マガジンのカバー画像

VTuber&VR考察マガジン

201
このマガジンではV考察や統計、ファンの向き合い方などVTuber&VRに関する考察をアーカイブしつつ、紹介していく 詳細→https://note.mu/kanata_virtu… もっと読む
運営しているクリエイター

#バーチャルYouTuber

「平成文化の精神」の終焉 ―キズナアイ活動休止に寄せて―

「平成文化の精神」の終焉 ―キズナアイ活動休止に寄せて―

※サムネイルはKizuna AI The Last Live “hello, world 2022”<https://www.youtube.com/watch?v=GTa2HxIsBPM>より引用

先週土曜日の2月26日、一つの大きな日本の伝説が、幕を下ろした。
世界初のバーチャルYouTuber(VTuber)であり、同ジャンルの開拓者であったキズナアイが、5年に及ぶ活動を終了し、無期限の活

もっとみる
Vtuberの外側と中身の曖昧な感覚

Vtuberの外側と中身の曖昧な感覚

今週のラジオトークのテーマはサブカルチャーということで、僕の最近の注目はVtuberです。そんなVtuberの凄さを話しています。

https://radiotalk.jp/talk/912340

さて、僕はVtuberをまあまあ見ているので、もう違和感はありませんが、初めて見た時は変な感覚でした。

Vtuberというのは、簡単にわかりやすくいうと、ふなっしーみたいなものです。
中身の人がい

もっとみる

VTuberを紹介する時に決めていること。

VTuber企画を番組で立ち上げて1年が過ぎた。

立ち上げ当初は話題にもならなかったが...企画を重ねるに連れ、

「出演したい」「福岡以外でも視聴できるようにしてほしい」と、

VTuber側・ファン側、双方から嬉しい声を頂けるようになった。

僕がチーフディレクターを担当している番組の詳細については

初稿で記述したnoteを見てもらえると。

最近VTuberのなぜか配信にも呼ばれるように

もっとみる
Vtuberと葬送(Vtuberと引退と死)

Vtuberと葬送(Vtuberと引退と死)

序 Vtuberに対する「葬送」はあるのか、可能なのかという事をたまに考える。Vの引退と死はイコールではない。例えば企業Vにおいて運営企業の判断によりVの活動が停止して「引退」し、今後活動が再開される見込みは一切無いとしてもそれはある意味で死ではない。個人Vに関してはVとして存在する為の権限を本人が所有しているので、引退/休止後にひょっこり復活したり別のVの所で顔を見せてくれたりする例もちょこちょ

もっとみる

バーチャルYouTuberの死とは何か?

Project:;COLDの登場により、「バーチャルYouTuber(VTuber)の死」という概念が去年注目され、様々な議論を呼んだ。Project:;COLDのあらすじは以下の動画を見ていただくとして、さっそく本題に移りたい。

そもそもバーチャルの定義が出来ていない問題「バーチャルYouTuberって死ぬんだ」だといった短観的な反応から、「演者が死んだんだろ それってどうなんだよ」といった勘

もっとみる
2020年のVTuber業界はどう変わったか(前編:3つのトレンドとデータから見える変化)

2020年のVTuber業界はどう変わったか(前編:3つのトレンドとデータから見える変化)

2017年に始まり、2018年の爆発的な第一次ブームを経て変わり続けるVTuberの世界。それは生まれてわずか4-5年に過ぎない新しすぎる世界です。
ゆえにわずか1年の変化が持つ意味はとても大きく、だからこそこうして私がアニュアルレポートを書く意味もあるのだと思います。

いまや「VTuber」という言葉が指すものはあまりに多様になりつつありますが、けれどまとまりに欠けることは承知で、昨年の201

もっとみる
バーチャルYouTuber研究6: バーチャルYouTuber調査③アバターと複合現実

バーチャルYouTuber研究6: バーチャルYouTuber調査③アバターと複合現実

 調査結果の3回目はアバターについてです。中の人と使うアバターの外見的性別の関係は?。アバターを使う理由は?。そして仮想世界の中でアバターを使うバーチャルYouTuberの生きる世界について考察します。

