【VTuber創世記01】 2017/02~発見と第一印象~

記事の目的

・新規Vtuberファンが気になった過去のエピソードや流れを伝えたい

・古参Vtuberファンが以前の出来事を振り返り、議論や共感する場所を作りたい

※注意

・企業の情勢や魂(演者)といったメタい概念も含む

・昔の炎上案件なども題材にする

自分の所感を重視するため、憶測や事実と異なる内容もある



01-初めて見るバーチャルYouTuber

当時の自分はライトなアニヲタで声豚。暇があったらとりあえずニコ動のランキングがら適当に見たい動画を漁りつつ、それをBGMにネトゲやソシャゲで時間を潰す陰キャ大学生であった。


その日、自分の好きな動画漁り(個人クリエイター作のMADやMMD)にもひと段落付き、ニコニコトップを眺めていた自分にとある動画が目に入った

画像1

(2017年2月9日当時のニコニコトップより、尚自分が見ていたのと同日かは不明)

その動画がこちら


初めて動画を見たときの感想は…………

「へぇ、かわいいな、すごいやん(真顔)」


「すごい」とは思ったが「衝撃を受けた!」とか「一目見てハマった!!」みたいなのは正直ない。

そこはニコ動広し。数年見てればそれぐらいのクオリティのコンテンツに出会うことはままあるのだ。そういったクオリティを当時のコンテンツと比較すると以下の感じ

キズナアイ初見ですごいと思ったポイント

モデルがかわいい

↔MMDでは(自分は)よく知らないがかわいいキャラ、クオリティの高いモデルを普通に見る(東方や艦これ等)

Ex.下の動画では有志が作成し2014年にアップされていたMMDの動画。タイトルにモデル配布とあるように概要欄のリンクからダウンロードして利用することができる

動きが自然

↔こちらも上手いクリエイターが時間をかければ自然な動きを再現できる動画

↑再現度の高いMMDモーションの例

※素人モーション配布等に出されるモーションは手作業のものも多い

↓モーション付けの風景

よってモーション付けは技術、時間、センスが必要でその自然さはかなりピンキリになる。ただMMD界隈のコメントとしてはそのあたりは理解されているため、多少の違和感は別に気にせず、かけた時間と労力へのリスペクトと演出や題材を評価する文化であるように感じた

↓演出重視な印象をうけたMMD作品


声がかわいい

↔例は少ないものの同人アニメにも有名声優を起用しているものもあった

Ex.以下は東方の同人アニメ「夢想夏郷」の詳細とそのワンシーンを使ったMAD。キャラクターの声は豊崎愛生さんが務めている


若干珍しかった要素といえば更新頻度が高いこと(2月15日から2日に1本程度のペース)、表情変化が細かいことなんかを思った印象はある。ただ公式チャンネルでそれなりにお金が動いていると考えればまぁそういうコンテンツもあるのかという程度でしかなかった


02-「情報少な!?」

と、ニコ動コンテンツとしてみればこの程度の認識で終了なのだが

興味がわいた自分がGoogle検索をしたことで先ほどまでの推察が一機に崩れる衝撃を目の当たりにする

当時Google検索によってヒットした有用情報のあるサイトの数

6件!?

(内訳:まとめ記事1、ニュース記事1、公式サイト他4)

そのほとんどが公式発信のサイトで外部からの情報がたった2件しか存在しなかった

検索件数の少なさ=知名度の低さ→お金を使うユーザーの少なさであり

先ほどの「運営元にお金が入ってくるのだからクオリティが高いのは当たり前」という前提がひっくり返ったのである



加えて驚異的だったのは公式サイトの簡素さである

書いてある情報といえば

・キービジュアル

・チャンネルやTwitterのリンク

・MMDの配布と規約

—————以上

プロジェクトの概要といった大枠から、運営元やスタッフ、技術に関しての詳細すら一切なし

謎は深まるばかりだった


まとめサイトの内容も多くは公式サイト等の情報と他情報の少なさに困惑ばかりといった印象であった

ただ一応新しく得られた情報といえば

・YouTuberには広告収入なるものが入る

・運営に「Active8」という会社が関わっているはないか?

というものである

※出典については現在捜索中


03-「広告収入ってどんなよ」

昨今Youtuberを取り巻く認識や環境は大きく変化した(それに関しては別項目で)。「YouTuberなのだから広告収入が収益になるだろう」という認識は今やだれもが思い当たる考えだろう。しかし、事VTuberにおいては広告収入のみを収益源とするのは不可能だと考えており、それは当時も今も変わっていない

当時のまとめサイトでも広告収入については触れていたがその相場の認識は今と大きくは変わらない

1再生=0.1円

当時(垢BAN直前)の動画本数は30本、当時の再生数が確か1動画1万~2万程度であったとすると活動開始から3か月での総広告収入は

3万~6万円

お年玉かよwww

企業やプロジェクトの収益高とは思えない数字である。

一方かかった費用を算出するとスタッフ1人が月収10万円、その他固定費(事務所の家賃等)と初期費用(モデルの製作費、機材、システムの作成費)を合わせて考えると

(10万円×スタッフ数+固定費)×活動月数+初期費用

となる

ここで重要なのは人数が多いこと固定費がかかることが明確に不利に働くということである。当時から有名でYouTuberの大部分は個人、上記の2点は非常に少なく済む。一方でVTuberは一部を除いて個人での精力的活動は難しく、どうしても上記の2点は多くなる。そこへさらに初期費用が掛かってくるのだから普通に考えれば「上手くいくはずのないシステム」なのである。


