャンとともに、「ブラフォード Bruford」というグループ名義のもと、このアルバムを発表した。
それは芳醇にして繊細。堅牢にして自由。「ロック」である必要のないその音楽は、複雑な多面体を形成しつつ滑らか、高い密度を保持しつつ軽やか。ステュワートとホールズワースによって入念に幾重にも重ねられたコードとその音色が、豊かな色彩と透明と
「プログレッシヴ・ロック」の真実 (2004.03.10)
ブラフォードとホールズワースがその後どうなったか、を書こうと思ったがその前に、プログレとは何だったのかについて述べておこう。
全ての音楽ジャンル名がそうであるように、「プログレッシヴ・ロック」もどこかの非音楽家によって名付けられたものであり、明確な定義は存在しないし、全ての音楽ジャンルがそうであるように、プログレと非プログレの境目はあいまいである。しかしながら、お決まりの「聴く人がプログレだと思
U.K. “U.K.” ~ ホールズワースとブラフォードが来なかった大阪厚生年金会館 (2004.02.13)
去年の12月に、クリムゾンの “Red” を紹介したけど、このアルバムの後ライヴ盤を1作出して、キング・クリムゾンは解散しちゃった。で、しばらくして、ビル・ブラフォードとジョン・ウェットンが新しく結成したのが、どーん!。このバンド、「U.K.」です。
いやー、このファーストアルバムは、聴きましたねー。本当にもう、繰り返し繰り返し。文字通りレコードが擦り切れる程に。およそ「ロック」の範疇に入るアル
キング・クリムゾン “Red” (2003.12.15)
1970年代に私をインストゥルメンタル・ミュージックに導いたアルバムは、当然のことながらジェフ・ベックの作品だけではなかった。
1曲目、タイトル曲冒頭の
B - D - F - A♭ - C - E
というディミニッシュ〜オーグメント進行、主題部のオルタードサウンド(リフの構成音がEパワーコードに対して♯11、♭13の関係を為している)、そして中間部の
B7sus4 - B7sus4/D(*)