1.アバターと中の人回答者が創作して動かすアバターの外見的特長は次のようなものでした。

             図1アバターの外見的特長

 女性と男性がそれぞれ4割強で、動物や架空の創造物

もっとみる
バーチャルYouTuber研究5            バーチャルYouTuber調査② 提供コンテンツ

バーチャルYouTuber研究5        バーチャルYouTuber調査② 提供コンテンツ

 バーチャルYouTuber調査(東京、大阪在住のサンプル141人)の回答データの集計2回目は、その活動内容です。バーチャルYouTuberが収入を得ているのは全体の46.8パーセントでしたが、YouTubeプラットフォームからの収入源は、広告掲載、サブスクリプション(ユーチューブプレミアムと呼ばれる有料サービス)、そしてスーパーチャット(投げ銭)やチャンネル課金であるチャネルメンバーシップなど幅

もっとみる
バーチャルYouTuber研究4:        バーチャルYouTuber調査① 中の人プロフィール

バーチャルYouTuber研究4:        バーチャルYouTuber調査① 中の人プロフィール

 今回からバーチャルYouTuber調査の結果を書いていきます。2020年12月にインターネット調査会社のモニター(東京と大阪に在住、20代~30代)に対するサンプリングを行ない、「バーチャルYouTuberの中の人として活動する人」を抽出して質問紙調査の配信・回収を行ないました。結果141名の有効回答です。当初は全国在住で3万人程度にスクリーニングをかけましたが、出現率が1%にも満たず、地域と年

もっとみる
バーチャルYouTuber研究7:        キズナアイさんにみる仮想世界の拡大

バーチャルYouTuber研究7:      キズナアイさんにみる仮想世界の拡大

 調査研究を紹介している途中ですが、今回は箸休めで「キズナアイ」さんにみる仮想世界の拡大について、支援企業が考えるプランを私自身が取材した結果を中心に紹介してみます。

1. バーチャルタレントの活動領域 2019年夏、キズナアイさんの分裂騒動が話題になっていた時期に、当時彼女が所属していたマネジメント会社、Activ8株式会社の執行役員に取材して、所属する学会で報告していただいた内容です。1年半

もっとみる
『キズナアイ派閥』の可能性〜にじさんじ・ホロライブに並ぶ勢力〜

『キズナアイ派閥』の可能性〜にじさんじ・ホロライブに並ぶ勢力〜

 2020年にキズナアイと絡みがあったVtuberの内、実際に仲が良さそうな方を勝手に「キズナアイ派閥」としてまとめた。判定基準は俺の独断と偏見による。新旧織り混ざったメンバーで、にじさんじ、ホロライブに並ぶ第三勢力最有力候補の一つであると俺は確信している。まあ戦争してるわけでもないのでにじホロの人も混ぜているが。

 企業も個人も関係なく、別々のアニメや漫画のキャラが交流しているような楽しさ。俺

もっとみる

「バーチャルな存在」が在り続けるためのコストを現実的に考えてみる

この半年、私はVTuberの考察をきっかけとして、「バーチャルな存在」という人間の在り方についてnoteを書き続けてきました。
そして「こう在りたいという自分の理想の姿」を自らの手でデザインできるバーチャル世界は、今まで私たちが望みえなかったほどの自由度で「なりたい自分になり、望むままのことを成し、充足感を得ていくこと」、すなわち自己実現を可能にしてくれるだろう、と考えるに至りました。

そうした

もっとみる
自由なバーチャル世界でこそ「自分の意志」が大事な理由:あなたはどんな「バーチャルな存在」ですか?

自由なバーチャル世界でこそ「自分の意志」が大事な理由:あなたはどんな「バーチャルな存在」ですか?

前回、私の自己紹介の記事では私のこっ恥ずかしい自己紹介を長々と聞いていただきました。

この私の独白は、はたして皆さまの目にはどう写ったでしょうか。
現実の自分と同根であるはずの「バーチャルな自分」という虚像について、やや夢想的な自己定義を並べ立てた私は、正直皆さんの目には奇異に見えたかもしれません。

けれども、私はここで声を大にして言いたいのです。
既に1万人を数えるVTuberを始めとして、

もっとみる

【VTuber創世記01】 2017/02~発見と第一印象~

記事の目的・新規Vtuberファンが気になった過去のエピソードや流れを伝えたい

・古参Vtuberファンが以前の出来事を振り返り、議論や共感する場所を作りたい

※注意

・企業の情勢や魂(演者)といったメタい概念も含む

・昔の炎上案件なども題材にする

・自分の所感を重視するため、憶測や事実と異なる内容もある

01-初めて見るバーチャルYouTuber当時の自分はライトなアニヲタで声豚。暇

もっとみる