ちなみに2020年現在においてもその事実はおおよそ変わっていないだろう

画像2

こちらの動画の最後のカットをよりひと月の再生数は多くて1000万再生これを単純に広告収入に落とすと100万円/1か月。数字としては大きいがスタッフが5人いるだけで一人当たり20万円程度となってしまうという数字。しょっぺぇw

もちろんこのランキングに乗っている人の多くの活動はほぼ個人配信者。毎作業スタッフが何人も必要なわけではなく、そんなにしょっぱいビジネスしてる人はいないということも合わせて押さえておきたい。


04-当時の結論とその先

上記より当時考えていた「バーチャルYouTuberキズナアイ」の印象は

「お金をかけてお金にならないことをしている人」

仮に激ハマりしてたとして当時の動画量は30本、更新頻度は数分の動画が週2本な訳で「たまに思い出したときに見に行くかぁ」という程度の認識であった。


ただ一方でよくわからないヤツということは今後が気になるヤツということとも感じられるわけで、それがわかっていく事に少なからず期待があったのも事実だ。

当時期待していた可能性としては以下の2つ

期待A(大本命)

ゲームやアニメの先行プロモーション企画が「バーチャルYouTuber」であり、彼女を題材にしたコンテンツが別途将来作られ、発表される

期待B(堅実)

彼女はVRやAIといった技術をプロモーションするキャラクターであると同時に運営元の技術デモンストレーションの一貫である。VRやAIといった事業の依頼が運営元に来ることで収益を得ているため、他のメディア展開はなくYouTuberとして活動を続ける

期待Bについて補足すると上記の02の最後に運営として予想されていたActive8について当時公式サイト等を調べた記憶がある。見解として「キズナアイ」に対する詳細はなく「よくわからない」というものであった。ただその中に以下のような記述がある。

画像3

事業内容に初のデジタルYoutuberの運営というものがありこれが「キズナアイ」であると仮定できる。他方その業務内容には3Dクリエイターのマッチングのような業務も含まれている。1アニオタ程度の知識では後者の事業の儲けなんかは全く予想できない訳だが、もしマッチング業務の収入でYoutuberの運営のコストを賄えるのであれば、運営を維持し続けられるのかなぁと雑に思った程度の期待であった。


この期待の結果こそ今私たちが目にしてる現実そのものな訳だが。この予想の結果がどのタイミングで得られ、それについて自分が何を思ったのかについては今後記事にできればと考えている。


番外-「バーチャル」と「Youtuber」に対する印象と背景

「バーチャルYouTuber」は「バーチャル」と「Youtuber」という単語の造語であるが、それぞれの言葉の当時の印象について少し触れておきたい

「バーチャル」「AI」

2017年の前年、2016年。12月にキズナアイが活動を開始したこの年はVRやAIについての認知が大きく広がった年であったように思う

第一が2016年10月のPSVR発売

記事にあるように行列や完売等多くの人が注目していたのは間違いない。これらはテレビ番組でも大きく取り上げられ、「VR元年」などという言葉も聞かれた。

そして第二に2016年流行語大賞へのノミネートもされた「AI」

これらは当時詳細はよくわからないまでも「近未来を担う技術」としての期待を持って報道されていた印象がある。

前年の報道からのそうした印象が新鮮に残っていたため、肩書の「バーチャル」や自信が「AI」であるという部分に関しては抵抗なくイメージできた。

逆にいえばそうした社会の風潮がキズナアイの誕生に大きく寄与したのだろうとも考えることができる。


「YouTube」

「YouTube」における環境や印象の変化はここ数年でトップクラスのものだと自分は感じている。なにせ1アニオタから見たYouTubeの当時の印象は「違法アップロードの温床」だったのだから。



このような事情もあり

これらのことからある人にとってはコンテンツの宝さがし場、またある人にとっては


「YouTuber」

YouTubeの環境や印象が上記のものであった当時、Youtubeの広告収入の存在やそれに伴って生まれたYouTuberといった言葉も2016年から話題になり始めたものである

印象をまとめると大きく2点

・子どもに人気

→テレビのニュースにおいて主に子どものなりたい職業ランキングに入ったことを理由に紹介されていたため


・炎上や問題も多い

→2017年に大きな話題になったYoutuberのニュースをピックアップすると以下のようなものがあった

はじめしゃちょーの炎上(~2017/05)

YouTuberヒカルの仮想通貨相場操作騒動(~2017/08)

またそれ以外にもYouTuberの迷惑行為という形で取り上げるニュースも多かった

警察への迷惑行為(~2017/09)

飲食店への迷惑行為(~2017/09)

今回の調査でこういった悪印象がテレビの画一的な報道の影響を強く受けていたこともはっきり自覚できたが、テレビメディアを主な情報源とする蚊帳の外からの印象があまりよくないことは事実であろう

そういったニュースの印象に加え、陰キャの自分から見た印象としてもルックスが良くどことなくチャラい

そして至った結論は「陽キャやDQNの別世界」というものであり、一生関らないと自分は思っていた



〆定型文

目を通していただきありがとうございました

記事の感想、最初に「バーチャルYouTuber」を目にした際の印象等コメント残していただけたら返信します







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